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入札が続いていたベルギーのチョコレート会社「ゴディバ」の日本事業について、アジア系投資ファンドのMBKパートナーズが買収することが決まった。関連事業を含む買収額は1100億円超。ゴディバの親会社であるトルコの食品大手、ユルドゥズ・ホールディングはトルコ通貨リラが下落するなか外貨建て債務の圧縮を急いでおり、グループ資産の売却を進めている。
ゴディバが20日、発表した。対象は日本で高級チョコレート店「ゴディバ」を展開しているゴディバジャパン(東京・港)で、韓国、オセアニア地域のゴディバ事業を含む。全体の売り上げは400億円程度で、9割以上は日本事業が占めるもようだ。柔軟に商品開発を進めるため、ベルギーの工場も買い取る。買収の完了は2019年半ばになる見通し。
ゴディバのブランドの所有権は引き続きユルドゥズ側が持つものの、ゴディバジャパンが管轄する地域に関してはMBKパートナーズに対して永久的にライセンスを付与するという。
ユルドゥズは07年、ゴディバの買収を決めたが、トルコ政府と米トランプ政権との関係悪化でリラが下落。過去の大型買収に伴う外貨建て債務の負担に苦しみ、18年秋、ゴディバ日本事業の売却手続きを始めた。
入札にはMBKパートナーズのほか、香港系ファンドのベアリング・プライベート・エクイティ・アジア、日本の三菱商事・丸の内キャピタル連合なども名乗りを上げていたとみられる。MBKパートナーズは中国や韓国での大型投資で知られ、2018年に黒田電気を買収した。
ゴディバは日本で百貨店などに約300店を展開。10年からコンビニエンスストアなどでも商品を販売しており、過去7年で売り上げが3倍に拡大している。英調査会社ユーロモニターによると、ゴディバは日本のギフト用チョコ市場のシェアで26%。ベルギーの「ピエール・マルコリーニ」などを抑え、首位にたっている。
日本事業自体は1972年、食品商社の片岡物産による商品の輸入販売で始まった。2015年に片岡物産との契約を解消した後は、自社の店を含めて全ての店を直営に切り替えている。