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【サッカー】

Rマドリードのスペイン代表DF・セルヒオラモスが20回目の退場

2019年2月19日 紙面から

◇スペイン1部リーグ ジローナ2-1レアル・マドリード 

 【ロンドン原田公樹】サッカーのスペイン1部リーグ、名門レアル・マドリードの主将で同国代表、欧州一のセンターバック(CB)として名高いセルヒオラモス(32)が17日、ホームでのジローナ戦で終了間際にこの日2枚目の警告を受け、国内リーグ戦通算20回目の退場処分。欧州5大リーグ史上最多退場選手となった。欧州チャンピオンズリーグなどと合わせれば25回目の退場。同日の欧州複数メディアが報じ「欧州一だが最もラフ(乱暴)」というありがたくない称号も受けた。

 1-2でレアルの敗色が濃厚な後半終了間際だった。敵陣ゴール前へ攻め上がっていたセルヒオラモスは、ゴール前に上がったボールをオーバーヘッドでたたき込もうと試みる。だが…。

 起死回生の同点弾を狙った右足はボールではなく、ジローナのDFアルカラの顔面を強打。この日2枚目の警告につながり、闘将はとぼとぼとピッチを後にする羽目となった。前節までの5連勝で首位・バルセロナに勝ち点6差、2位まで浮上していた順位も3位に下がった。

 セルヒオラモスにとって国内リーグ戦では通算20回目の退場劇。既に同リーグでは「史上最多退場選手」というありがたくない肩書を持っていたが、5大リーグ(イングランド&ドイツ&スペイン&フランス&イタリア)でも最多になってしまった。英スカイスポーツなどによると、これまでは、フランス1部リーグのランスやニースなどで活躍、2010年に引退するまで19回退場したフランス人DFのシリル・ロールさん(43)が最多退場選手で、セルヒオラモスはトップタイだったが、これで単独トップに立った。セルヒオラモスは05年にレアルへ移籍して以来、14季にわたって600試合以上の公式戦に出場。退場はリーグ戦での20回に加え、欧州チャンピオンズリーグで3回、スペイン国王杯で2回と計25回。しかしスペイン代表では161試合に出場して1度も退場はない。この不思議な現象にファンたちはSNS上で「代表とレアルとでは気持ちの入り方が違うから」などと、さまざまな分析をしている。

◆鹿島戦で“未遂”も 16年クラブW杯決勝

 セルヒオラモスで思い起こされるのが2016年クラブW杯決勝・鹿島戦(日産スタ)での“未遂事件”。2-2で迎えた後半終了間際、同DFはカウンターを仕掛けた当時鹿島のFW金崎を背後から引き倒した。

 既に警告を1度受けていた同DF。ピッチ上には「累積警告で退場か」「レアルが数的不利に陥る」などと緊迫した空気が流れたが、試合をさばいていたザンビア人主審はイエローカードが入っている胸ポケットに手を入れるだけで結局、カードは提示しなかった。

 試合は延長に2ゴールを追加したレアルが鹿島を下したが、もしも、あの場面でセルヒオラモス退場ならば鹿島が世界一だった? 退場数も通算26回になっていた。

◆J1最多は13回 ピクシー“圧倒”

 J1では名古屋で活躍した愛称「ピクシー」こと、FWストイコビッチの13回が最多。出場184試合での“達成”で約14試合に1回と頻度でも他の追随を許さなかった。

 1997年7月9日のホーム横浜M戦では出されたイエローカードを奪い取り、主審に逆提示。出場停止5試合の処分を受けるなど、“妖精”らしからぬ悪態をついた。3位以下はDFや守備的MFで数字がかさむのは当然。ある意味、勲章とも言えるが、不思議なのが2位のFW大久保(磐田)。5傑の中では唯一の現役でピクシー超えも近い?

<セルヒオラモス(セルヒオ・ラモス・ガルシア)> 1986年3月30日生まれ、スペイン・セビリア出身の32歳。184センチ、82・2キロ。セビリアの下部組織出身。2004年2月にトップチームデビュー。05年には10代選手として当時最高額の移籍金でRマドリード入り。スペイン1部リーグ、国王杯、欧州CL、クラブW杯など数々のタイトル獲得に貢献した。05年3月のセルビアモンテネグロ戦でスペインA代表デビュー。10年W杯南アフリカ大会決勝でオランダを完封で下し、母国を初優勝に導いた。代表では161試合13得点。

 

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