プロパティ

このページはプロパティの作成方法の概略を説明します。

継承プロパティを公開するには

• 上位クラスから継承したプロパティはpublishedとして再宣言する。
• 再宣言するときにはプロパティ名だけを指定する。

例

type
  TMyPanel = class(TPanel)

   ....

   published
      property Align;
  
    .....
   end;

プロパティの宣言方法

• property予約語を使って宣言する。
• 型の指定の後にread予約語とwrite予約語を使って、プロパティリードメソッドとライトメソッドを指定する。
• ライトメソッドは省略できる（この場合は読み出し専用プロパティとなる）
• 後述する直接アクセスプロパティも可能。
• プロパティリードメソッドとライトメソッドそのものは、別の場所でメソッド宣言が必要。このとき、派生クラスでオーバーライドできるようにvirtual宣言しておくとよい。
• メソッドの名前は、プロパティ名にGetとSetを付けた名前とする。

例

type
  TMyEdit = class(TEdit)

  private
     FToUpper: Boolean;
     procedure SetToUpper(value: Boolean); virtual;
     function GetToUpper(): Boolean; virtual;

  published
      property ToUpper: Boolean read GetToUpper write SetToUpper;

  end;

直接アクセスの指定方法

• プロパティ宣言でリードメソッドとライトメソッドを指定する代わりに、クラスのメンバ変数を直接指定できる。
• 例えば、リードメソッドだけを直接アクセスにすることも可能。

例

type
  TMyEdit = class(TEdit)

  private
     FToUpper: Boolean;

  published
      property ToUpper: Boolean read FToUpper write FToUpper;

  end;

デフォルトプロパティ値の指定方法

• default指令をプロパティ宣言の最後に付加する。

例

property ToUpper: Boolean read FToUpper write FToUpper default False;

内部データの定義規約

• プロパティの内部データ（上の例で言えばFToUpper)はprivateとして宣言する。
• 内部データ名はプロパティ名にFを付けた名前とする。
• 派生クラスは内部データを直接アクセスしない（プロパティでアクセスする）。