強制力がない組織でどう品質を担保するの? 会社とは違うオンラインサロンの仕事の流れ
“自分を仕事にする生き方”を実現する、というビジョンのもとで活動しているオンラインサロン「#はあちゅうサロン」。そのメンバーはなんと約450人!(2018年6月時点)
いろんなプロジェクトが動いていて、会社のように仕事を請け負っているようだけど、外から見ても、仕組みがイマイチわからない。メンバーがお金を払って参加するオンラインサロンで、どうやって仕事が進行しているんだろうか…?
ベールに包まれた、はあちゅうサロンでの“プロジェクトの進め方”について聞いてきました。
【はあちゅう】ブロガー・作家。「ネット時代の新たな作家」をスローガンに読者と直接つながって言葉を届ける未来の作家の形を摸索中。著作に『半径5メートルの野望』『「自分」を仕事にする生き方』などがある。noteの月額課金制マガジン「月刊はあちゅう」も好評
〈聞き手=葛上洋平(新R25編集部)〉
はあちゅうサロンってなんなの? 6つの「局」からなる組織とは
扉を開けると、はあちゅうさんとサロンメンバーがズラリ!
葛上:
そもそも、はあちゅうサロンはどんな組織なんでしょうか。
はあちゅうさん:
私は、「自分の生き方」を仕事にして、楽しく働ける人が増やしたいと考えてます。
そのひとつの形がオンラインサロンではないかと思って、作りました。ここで“会社と遊びの中間の経験”を積むことで、メンバーそれぞれが理想の働き方にたどり着いてほしいという思いがあります。
葛上:
会社ではできないことができる場所、みたいなイメージですかね?
はあちゅうさん:
そうですね。あと、裏の目的として、「私のチームがほしかった」というのもあります。
ずっとフリーランスとして活動していて、一緒に熱狂できる仲間がいてくれたらいいのに、と感じる瞬間が何度もあったので、そういう仲間づくりの場でもありますね。
葛上:
なるほど。メンバーは、どんな方がいらっしゃるんですか?
ナースあさみさん:
弁護士や公認会計士、医師、学生さん…など職業はバラバラです。女性が7割と多いのと、子連れのお母さんが多いところが特徴ですかね。
はあちゅうさん:
根幹として“局”が6つあって、メンバーはそれぞれの局に所属しています。人事局、グローバル局(※現在はリレーション局にリニューアル)ビジネスデザイン局、経営企画局、クリエイティブ局、プロモーション局です。
はあちゅうさん:
今日、参加しているメンバーはそれぞれの局長をやってくれている方々です!
山田麻子さん(@YamdaAsako) / グローバル局(現リレーション局)局長。海外のメンバーも交え、海外に向けての発信やイベントを主導している
ナースあさみさん(@asami300765) / 人事局・局長。SNSのアカウントの管理やメンバーの強みを活かせるような人材管理を担当している
目黒水海さん(@minamimag) / クリエイティブ局・局長。クリエイティブの構成、デザインから、クオリティの管理をおこなう
ヨシタカギさん(@yoshitakagi) / ビジネスデザイン局・局長。 サロンのマネタイズやプロジェクトの進行を担当している
どういう仕事をしてるの? 仕事に「強制力」はないというが…
葛上:
「デザイン」「経営」みたいな言葉が並んでますが…具体的にどういう“仕事”があるんですか?
はあちゅうさん:
会社から依頼を受け、広告バナーをつくる案件や、ほかにもイベントをPRする案件なんかも依頼がきてます。
葛上:
クリエイティブ系の制作会社やデザイン事務所みたいな感じでお仕事がまわってるんですね!
“局”は会社でいう、“部署”みたいなものですかね?
はあちゅうさん:
形としては似ていますね。
でも、サロンでは自分で選んだ局で、自分の選んだ仕事ができるところが会社とは違いますね。
葛上:
会社だと「これをやってくれ」と上司から言われて、やらざるをえない状況になりますが、そこは自主性に任せているんですね。
はあちゅうさん:
そうですね。そこだけ切り取ると、恵まれた環境にも思えるかもしれませんが、ある意味では、言い訳ができない環境ともいえます。
会社員だと「あの部署に行ったら活躍できるはずだ」「俺に仕事がきてたら、もっとうまくできたのに」というような愚痴が出てくることもありますよね。
一方で、強制力がないはあちゅうサロンは、やりたいと手をあげれば好きなだけできます。ただし、「それでちゃんと仕事できますか」というプレッシャーにも晒されるわけです。
葛上:
なるほど…会社よりも気軽にチャレンジできる一方で、手を挙げたプレッシャーとの戦いもあるんですね。
ただ、会社なら「辞めたら生活できない」っていう恐怖がありますけど、そういう強制力はありませんよね…?
はあちゅうさん:
キングコングの西野さんもよくおっしゃっている“信用経済”と同じで、人からの信用が価値だとメンバーは分かっていると思います。
なので、下手に信用を失うような行動はなかなかしないはずです。
お金以外のモチベーションってどこにあるの? メンバー同士の“褒め合い”?
葛上:
信用経済…。あれ? サロン内での仕事はお金はもらえるんですか?
はあちゅうさん:
お金は発生しないですね。
葛上:
なるほど。それでモチベーションを持って仕事をしてもらえるものなんでしょうか…?なにか仕掛けがあるんですか?
ナースあさみさん:
善意を裏切れないような空気感をつくることですかね(笑)。
葛上:
えっ、どういうことですか?
ナースあさみさん:
「期待しているよ」と声をかけたり、行動を褒めたりすることで、「こんなにしてくれたのに、サボったらまずいよね」と信頼を裏切れないような空気感をつくるように意識しています。
とはいえ、そんなにネガティブな感じではないですよ(笑)。
葛上:
確かにそうやって“脚光を浴びさせる” のはモチベーションを上げるひとつの方法ですね。
そういう雰囲気は誰かが先導してつくっているんですか?
はあちゅうさん:
一応、メンバーの活躍がはっきり見えるようにするためにMVP制度があります。
「私の見えないところで活躍した人を教えてください」と、月末にFacebookグループで呼びかけると、メンバーからコメントがめちゃくちゃ集まるんです。
山田さん:
はあちゅうサロンを立ち上げる時に、「いつも人の才能に注目するサロンであろう」とはあちゅうさんがおっしゃっていたんです。
その行動理念に共感して入っている人たちなので、みんな他人のいいところを見つけるのが上手いんですよ。
目黒さん:
そうやって褒めあうことで、頑張ろうっていう気持ちが生まれるから熱量が高まって、成果物のクオリティの担保にもつながっていると思います。
葛上:
会社員と違って、お金以外の“報酬”がより多いから、めんどうなことでも乗り越えられると。とはいえ、お金って大事じゃないですか…?
目黒さん:
私はフリーランスのデザイナーなんですが、サロンがきっかけでお仕事をもらうことも多いです。
なので短期的にはお金につながらなくても、長期的にはお金にも還元されるかと。
ナースあさみさん:
ここで実績を積んで、他の場所でマネタイズする人は多いですね。
葛上:
なるほど! そこもモチベーションになっていそうですね。
アウトプットの質を支えるのは「プロがいること」と、「ガヤ力」
葛上:
いくらモチベーションが高くても、品質はまた別の問題のような気がします。
どうやってアウトプットのクオリティを担保しているのでしょう?
目黒さん:
クリエイティブ局は「デザインガイドライン」というルールブックを作っています。
どういう雰囲気で物を作るのか、方針がブレないようにしています。
ヨシタカギさん:
ビジネスデザイン局の場合は、プロジェクトによって、その道のプロフェッショナルを1人は入れるようにしています。
他のメンバーは、そのプロに教えてもらいながら仕事を進めていきます。
葛上:
なるほど! 500人近く多様なメンバーがいるので、だいたいどの領域にもプロがいて、その方に相談できるというわけですね。
もうちょっと質の担保についてツッコんでいいですか?
先ほど、「ひたすら褒め合う」という話がありましたけど、仕事として何かを作るには、褒めるだけじゃなくて厳しいフィードバックも必要じゃないですか?
目黒さん:
批判はしないけど、解決策とセットで意見をいう雰囲気はつくっています。なので、ただ褒めているだけではありませんよ。
そういったリアクションが増えたのは、はあちゅうさんが“ガヤ力”という言葉をおっしゃったのがきっかけかもしれません。
ガヤ力…?
目黒さん:
「滑るのは発言者ではなく、観客のせい」と。
だから周りの人たちがガヤ力を発揮して盛り上げなければ、と一致団結したのもあり、メンバーの行動に対するリアクションが増えました。
サロンはいわば“お悩み相談室”。仲間としてコミットしてくれる
葛上:
これからは外からも仕事を受けるそうですね。実際に進めているプロジェクトはどんなものが多いのでしょう? 得意なものはありますか?
はあちゅうさん:
すでに、オンラインサロンのプロデュースや、イベントのPRといった依頼を受けています。SNSでの拡散を含め、プロモーションなどを請け負う総合代理店みたいなイメージの依頼が多いですね。
例えば電通の場合、広告制作だけじゃなくてコンサルなどもおこなってますよね。それと同じように、PR、クリエイティブなどのプロが在籍しているので、幅広い仕事ができると思います。
すごく可能性のあるサロンなんです。
葛上:
なるほど。そういった企業に依頼するのではなく、あえてはあちゅうサロンに仕事を依頼するメリットは、どんなところにあるのでしょう?
はあちゅうさん:
企業に依頼すると、どうしてもビジネスライクな関係になってしまうところがあると思いますが、それより一歩踏み込んで“一緒に仕事をする仲間がほしい”というときに、力を発揮できるはずだと思います。
仲間としてコミットし、熱量高く、「求められた成果以上のもの」を打ち返す可能性があると思ってください。
葛上:
取引先ではなく、仲間…
山田さん:
頼みたいことがはっきりしていて、想定していた成果物をドンズバで欲しい時は会社のほうが向いています。
一方で、課題がはっきりしていない場合なんかは、はあちゅうサロンへ依頼していただくのがいいかと。
ヨシタカギさん:
いわば“お悩み相談室”です。みんなで一緒に試行錯誤して良いものを作っていけるのでは。
葛上:
なるほど。はあちゅうサロンでのプロジェクトの進み方のイメージが湧きました。
今日はありがとうございました!
おわりに
仕事を“私事”として、当事者意識を持ってやるからこそ生まれる熱量の高さ。オンラインサロンならではの多種多様なメンバーからは、枠にはまらない成果が期待できそうです。
はあちゅうサロンと一緒に仕事がしたい!という方は、依頼を検討してみては?
お知らせ
自分の個性やスキルを商品として販売できるAmebaの新サービス『REQU』で、はあちゅうサロンも商品を出品中。
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〈取材・編集=葛上洋平(@s1greg0k0t1)/文・撮影=いしかわゆき(@milkprincess17)〉
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