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【社会】

投稿続く「金子さんしのぶ句」 一周忌座談会 ドキュメント映画試写会も

現代俳句の第一人者で本紙連載「平和の俳句」の選者金子兜太(とうた)さんの一周忌に当たる20日、(左から)選者を引き継いだ俳人黒田杏子(ももこ)さん、作家の下重暁子さん、嵐山光三郎さん、河邑厚徳監督らが、金子さんのドキュメンタリー映画「天地悠々」の完成をお披露目した=東京都千代田区で(安江実撮影) 

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 現代俳句の第一人者で、本紙連載「平和の俳句」の選者金子兜太(とうた)さんの一周忌にあたる二十日、生前をしのぶ座談会が東京都内で開かれ、金子さんの晩年の姿を映したドキュメンタリー映画の完成試写会もあった。

 出席したのは、監督の河邑厚徳さん(71)、俳人の黒田杏子(ももこ)さん(80)、作家の下重(しもじゅう)暁子さん(82)と嵐山光三郎さん(77)。

 黒田さんは、選者を務める新聞俳壇に金子さんをしのぶ句が今も毎週送られてくることを紹介。「どんな有名な人が亡くなっても投句は数カ月で落ち着く。これは前代未聞じゃないか」と驚き交じりに語った。

 「平和の俳句」は、二〇一四年八月十五日に掲載された金子さんと作家いとうせいこうさん(57)の本紙対談がきっかけ。二人は、憲法九条を詠んだ俳句がさいたま市の公民館だよりに掲載されなかった問題を取り上げ、俳句で平和を表現しようと意気投合した。

 作者が同市に句の掲載などを求めた訴訟で最高裁は昨年末、不掲載とした市の判断の違法性を認めた。

 下重さんは「『平和の俳句』は事件だった。金子さんといとうさんの声にみんなが応えて、今度の判決が出たんだと私は思う」。

 映画は「天地悠々 兜太・俳句の一本道」。三月二十二日に日比谷図書文化館(東京都千代田区)で公開される。 (小佐野慧太)

 

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