変化の激しい暗号市場で、取引所で1日に何十億ドルもの取引量が発生すると、投資家は巨大な需要がそこにあると錯覚するかもしれません。しかしこうした取引量の全てが実際の投資活動を反映しているとは限りません。
CoinMarketCapの取引所ランキングの上位に、度々聞いたことのない企業が登場する事があります。取引マイニングと呼ばれる仕組みを採用する取引所は、ユーザーがボットプログラムを使って、取引を無数に繰り返す場合があります。あるいは、マーケットメイクと称して取引所の関連企業が、ウォッシュトレード(人工的な取引量を発生させる)を行っている事例も報告されています。ウォッシュトレードは、伝統的な証券市場では違法行為とされています。
つまり、取引量に基づいたランキングは、本物の持続可能性と流動性を表していない可能性があります。取引所の運営方法は不透明なブラックボックスの中にあり、一部の企業は、実際の需要が無いのにあるかのように演出し、顧客の資産を引き寄せ、効果的に利益を搾取しているかもしれません。
CERが提案している新たな取引所の評価指標は、ブロックチェーンの不変の台帳に基づいています。つまり、コールドウォレットとホットウォレットの残高にあります。資料によるとCERは、取引所ごとの複数のホットウォレット、コールドウォレット及びプレ・コールドウォレット(レイヤー)の関係を調査し、推定残高を導き出しています(How to find an exchange's walletsより)。
この情報は改ざんされていない可能性があり、簡単に検証できます。同様に、誰でも特定の取引所のウォレットを観察し、それらのすべての変化と動きを追跡することができます。市場の全部ではないものの、既に多くの取引所のブロックチェーンデータがCERに反映されています。
CERのランキングによると、米国の暗号資産取引所コインベースは、21.9億ドル(約2400億円)の資産を管理して首位。バイナンスの17.7億ドル(約2000億円)を上回っています。最近日本に進出したフオビの本体「Huobi Pro」は3位で13.8億ドル(約1600億円)を管理しています。昨年本格的に事業を再開したばかりのコインチェックは既に9位1億1800万ドル(約130億円)にランクしています。
Hackenは、米国および英国の5大銀行、新興国の5つの地方銀行の顧客預金と、5つの大規模な暗号取引所のデータを比較しました。暗号のウォレット残高は、米国および英国の上位5行と比較すると、チャートには表示されないほど僅かです。
平均して、新興国の銀行預金は暗号取引プラットフォームよりも15倍巨大です。そして、世界の上位5大銀行は、暗号ウォレットの1000倍を超えています。
信頼できる正確なデータは、真に世界規模を達成するために、暗号資産の成長余地を正確に表している様です。
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