セットアッププログラムの作り方 (InstallShield Express for Delphi) |
Delphiのプログラムは、ふつうEXEファイルのみで動作しますが、動作に必要なDLLやオンラインヘルプなどを正しくセットアップしたいとか、レジストリを作成したいなどの場合、セットアッププログラム(インストーラ)が必要になります。
これらのことを行うのに便利なツールがDelphiに添付されています。それは、"InstallShield Express for Delphi4"です。下の図は、Install Shield Expressを開いたときの状態です。
Install Shield Express for Delphi4の画面
使い方は簡単で、図の「セットアップチェックリスト」のボタンを順にクリックして開くダイアログで、必要な項目を入力していけばセットアッププログラムが自動的に作成されます。
アプリケーション情報
項目 | 説明 |
アプリケーション名 | そのアプリケーションの名前。(例) Microsoft Excel |
アプリケーションプログラム名 | そのアプリケーションプログラム(EXE)ファイル。「参照」ボタンで選んでください。 |
バージョン | 最初のバージョンなら1.0のままでけっこうです。 |
会社名 | 個人ならニックネームなどを入力します。「\Program Files\会社名」フォルダが作られます。 |
デフォルトのコピー先ディレクトリ | そのアプリケーションのショートネームなどを入力します。(例)Excel。 「\Program Files\会社名\ショートネーム」フォルダが作られます。 |
メインウィンドウ
セットアッププログラムのメインウィンドウの設定です。デフォルトのままでもよいですが、必要なら内容を変更してください。
機能
デフォルトのままでけっこうです。
一般
セットアッププログラムに含めるパッケージを指定します。パッケージの意味はDelphi4のオンラインヘルプで調べてください。アプリケーションで参照するパッケージをセットアッププログラムに含めないと、ユーザー環境で正常に動作しないことがあります。
高度
設定項目はありません。
グループ
ここでEXEファイルのほか、必要なDLLやオンラインヘルプを追加します。DLLやOCXは普通、\Windows\Systemや\WinNT\System32にインストールします。これらのディレクトリは、「新規グループ」ボタンで「グループの追加」ダイアログを開き「インストール先のディレクトリ」を<WINSYSDIR>にして「グループ名」を入力します(例: System32)。
「OK」ボタンを押すとダイアログが閉じて、グループツリービューに、新しいグループが追加されます。「ファイル挿入」ボタンでその下にDLLやOCXを追加してください。オンラインヘルプなどは、普通、"Program Files"の下にEXEファイルといっしょに「挿入」してください。
コンポーネント
このコンポーネントは、DelphiのコンポーネントやOCXとは関係ありません。この項目はデフォルトのままとします。
セットアップタイプ
この項目もデフォルトのままで結構です。
ダイアログボックス
この項目は、セットアップウィザードの画面構成を設定します。必要な項目を追加したり、不要な項目を削除します。
レジストリ キー
レジストリを使わないアプリケーションはこの項目は無視してください。
アプリケーション固有のレジストリキーをセットアップ時に作成する設定をします。通常は、HKEY_CURRENT_USER/Softwareの下にアプリケーションキーを作ります。
レジストリの値
上で作成したレジストリキーの下にレジストリ値を設定するための項目です。「値の追加」ボタンで値を追加してください。
フォルダとアイコンの設定: 一般
普通はデフォルトのままで結構です。コマンド引数などがある場合のように必要なら変更してください。
フォルダとアイコンの設定: 高度
普通はデフォルトのままで結構です。
ディスクの作成
フロッピーディスクイメージを作成します。警告やエラーがあれば、前に戻り修正後、またこのメニューを実行します。
テストの実行
セットアッププログラムを起動します。ただし、開発環境でやってもユーザー環境で正しくインストールできるとは限らないので、実際のディスクを使って「クリーンな環境」(市販アプリケーションなしのWindowsのみがインストールされているような環境)で試してみるのが安全です。
フロッピーにコピー
フォーマット済みのフロッピーを必要数用意してから実行します。必要数は「ディスク作成」のとき表示されます。