The Real Face
Vol.3 乗本賢吾(SO/27歳)
ブラックラムズ・プレーヤーの素顔に迫るこのコーナー。第3回目は、アキレス腱断裂の大ケガから復活し、チームの司令塔として攻守に活躍するこの男の本音に迫った。
インタビュー日:2006.9.21
~今旬の男・乗本の復活。チームの命運を握る司令塔のビジョンとは~
SOというポジションはチームを勝利に導かなければならない。
そういう意味では不満が残ります。
TLが開幕し3試合、全て先発で240分フル出場を果たしています。
ここまで1勝2敗ですが、SOはチームを勝利に導かなければならないポジションですので、そういう意味では不満が残ります。勝利した開幕戦も内容的に満足いくものではなかったので。ただ、3試合を通して課題とビジョンが見えてきたので、シーズン深まった時にはいいチームになっているのでは、という感触はあります。
これまで期待されながらもケガに苦しんできました。
そうですね。今年で入社5年目になるのですが、毎年変わっていくラグビーそのものに付いていくのに苦労しています(笑)。開幕戦は本当に久々の出場だったのですが(TL出場数は03年4、04年1、昨シーズンは0)、あまり試合前に気持ちで入れ込むタイプではないので、変な緊張とかはなかったですね。
開幕戦となったサニックス戦を振り返ってください。
サニックス戦はまずは試合に出られた事が、素直にうれしかったですね。個人的にDFはまずまずできたのですが、アタックは順目で攻める意識や周囲へのコーリング、リードの部分がまだまだできていなかったですね。もっと細かい事をいうと、ポジショニング、自分の立ち位置に多少ブレがあったかなと。それと感覚的な事になるのですが、もっと試合の流れや状況を読んで理解して、相手の嫌がる攻撃を仕掛けなければならなかった。
続いて昨季TL4位のトヨタ、5位の神戸との戦いが続きました。
トヨタはある意味格上といわれるチームですが、ラグビーに絶対はないし当然勝つつもりで臨みました。あの試合は風が強かったのですが、前半風上にも関わらずリード(10対14)されてしまったのが痛かった。で、後半案の定トヨタのSO(廣瀬選手)がキックを多用してきたのですが、そこで自分を含めたBKがFWを助けられなかったのが敗因ですね。SOとしては、そのあたり“ゲームの仕切り”の部分はすごく反省しています。
翌週の神戸戦は、絶対勝てるだろうと思って臨みました。雨だったので戦前からキック主体のゲームになると思っていたのですが、陣地の奪い合いで相手にペースを奪われてしまいました。そこで後手を踏んでも、次の引き出しからより良いオプションを使っていかなければいけないのに、有効な手立てを打てませんでした。
公式戦は練習試合とはまったく別物といわれますが、ブランクは感じませんでしたか。
春から練習試合をこなし感覚は徐々に戻ってきていましたし、試合を積むごとに状態は良くなってきています。正直100%とはいえないかもしれませんが、もうケガの影響はありません。
日本を代表するSOの廣瀬選手、森田選手と対戦してみていかがでしたか。
“うまいな”とか“すごいな”とかは感じなかったですね。SOとしての理想は、創造的であり、なおかつ組織的なゲームメイクができる選手。リコーはBKの個々を見てもポテンシャルは高いと思うので、それをしっかり束ねていきたいです。
TLもまだ序盤を終えた段階ですが、今後どのように戦っていきたいですか。
ここ最近、チーム全体で少し型にハメようとし過ぎているのを感じるので、もう少し個人の発想を生かしながら臨機応変に戦っていきたいですね。試合の最初にリズムを作り出すのも個人の思い切ったプレーだと思いますし、相手のペースを乱すのに大切な要素になってくる。もちろん基本は大切ですが、そういった個性は忘れないようにしていきたいです。
具体的な課題・修正点は。
中盤で自陣から敵陣に入っていく局面ですね。セオリー通りにキックで敵陣に入るのだけではなく、BKラインを駆使しながら最終的な選択肢としてキックを織り交ぜていきたいです。その方が相手も嫌がるし、陣地もより深く進入できますからね。CTBには河野や森島さんとか周りの見える選手もいるので、バリエーション、組み合わせをもっと工夫していきたい。二人にはキックでも助けられています(笑)。
西辻選手や小吹選手など、決定力のある選手もいます。
普通に回せば彼らは最低でもチャンスは作り出してくれるので、もっともっとボールを供給したいです。あとはこれから接戦が増えてくると思うので、極力ミスをなくし勝負をものにしていかなければならない。