”願う” を英語にするとどうなるかを尋ねた場合、
”hope” や “wish” が思い付く人が多いでしょう。
「願う」と直接訳さなくても、「~だといいな」
のように希望・願望などを英語で表す場合には
“hope” や “wish” を使うことが多いと思います。
では、この二つって一体どうやって使い分けたら
いいでしょうか?
◆“wish” と “hope”をうまく使い分けるには?
いきなり “wish” と “hope” の違い、と言われても
イメージしにくいかもしれないので、
それぞれの単語が使われている文章を
思い浮かべてみましょう。
まずは “wish” から。
よく使われているであろう文章の一つ目は、
教科書に載っていた仮定法の定番の文章、
I wish I were a bird.
→「私が鳥だったらなぁ」
があると思います。
また、誘いを断る時の表現に、
I wish I could.
→「(行けたら/できたら)いいのですが行けません/できません」
と丁寧に断る時のフレーズでしたよね。
では、”hope” はどうでしょうか?
どんな文章を聞いたことがありますか?
「明日晴れるかな?」に対して、
I hope so.
→「そうだといいね」という返し方があったり、
プレゼントを渡す時に、
I hope you like it.
→「気に入ってもらえるといいのですが。」
というのもよく使う表現ですよね。
◆実現可能性の高い物が”hope”で難しい方が”wish”
・“wish” は「〜だといいな」と訳せ、
実現の可能性が低めの場合の表現です。
“wish” は『恐らく起こらない』と思っていることに対する
強い願望を表す時に使われるんです。
そのため、これが “wish” が仮定法で
よく使われる理由なんです。
「私が鳥だったら…」という仮定は絶対に
起こりえないことですね。
“I wish I could” も「できないけど」どういう前提の基、
「できたらなぁ」という希望の気持ちを表しています。
・“hope” の「〜だといいな」は実現可能
I hope so.
I hope you like it.
これらに共通することは、”wish”と違って、
実現の可能性を感じられるということです。
“wish” の時は後ろに “were” や “could” が
くっついてきていましたが、
”hope” の後ろは現在形が使われることが多いです。
実現する可能性を感じているので
「仮定法」にする必要がないからですね。
例えば、下の二つのセンテンスを見て、
意味の違いをどのように捉えられるでしょうか?
I wish the sun would come out.
I hope it will be sunny soon.
→「晴れたらいいな。」
両方とも『晴れたらいいのになぁ。』という
意味を表しますが、
1番は “wish” を、2番は “hope” を使った文章です。
一番目の表現は、雨雲が広がっていて
「晴れるはずがないだろうな」
など「晴れる可能性がない」時に使う表現。
二番目は、少し雲間が晴れてきて、
これなら「晴れるかも」という可能性を
感じながら、言っている場合の表現です。
◆”I wish you a Merry Christmas.”は少し例外的
wishのもう一つの使い方の一つに、
”express a hope that (someone)
enjoys (happiness or success)”
→「誰かに対する幸運を祈ることを表現する」
という意味もあります。
・I wish you a Merry Christmas.
→「よいクリスマスを。」
【wish+誰に+何を】という形では、
「誰かに何かが起こるように」という願望を
基本は表しますので、このような意味では上の
意味を表しますね。
このような内容で、wishとhopeは使い分けられますので、
意味によってうまく使い分けて、会話の中などで活かして下さい。