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2005 Hot News

日本A代表、B代表がNZUと激突

ラガッツ4選手が選出され、代表入りへ猛アピール

  3月に行なわれた三地域対抗ラグビー。ラガッツから関東代表に選ばれたのは、全部で8選手。その中で初戦の関西代表戦で3トライをマークしMVPに選ばれた艶島悠介、セットプレーで強さを発揮した田村義和の二人、並びに2戦目の九州代表戦にも出場して、関東代表の優勝に大きく貢献した小池善行、鈴木貴士の計4選手が「日本A代表・B代表セレクション合宿」に招集された。
 合宿最終日に行なわれたセレクションマッチの結果、田村がA代表、B代表の双方に選出。小池、鈴木貴、艶島の3人がB代表に振り分けられ、「ニュージーランド学生代表(以下NZU)来日シリーズ」のメンバーとしてゲームに出場。(のちに鈴木貴はA代表にも選出。田村は練習中のケガで、艶島は発熱のためB代表は辞退)
 今回は、4月27日に秩父宮で行なわれた日本B代表×NZUのゲームを中心に、鈴木貴・小池の活躍の裏側に目をむけた。

タカシの野望

 デザインが変わっても、あえてこう呼ぼう「桜のジャージー」。今回正代表とまったく変わらぬスタイルを支給されてゲームに臨んだ日本A代表、B代表。これまで代表経験などまったくない鈴木貴にとっては、初めての「サクラ」でいきなりの大舞台。
──初の代表クラスでの戦い。2戦やってみて率直な印象は?
「さすがに緊張しましたね。A代表といっても木曽さん(=一選手・ヤマハ発動機ジュビロ)や辻さん(=高志選手・NECグリーンロケッツ)など、ジャパン正代表の選手もいたから、個々の意識の高さを感じました。集中するときはガァーッといくし、抜くときはリラックスしていい雰囲気を作ってもらえた。ゲームには後半アタマから入ったんですけど、あまりよく覚えてません。気づいたら時計が30分過ぎてて、早いなぁって。ある意味集中できていたのかもしれません」
──と、ちょっと待って。23分には記念すべき初トライをマークしているのに?
「もちろんトライを取ったのは記憶にありますけどね。WTBとして代表レベルに呼んでもらって、自分が要求されてるものといったら、やっぱりトライを取ってくることだと思ってましたから」
──タカシの一番の見せ場はトライ。スポーツ紙でも「国内最速男」と紹介されて、大会前から注目もされていた。
「変なプレッシャーとかはなかったですね。むしろやってやる、みたいな思いはあった」
──昨シーズンからWTBにコンバートされて、公式戦14トライ。国体では30分ハーフの試合で8トライの記録も打ち立てた。
「ずっとSHの選手だったんで、始めの頃は「本職はハーフだ」っていう気持ちでやっていた部分がありました。それが去年あそこまでやれて、逆にこのままじゃ終われないっていうか。下だから通用したというんじゃなくて、トップリーグでもやれるってことを証明したい気持ちが強くなった」

──今回の代表でも次につながる2戦連続のトライ。いずれの場面もその日のゲームで観衆が一番湧いたシーンだった。
「まだまだWTBの動きになってないし、ディフェンスもこれからだと思ってます。それでも今回こうして代表に呼んでもらったことで、自分自身得るものはたくさんあった」

 日本B代表を率いた永田隆憲監督の口からも「日本代表に推薦したい選手」の一人として名前が挙がった鈴木貴。50メートル5秒8のスピードスターが、今秋トップリーグの舞台に殴りこみをかける。

憂いのヨシユキ

 今シーズンからチームの新主将に任命された小池にとって、「代表」というステージはラガッツの中でも一番手の届く位置にいる人間。しかし、今回A、B代表のセレクションでは「負け組」に相当するB代表選出に留まり、肝心のゲームでもベンチからのスタート。若干20歳の大学生に9番の座を明け渡した。失意、不調、さまざまな憶測が飛び交う中で憂いのキャプテンは今何を思う?
──周りが思ってるだけかもしれないけど、今回A代表落選。思うところは?
「うーん、これが実力だと思います。もちろん、上をめざさないといけないと思うし、ステージを上げていきたいけど、いかんせんまだ課題が多くて。今回は選ばれなくても仕方ないなっていうのはやってて感じました」
──ヨシユキだけじゃないと思うけど、今回のB代表は三地域で活躍した選手にトップリーガーが加わってさらに、悪く言えば「A代表に残れなかった人間」の集まり。チームの結束という部分で難しさもあった?
「それは特別なかったです。ポテンシャルの高い選手も多かったし、キャプテンの冨岡さん(=鉄平選手・東芝府中ブレイブルーパス)が上手くみんなをまとめてくれたんで、ゲームで意識を一つに持っていけたと思う」
──ゲームではリザーブからのスタートでした。後半10分から、タカシと揃っての出場。入るなり、ゲームの流れを一変させましたね。
「外から見ていて、ちょっと膠着状態にあったんで、タカシとも攻めにいこうって話してた。いきなりパスミスしちゃいましたけど、リズムを変えて日本のペースにできた。一気にゴール前まで持っていけたんで、あそこで一本取れていれば、勝つチャンスは十分あった」
──スタンドオフ大田尾選手(=竜彦・ヤマハ発動機ジュビロ)とのコンビは?
「やりやすかったですね。初めて一緒にやる選手も多かったのでいい経験になりました」
──ラガッツはまだ創部以来、W杯の舞台に立った選手は一人もいません。ぜひ次のW杯で第一人者になってほしいという期待も強いですが?
「ジャパンがすべてじゃないんで、生意気かもしれないけど世界に通用するスクラムハーフになりたい。ラガッツでインターナショナルに通用するラグビーをめざしてる以上、ゲームコントロールやパスのスキル、判断を磨いてその中心になっていかないといけない。まぁ、その過程の中でジャパンは、クリアしないといけないステージだと思ってます」
【インタビュー・フォトグラフ=小谷 たけし】

記念写真
●日本A代表戦 2005.4.24 長居第2陸上競技場
日本A代表   ニュージーランド学生代表
前半 後半 得点 前半 後半
0 2 T 1 4
0 1 G 1 3
1 1 PG 2 1
0 0 DG 0 0
3 15 13 29
18 合計 42
9 反則 7

日本A代表 position ニュージーランド学生代表
中越 将通 (PR) C.ハード
山岡 俊 → 蔵 憲治(後0分) (HO) U.トラン → D.ラトゥー(後27分)
西浦 達吉 → 田村 義和(後21分) (PR) N.ランスフィールド
久保 晃一 (LO) K.ジュウィット
木曽 一 (LO) MA.バーンズ
F.オライリー (FL) A.トムソン
本間 俊治 → 佐藤 幹夫(後28分) (FL) MI.バーンズ
A.クロフォード (NO8) D.アロファ
辻 高志 (SH) H.ロチェ
日原 大介 10(SO) E.フイマオノ・サポル → P.レウオソ(後24分)
藤原 丈嗣 11(WTB) J.ウィロビー
榎本 淳平 → 野村 直矢(後28分) 12(CTB) J.カワウ
赤沼 源太 13(CTB) J.ヘレウァ
森 大輔 14(WTB) A.シム
久住 辰也 → 鈴木 貴士(後0分) 15(FB) J.エルダー → T.ウィリアム(後0分)
[日本A代表得点者]
トライ 日原1(後3分)、鈴木1(後23分)
コンバージョン 日原1/2
P G 日原2/3

[NZU得点者]
トライ ウィロウビー2(前18分、後40分)、ヘレウァ1(後9分)、ウイリアム1(後26分)、カワウ1(後43分)
コンバージョン ヘレウァ3/4、ラトゥー1/1
P G ヘレウァ2/2
●日本B代表戦 2005.4.27 秩父宮ラグビー場
日本B代表   ニュージーランド学生代表
前半 後半 得点 前半 後半
0 3 T 2 3
0 1 G 2 3
1 1 PG 1 0
0 0 DG 0 0
3 20 17 21
23 合計 38
10 反則 17

日本B代表 position ニュージーランド学生代表
田中 宗法 → 坂尾 英之(後39分) (PR) C.ウィリアムズ
蔵 憲治 (HO) D.ラトゥー
上田 栄太 (PR) T.パーシー
阿久根 潤 → 堀田 亘(後31分) (LO) K.ジュウィット
北川 俊澄 (LO) A.ヴァン・デル・ハイデン → N.ランスフィールド(後39分)
瀬川 貴久 → 若松 大志(後9分) (FL) J.オリバー
佐藤 幹夫 → 加古川 雅嗣(後38分) (FL) A.ロー
山本 英児 (NO8) D.アロファ → C.ハード(後19分)
田中 史朗 → 小池 善行(後9分) (SH) S.スティーブンズ
大田尾 竜彦 10(SO) P.マグワイヤー
沼田 邦光 → 鈴木 貴士(後9分) 11(WTB) J.ウィロビー → J.ヘレウァ(後0分)
B.ニールソン 12(CTB) E.フイマオノ・サポル
冨岡 鉄平 13(CTB) P.レウオソ
金澤 良 → 藤原 丈嗣(後32分) 14(WTB) A.シム
廣瀬 俊明 15(FB) T.ウィリアム → M.バーンズ(後29分)
[日本B代表得点者]
トライ 冨岡1(後30分)、鈴木1(後35分)、藤原1(後42分)
コンバージョン 金澤0/1、大田尾1/2
P G 金澤2/3

[NZU得点者]
トライ サポル1(前19分)、ロー2(前32分、後11分)、レウオソ1(後0分)、シム1(後38分)
コンバージョン シム5/5
P G シム1/1

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