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【首都スポ】

[大学サッカー]駒大の新主将・星 さらなる躍進に向けチームけん引

2019年2月22日 紙面から

駒大の新主将に就任した星=東京都世田谷区の駒大玉川キャンパスで(北田美和子撮影)

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 第93回関東大学サッカーリーグ戦(東京中日スポーツ後援)の4月開幕に向け、昨季の1部上位6校の新主将に今季の意気込みなどを聞く連載「リーダー蹴春トーク2019」第2弾は、駒大DF星キョーワァン(3年・矢板中央)。昨季は4位と、10年シーズンの4位以来となる久々の上位進出を遂げた駒大。3度のリーグ優勝を誇るチームがさらなる復活劇を演じられるかどうかは、自陣ゴール前で仁王立ちする守備の要、星のパフォーマンスにかかっていると言っても過言ではない。 (取材&構成・関孝伸)

◆キャプテン立候補「戦う姿勢や味方を鼓舞しながらプレー」

ヘディングに絶対の自信をみせる星

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 -誰の異論もなく、主将に選出されました

 星「自分たちの学年の中で話し合って決めました。候補者が何人かいたら投票になったんですけど、自分がやるみたいな雰囲気が最初からあったので、立候補して、それで決まりました」

 -なるべくしてなったわけですね

 「人としてというよりは、戦う姿勢や味方を鼓舞しながらプレーするスタイルがキャプテンっぽいのかもしれません。ただ、正直、最初は乗り気ではありませんでした。周りへの影響力が自分よりもある選手が他にいますし、自分で本当にいいのかという思いがありました。キャプテンをやることは去年(12月)のインカレ(全日本大学選手権)の前くらいには決まっていたんですけど、やる覚悟がすぐにはできませんでした。でも、インカレの決勝で負けて、覚悟を決めました。メチャクチャ悔しくて、残りの1年を悔いなく終えたい気持ちになったからです。チームのために頑張ろう、キャプテンも全力でやろうと思いました」

 -チームをどのように引っ張っていこうと考えていますか

 「みんなが何をどう考えているのかを常に知っておくためにも、コミュニケーションをしっかりと取りたいと思います。高校でもキャプテンだったんですけど、あのときは、ああしろこうしろと一方的に言うところがありました。高校ではそのやり方でもみんな聞いてくれましたけど、大学生ともなれば、そうはいきません。自分が独り歩きしないように、みんなの声を聞いていきます」

 -「駒澤人であれ」を今季のモットーにしました

 「サッカーを通して人間的に成長するのが駒大サッカー部の理念です。その理念の下に、最後まで諦めずにボールを追う、仲間のためにプレーするというのが駒沢らしさ。戦い方としては、人もボールも縦に速く動くのが特徴で、そうしたことを貫けば勝てることが去年の成績である程度証明できました。去年が良かったからこそ、今年が大事になるので、駒沢らしさを引き続き徹底しようと考えて、これをチームスローガンにしました」

◆駒沢らしく仲間のためにプレー!最後までボール追う!!

 -昨季の話が出ましたが、リーグ戦で4位に入ったほか、総理大臣杯全日本大学トーナメントがベスト8、インカレが準優勝と、星選手が入学してから最もいい成績を収めました

 「4年生のおかげだと思います。みんなまじめで、サッカーに対する熱意がすごかったです。駒沢らしさを本当によく体現してくれていました。自分たち下級生はそれに乗っかっただけです」

 -昨季の成績を超えるのは大変です

 「去年のメンバーがだいぶ抜けたので、経験値的には厳しいものがあります。でも、1試合1試合をみんなでしっかりと戦うことで、タイトルを目指します。最終的な目標は日本一。OBの期待が大きくて、プレッシャーをかけられているんですけど、自分はプレッシャーがあった方が頑張れます。期待されるのはありがたいことで、うれしいです。やってやろうというスタンスでいます」

 -チームが躍進したシーズンを経て、星選手も一皮むけました

 「自分は気分屋のところがあって、イライラすると、それをプレーにぶつけたりしていました。いらないファウルをしてイエローカードをもらったりとかがあったんですけど、それが3年になってなくなりました。1、2年のときは自分のことしか考えない感じだったのに、このチームで勝ちたいという気持ちがすごく強くなって、チームが勝つためにプレーする考えに変わったんです。そうしたら、精神的なムラが自然となくなって、去年のリーグ戦でもらったイエローカードは確か1枚だけ。大人になりました(笑)」

 -プレーの幅も広がりました

 「気持ちで戦うタイプで、ヘディングでは誰にも負けない自信があります。そんな感じなので、元々は前でつぶすタイプだったんですけど、ここ2年間は守備ラインをコントロールして、カバリングを一番に考えるのが仕事でした。相手の攻撃をはね返したり、つぶしたりするだけのセンターバックではなくなったと思います。選手としてのキャパ(シティー)が大きくなりました」

 -今季は劣勢の試合が多くなるかもしれないだけに、DFリーダーである星選手のさらなる踏ん張りが求められます

 「我慢する時間帯が長くなる中で、まずは自分がじれないことです。どっしりと構えながら、チームを耐えさせたいと思います。どんな状況になっても耐える自信はあります。自分の責任は大きいので、離脱することは許されません。まずはけがをしないことがメチャクチャ重要になります」

◆星キョーワァン・アラカルト

 <衝撃の思い込み> 自分の名前のローマ字つづりをずっと誤って書いていた。KYOWANと思っていたのだが、実はKYOWAAN。昨年12月のパスポート更新の際に、それまでの思い込みにようやく気がついた。

 <失恋> 告白をちゃんとする前にふられたらしい。年明けからガールフレンドと盛り上がっていたのだが、2月に入り、相手がトーンダウン。LINEの反応が悪く、もう諦めている。「『サッカーを頑張れ』って、神様が言っているんだと思います」と自分に言い聞かせている。

今年のチームスローガンは「駒澤人であれ」

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<星(ほし)キョーワァン> 1997(平成9)年6月25日生まれ、栃木県下野市出身の21歳。父親がコンゴ民主共和国人、母親が日本人。184センチ、80キロ。DF。同市立南河内第二中1年のときに部活動でサッカーを始め、栃木・矢板中央高に進んだ。同高3年時の全国高校選手権でベスト16。自身は大会優秀選手に選ばれ、日本高校選抜のメンバーにも選出された。駒大では1年時から主力としてプレーしてきた。関東B・北信越大学選抜。

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