DeNAのドラフト1位・上茶谷大河投手(22)=東洋大=が20日、ロッテとの練習試合(宜野湾)に先発し、2イニング打者6人を20球で仕留めた。即戦力と期待される右腕が初実戦で上々のデビューを果たした。
「試合前は緊張していたけれど、おなかに力を入れ、いつもどおり落ち着いて投げられた」
初となるプロの打者との対戦。いきなり注目のドラ1対決を迎えた。1回1死、ロッテ・藤原(大阪桐蔭高)を1ボール2ストライクと追い込むと、難なく内野にゴロを打たせた。その3球目には球団のスピードガンで152キロも計測した。
2回には昨季24本塁打の4番・井上に圧巻の投球。内角へのツーシームでストライクを奪うと、最後は外角へのカットボールで3球三振に仕留めた。「1球目のストライクが低めに決まったので、追い込むまでの過程が良かった」。自慢の制球力をみせつけた。続くバルガスには「打たれた瞬間、行ったと思った」という大飛球。中堅の桑原が好捕したものの、一発の怖さも味わった。
自己採点は60点と厳しかった。「まだ、2イニングしか投げていないし、変化球は満足するピッチングではなかった」。周囲の評価は上がる一方だ。受けた嶺井は「打者に向かっていく姿勢がいい。しっかり両サイドに投げ分ける」と舌を巻き、ラミレス監督も「ポテンシャルはかなりのもの。結果にはとても満足している」と目尻を下げた。開幕ローテーション入りへ、さらに一歩に進んだ。 (石井智昭)