御神楽岳(みかぐらだけ)ってどんな山?

出典:PIXTA
標高 | 山頂所在地 | 山系 | 最高気温(6月-8月) | 最低気温(6月-8月) |
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1386m | 新潟県東蒲原郡阿賀町 | 越後山脈 | 21.3℃ | 10.8℃ |
御神楽岳は新潟県と福島県の県境付近に位置する山。日本二百名山にも選定されており、ブナの原生林が残る奥深い自然に身を投じて静かな登山を楽しむことができる山です。昔は山岳信仰の対象であり、山中にはその名残が感じられる地名が多数残っています。
急峻な岩場がスリル満点!

荒々しい岩肌が特徴的な御神楽岳は、その急峻さから「下越の谷川岳」と呼ばれるほど。特に新潟県側・蝉ヶ平からのコースは、連続する岩場やヤセ尾根を越える、スリル満点のルートです。山頂からは御神楽岳の鋭い尾根と岩肌を間近に望むことができ、その迫力に圧倒されることでしょう。
登山適期は?

登山適期は6月〜11月。例年6月の上旬に山開きが行われます。11月になると秋が深まり、美しい紅葉が登山者を魅了してやみません。
御神楽岳の天気
御神楽岳に行く前に現地の天気をこちらでCHECK!
御神楽岳の天気を調べるブナ林の中を登って山頂へ!室谷コース
新潟県側、室谷登山口からスタートする室谷コース。緑に潤うブナの林を楽しむ癒やしのルートで、難しいポイントはそれほどありません。
室谷登山口〜御神楽岳登山コース

距離 | コースタイム | 標高差 | 日程 | 難易度 |
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約9.6km | 約4時間55分 | 約1075m | 日帰り | ★★★☆☆ |
室谷登山口(105分)→水場(75分)→雨乞峠(15分)→御神楽岳(5分)→雨乞峠(45分)→水場(50分)→室谷登山口 
まずは、複数台の車が停められる室谷登山口から出発です。ブナ林の中で、やわらかい陽の光を浴びながら進みましょう。途中に行く手を阻む沢の渡渉ポイントは滑りやすいので注意が必要。

道中では山頂までの時間を記した看板を確認できます。「御神楽岳まで あと3時間」。まだ先は長いですね。

マイナスイオンたっぷりの沢が近くを流れる「水場」を過ぎると、数分で「大森」と呼ばれる広場に到着します。木肌に直接書かれた文字が目印。見晴らしがいいので、ここで一服しましょう。振り返れば、目に飛び込んでくるのは飯豊連峰。眼下には岩肌が露出した山肌を確認することができます。

歩みを再開すると、美しい三角形をした御神楽岳の山頂を確認できます。目的地はまだ先ですが、雨乞峠で蝉ヶ平ルートと合流し、鏡を祀る祠を過ぎると山頂はもう間もなく。

細い尾根を越えて山頂へと向かいましょう。

御神楽岳の山頂は、背の低い木々に囲まれています。立派な石碑があるので、記念撮影は忘れずに。

開けた視界からは、登ってきた尾根はもちろん、鋭く切れ落ちた蝉ヶ平コースの稜線もはっきりと見ることができます。南へ目を向けると県境の稜線と、その稜線上にある本名御神楽岳も確認できるでしょう。

眺めを堪能したら下山開始。来た道を戻り、室谷登山口でゴールです。
岩場続きのロングコース!栄太郎新道(蝉ヶ平コース)
次に紹介するのが栄太郎新道(蝉ヶ平コース)です。こちらは、
山と高原地図では破線で記載されている上級者ルート。自身のレベルを鑑みて計画を立てましょう。
蝉ヶ平〜御神楽岳登山コース

距離 | コースタイム | 標高差 | 日程 | 難易度 |
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約12.1km | 約7時間20分 | 約1109m | 日帰り | ★★★★☆ |
蝶ヶ平登山口(15分)→鉱山跡(45分)→湯沢出合(105分)→高頭(45分)→湯沢ノ頭(45分)→雨乞峠(15分)→御神楽岳(5分)→雨乞峠(30分)→湯沢ノ頭(30分)→高頭(55分)→湯沢出合(35分)→鉱山跡〈15分)→蝉ヶ平登山口 
広谷川の林道からアプローチして、蝉ヶ平から登山道に入ります。崩落地を通過し進んでいくと、15分ほどで碑が立つ鉱山跡に到着です。

鉱山跡を過ぎると、登山道は沢沿いの高巻きの道に変化します。高度感があり、露などで濡れていると滑る危険あり。スリップには重々注意しながら進みましょう。

途中には数か所の渡渉点も現れます。特に滑りやすい箇所にはロープの設置も。慎重に通過しましょう。

出発から1時間ほどで湯沢の出会に到着。ここからが破線ルートのスタートです。

湯沢出合から高頭(こうつむり)までは標高差600mの急登が待っています。文字通り、一筋縄では行かない難所が多い登山道。ロープや鎖を使いながら、岩場を登っていきます。

コースの途中では、御神楽岳の迫力ある山容を望むポイントも。

ロープ・鎖場を越えると、「馬の背」に似たナイフリッジが登場します。尾根を手で持ち、尾根よりやや下に足場をとって通過するとよいでしょう。

高頭から雨乞峠までも細い尾根のアップダウン。両脇は切れ落ちており、気の抜けない道が続きます。岩場は三点支持を基本として、慎重に通過しましょう。湯沢の頭を越え、稜線上を進んでいくと雨乞峠に到着です。

雨乞峠からはさきほど紹介した室谷コースと合流して山頂を目指します。御神楽岳の山頂から辿ってきた尾根を確認すれば、感動もひとしお。
下山はピストンであれば、急な岩場を降りなければなりません。登り以上に慎重に行動するように気を付けて下山してください。
山と高原地図 越後三山 平ヶ岳・巻機山
ITEM
山と高原地図 越後三山 平ヶ岳・巻機山
発行元:昭文社
福島県側からのコースは通行止め
御神楽岳は、本名御神楽岳を越えて福島県側からも登ることが可能です。しかし、登山口まで伸びる林道本名室谷線は現在通行止めとなっており、福島県金山町側からは登山ができません。詳細は下記リンクボタンから確認してください。(2018年12月現在)
林道本名室谷線通行止めについて(金山町HP)登山口へのアクセス・駐車場情報
最後に、今回紹介した登山口へのアクセス方法を紹介します。いずれも公共交通機関は利用できないので、マイカーかレンタカーを準備しましょう。
室谷登山口へのアクセス
磐越自動車道-林道御神楽線終点(約40分)
<駐車場> 駐車可能台数:約10台
蝉ヶ平登山口へのアクセス
磐越自動車道 津川IC-林道蝉ヶ平線終点(約40分)
<駐車場> 駐車可能台数:約5台
豊かな原生林や厳しい岩壁。様々な顔を見せてくれる御神楽岳にチャレンジ!

雪国特有の急峻な山容を持つ御神楽岳。ブナの森を歩く室谷コースと厳しい岩場を越えるコースは、どちらも全く違った御神楽岳の魅力を見せてくれます。山頂から望む稜線の眺めは、厳しくも雄大な圧巻の光景。自分に合ったコース取りで、御神楽岳を楽しんでみてください。
【登山時の注意点】 ・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。
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