木村翔が現役続行　３月下旬に上海で再起戦計画中

　ボクシングの前ＷＢＯフライ級王者・木村翔（３０）＝青木＝が１９日、東京・日本ボクシングコミッションで会見し現役続行を表明した。昨年９月に現王者・田中恒成（２３）＝畑中＝に判定負けして以来リングから遠ざかっていた。

　田中戦は日本のみならずＷＢＯからも年間最高試合に選ばれた名勝負だった。「試合後、もう（ボクシングを）やめようかとも思い、遊んでいたが、そんな中でいろんな人から声をかけられ応援されているのを感じた。負けたのに応援はむしろ増えた気もする。だから、もう一度自分を信じて頑張ろうと思いました」と木村は振り返った。

　２０１７年７月、中国・上海でスターの鄒市明に逆転ＫＯ勝ちで戴冠したため中国では抜群の知名度がある。その人気も衰えを知らず、昨年１２月には中国のＳＮＳ微博（ウェイボ）のイベントで「日中スポーツ貢献賞」を受賞したほか毎月のように中国でのイベントに招かれている。

　「微博にも『あきらめないで』とか応援のメッセージがたくさん来た。負けてもいい試合をすればみんな離れないでくれるんだと思いました」と木村。再起戦も中国からオファーがあり３月下旬に上海で計画中だ。

　応援を受けるからこそ、将来にも貪欲だ。「もう一度世界のベルトがほしい。チャンスをもらえるなら１階級上でも下でもいい。他の色もいいですね」。返り咲き、複数階級制覇、他団体制覇－－。すべてを射程に入れて木村が始動した。　（藤本敏和）