【ドラニュース】岩瀬さんから博志へ守護神の心得 「クローザーはメンタル勝負」2019年2月21日 紙面から
守護神奪取を目指す中日・鈴木博志投手(21)が20日、本紙評論家でOBの岩瀬仁紀さん(44)と対談した。歴代最高の通算1002試合登板、407セーブをマークしたレジェンドは、クローザー定着に向けて千里の道も一歩からを強調。対談では後輩にその心構えを惜しげもなく伝授するなど、鈴木博も昨季を振り返りながらじっくり耳を傾けた。 (構成・井上洋一) 岩瀬「18日の試合ではピシャリと抑えていたけど、自分の現在の状態はどう感じてる?」 鈴木博「やっと状態が上がってきたなという感じです」 岩瀬「抑えをやりたいという気持ちをすごく出してやっているようだね」 鈴木博「結果ももちろんそうですが、まず執念というか、打者をどう抑えていくかという気持ちを、しっかり見せてやっていければと思っています」 岩瀬「周囲から誰から見ても、博志が出ていったら大丈夫だという投手にならないといけない」 鈴木博「去年から吉見さんが練習する姿を見て、すごいやっているのが伝わってきてました。みんなが認めてくれる投手というのは、普段の練習から、私生活からというのが大事なのかなと思ってました」 岩瀬「投球術でいうと、困った時に変化球でも何か一つ自信のあるボールも持ってほしい。フォークを練習しているようだけど、一つあれば、それが自分を安心させてくれるし、速球も生かしてくれる」 鈴木博「はい、わかりました。岩瀬さんは抑えのマウンドでどんなことを考えていましたか」 岩瀬「走者がいない時はそんなに気を使っていない。走者が出てから集中し始める。じゃないと1年持たない。結局走者を出そうが、かえさなければいいんでしょという発想になったんだよね、オレは。ところで、昨年の博志を見ていて思ったことがあるんだけど」 鈴木博「はい…」 岩瀬「走者がいない時はすごくいい投手に見えるけど、走者が出てからバタバタする。これを逆にしてほしい。博志は、ブルペンでセットで投げる割合が少なすぎる。新人だった去年は無我夢中でやって持たなかったというのもあるんだろうけどね」 鈴木博「無我夢中でしたね。毎日がもう…」 岩瀬「全部を抑えにいこう、全部三振を取りにいこうと見えた」 鈴木博「そうですね。全部三振を狙うくらいのピッチングでしたね」 岩瀬「やっぱり最悪の事態を想定した練習をやっていかないとな。あと、ブルペンで試合の中の緊張感を自分で描いていない。悪い状態になったときに、対応できなかったよね」 鈴木博「去年は正直、自分のことしか考えられなくて、だんだん失敗も重ねて、夏ごろは頭の中がもう、何を考えればいいか分からなくなって、自分のボールを投げられなくなったりしました。初めのころ、走者を出しても点を取られなければいいというのはありました。だんだん失敗して、取りあえず先頭が四球とかで出てしまうと、走られちゃいけないとか、嫌なことしか頭に出てこなくて…」 岩瀬「オレは気持ちをコントロールしていた。クローザーはメンタル勝負。走者がいた時の方が集中できた。そこからが勝負と思っていたから。抑えで一番いけないと言われたのが本塁打と四球。それでも打たれたり歩かせたりすることもある。ただ、不安要素ではなかった。不安要素を入れさせないためには、自分でどう考えていくかってこと。いま博志の中でこれは自信があるというのは何?」
|