【競馬・ボート・競輪】[競馬]阪急杯 遅咲きの逸材・タイムトリップ、5歳で覚醒2019年2月20日 紙面から
1着馬に高松宮記念への優先出走権が与えられる「第63回阪急杯」(GIII・24日・阪神・芝1400メートル)はスプリント界の新星誕生が期待される中、前走で2年ぶりの勝利を飾ったタイムトリップもその候補。安定した末脚がセールスポイントで、陣営は早くから重賞級と見込んでいた。遅咲きの逸材が5歳を迎え、一気にブレークする。 待望のタイトルが手の届くところまでやってきた。タイムトリップは16年7月の福島でデビュー勝ち。同年10月にカンナS、翌17年1月のクロッカスSとオープン2勝の実績を挙げた。菊川師は当時を「素質が高い馬だと思っていたし期待は高かった」と振り返る。しかし以降はもどかしい成績が続く。 5歳になった前走の石清水Sはスタートで後手に回りながらも直線一気の末脚で快勝。2年ぶりの勝利を指揮官は「いい勝ち方。2走前(ファイナルS)はスタートしてすぐに挟まれて最後方。それでも最後はいい脚を使って伸びてきてくれたし、内容は良かった」と復活Vへの感触をつかんでいたという。 勝ち切れないまでも勝ち馬とのタイム差はそれほどなかった2年間。3歳時はGIのNHKマイルCでも0秒7差。大敗したのは、昨年3月の六甲S(8着)と初ダートだった4月の京葉S(15着)のみ。「3歳の夏から長い休養に入ったのは夏バテの影響があって戻せなかった上に爪を痛めたことでリズムまで崩してしまった」と一頓挫の影響が予想以上に長引いたのが原因だった。しかし、今は違う。「1400メートルにこだわりたいからこのレースを選択したけど、ここまで順調。長期の放牧で体も成長してくれたし、期待しているよ」と満を持しての再出発となった。 浜中とはこれが2度目のコンビ。「2走前に乗ってもらって馬を良く分かっているから」と手綱を託す。もどかしさと葛藤し続けた2年間。ここで2連勝を決めて初タイトルをつかみ、一気に反転攻勢といきたい。 (米内宏一郎)
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