内なる“敵”がいた。マリナーズのイチロー外野手(45)は20日、米アリゾナ州ピオリアのキャンプで「ライブBP」と称される実戦形式の打撃練習に参加。同僚の「キング」こと右腕ヘルナンデスから右足の側部に死球を受けた。
共同電によれば、いったん打席に戻ったが、大事を取って練習を切り上げた。
「地味に痛い。ライブBP、嫌いやわ。無理しても仕方ないから」。イチローは苦笑した。精密検査を受けた結果、骨には異常がなく軽傷とみられるが、短期間離脱する可能性もあり、当面は様子を見ながら体を動かすことになりそうだ。
例年の春ならば心配は無用だが、今年は話が別だ。3月20、21日に東京ドームでアスレチックスとの開幕2連戦が行われる。イチローは昨年5月から会長付の特別補佐に就任し、実戦から離れていたが、今回は「凱旋(がいせん)復帰」のベンチ入りが既に内定済みだ。本番まで1カ月。早い仕上がりが求められる45歳にとっては、小さなつまずきも大禍の元になりかねない。