【首都スポ】[大学ラグビー]王者メイジ、連覇へ始動! 武井新主将けん引2019年2月19日 紙面から
王者メイジが連覇へ発進! 今年1月、ラグビーの全国大学選手権決勝で天理大に勝ち、22シーズンぶりの優勝を飾った明大が18日、東京都世田谷区の明大八幡山グラウンドで、新年度に向け始動した。練習前のミーティングで、フッカー武井日向(ひなた、3年・国学院栃木)が主将、WTB山村知也(3年・報徳学園)が副将にそれぞれ就任することが発表された。復活から連覇、そして黄金時代へ-。紫紺の重戦車が新時代へ走りだした。 (文・写真=大友信彦) スタートを祝福するように、澄み切った青空が見守っていた。22シーズンぶりに日本一に輝いた明大の初練習は、グラウンド往復のインターバル走などフィットネス、ダミー相手のコンタクト、ボールを使ったスキル練習など約1時間半。始動日としては長めのメニューだったが…。 「練習からキツイことをやっていく姿を見せることが大事ですから」 この日、新キャプテン就任が発表された武井日向は笑顔で話した。フィットネス走ではFW第1列ながら先頭グループで力走するなど初日からアグレッシブにリード。 「高校でもキャプテンだったし、ジュニアジャパンやU-20ではバイス(副将)だったし、主将ということに抵抗やプレッシャーは感じません。それよりも、連覇にチャレンジできる楽しみの方が大きいです」
喜びを感じる大きな要因が、今年1月の復活優勝だった。 「本当にたくさんの方におめでとうと言っていただいて、明大ファンの中には涙を流して喜んでくれた方もいました。地元の栃木に帰省しても、いろんな方に祝福されました。優勝することの素晴らしさを実感したし、来年も連覇して、また恩返しをしたいです。自分たちが頑張る原動力をいただけた気がします」 ラグビーを始めたのは小学3年のとき。それまではサッカー少年だったが、近所の1学年先輩に誘われて佐野ラグビースクールへ。 「最初は“ラグビーって怖いのかな”と思ってたけど、初めて体を当てたとき、それまで感じたことのない楽しさがあって、新鮮でした」 その先輩とは、国学院栃木-明大を通じての先輩となるWTB/FBの石井雄大(4年)。その父・勝尉さんは早大、日本代表で活躍したFBで、武井と石井は中学時代、勝尉さんが監督を務めていた佐野松桜高ラグビー部の練習に参加していたという。 「中学生のときから高校生レベルで練習した経験は今につながっていると思います」 高2の夏には、関東高校スーパーリーグの選抜チームで、ニュージーランド政府留学プログラム「Game on English」を経験。 「僕は体が小さい(身長171センチ)けど、低いプレーは海外の選手が相手でも通用する手応えをつかめました。自信になり、ラグビーを楽しむ原点も思い出せました」 連覇へのキーワードを問うと「小さいことを積み上げていくこと」という答えが返ってきた。 「この2年間、ラグビーでも生活面でも細かいことを重要視して、明大ラグビー部のスタンダードを高めてきました。特に今の4年生は、(昨年12月の)早明戦に負けてからすごくまとまって、いいチームになりました。僕らも春から4年生のまとまりを大事にしていいチームをつくる、その姿を下級生に見せられれば、メイジにいい文化が根付いていくと思っています」 小柄な体でスクラムを押し、グラウンドを走り回ってはトライを量産。とびきり楽しそうにラグビーをする背番号2が、紫紺の軍団の最前列に立ち、連覇へのチャレンジロードを走りだした! <武井日向(たけい・ひなた)> 1997(平成9)年6月17日生まれ、栃木県佐野市出身の21歳。171センチ、98キロ。明大商学部3年。小学3年のとき佐野ラグビースクールでラグビーを始める。佐野南中から国学院栃木へ進み、ナンバー8で3年連続全国大会出場。明大では1年からフッカーのレギュラー。2017年ジュニアジャパン、U-20世界選手権日本代表。18年U-20日本代表。家族は両親と兄。 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。
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