図形の描画

このページではCanvasオブジェクトに図形を描くメソッドについて調べてみます。

直線を引くには

1. MoveToメソッドで直線の始点を決めます。
2. LineToメソッドで直線の終点を指定すると直線が引かれます。

例
Canvas.MoveTo(X0, Y0);
Canvas.LineTo(X1, Y1);

中心と半径をパラメータとして円を描くには

1. 円は楕円の特別なものなのでEllipseメソッドを使用します。
2. Ellipseのパラメータは楕円の外接四角形の頂点の座標なので、中心と半径から外接四角形の頂点を計算する必要があります。
3. 中心の座標が(X0,Y0)、半径がrのとき外接四角形の頂点は(X0-r,Y0-r),(X0+r,Y0+r)となります。これがマイナスにならないかをチェックしてEllipseを呼び出します。
4. 注意：座標は実数ではないのでいつも正しい円が描けるとは限りません。

例
Canvas.Ellipse(X0-r,Y0-r,X1+r,Y1+r);

中心と辺の長さをパラメータとして正方形を描くには

1. 正方形は長方形の特別なものなのでRectangleを使用します。
2. Rectangleのパラメータは左上頂点と右下頂点の座標なので、中心と辺の長さからこれらの座標を計算します。
3. 中心の座標が(X0,Y0)、辺の長さがrのとき、２頂点は(X0-r/2,Y0-r/2),(X0+r/2,Y0+r/2)となります。これがマイナスにならないかをチェックしてRectangleを呼び出します。

例
Canvas.Rectangle(X0-r/2,Y0-r/2,X1+r/2,Y1+r/2);

図形を消すには

CopyModeプロパティをcmSrcEraseとして、同じ図形を描きます。つぎの軌跡を描く方法もcmSrcEraseを使用しています。

マウスカーソルを押しながら移動したときの軌跡を描くには

マウスイベントとCopyModeプロパティを使って軌跡を描画します。

例

{ マウスが押されたとき }
procedure TForm1.FormMouseDown(Sender: TObject; Button: TMouseButton;
  Shift: TShiftState; X, Y: Integer);
begin
    p0.X := X;  // 始点(p0: TPoint)
    p0.Y := Y;
    m_mousedown := True; // マウスが押された
end;

{ マウスが離された }
procedure TForm1.FormMouseUp(Sender: TObject; Button: TMouseButton;
  Shift: TShiftState; X, Y: Integer);
begin
     m_mousedown := False;  // マウスが押されていない
     p1.X := X;  // 終点 (p1: TPoint)
     p1.Y := Y;
     drawLine;  // 直線を引く
end;

{ 直線を引く }
procedure TForm1.drawLine;
begin
    if m_mousedown = True then
    begin
      Canvas.MoveTo(p0.X, p0.Y);
      Canvas.LineTo(p1.X, p1.Y);
    end;
end;

{ マウスが移動したとき }
procedure TForm1.FormMouseMove(Sender: TObject; Shift: TShiftState; X,
  Y: Integer);
begin
     Canvas.CopyMode := cmSrcErase;  // ここがポイント
     p0.X := p1.X;  // それまでの終点を始点とする
     p0.y := p1.Y;
     p1.X := X;     // 新しい終点
     p1.Y := Y;
     drawLine;      // 線を引く
end;