---------------------------

----M----115----------------
----a-----------------------------
----n-----------------------
----P-u-k-u--------------
-----------------------------------

---------------------------------------------------------------



まんぷくラーメンは量産態勢に入りました。
といっても 働き手は福ちゃんたち家族と鈴さん真一さん 吉乃ちゃん。
(福子)目標は 一日400食。
(鈴)400食! ああ…。
特に福ちゃんは 朝から晩まで働きづめ。
そして…。
(萬平)どうした 福子!福子! 福子! 福子!
♪「丸まってる背中に もらい泣き」
♪「恥じだって一緒に」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「飛行機雲ぼんやり眺む」
♪「心ここに在らず」
♪「年間トータル もししたら」
♪「付き合うあたしすごい?」
♪「とぼけてる眉毛に もらい笑い」
♪「照れだってなんだって」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「もらい泣き もらい笑い もらい怒り」
♪「もらいっ恥じ どんと来い!」
♪「晴天も曇天も霹靂も」
♪「さあ あなたとトゥラッタッタ♪」
福子。福子。
私 どうしたん。
いきなり倒れたんだよ。覚えてないの?
ん~… 覚えてない。
お医者さんは過労が原因やろうって。
お前は ずっと働きづめだったからな。
家のことも ラーメン作りのことも全部やって。
ごめんなさい 大事な時に。
あなたが謝ることはありません。
萬平さんが悪いんやから。お母さん。
申し訳ありません。
そないなこと言うたかてまんぷくラーメンの発売日は近づいてきてるんやから。
ああ… いや ちょっ…。
いいから お前は寝てろ。 なっ。
そうよ。 しばらく休んでなさい。
そしたら ラーメン作りは どうするのよ。
なんとかするから。なんとかするって どうするの。
(ため息)
(克子)ほんまに福子の家に行くの?
あの家は 私がいないと駄目なのよやっぱり。
(忠彦)住み込みで働くんですか?
住み込み?あっ いや。
(タカ)せやけど おばあちゃんが朝からスープエキスを作るん?
(克子)大変よ。
それを 福子一人に任せてたから倒れてしまったんでしょう。
これからは 福子と私 二人三脚で萬平さんを手伝います。
(神部)やっぱり 僕も…。
タカ 行かせてくれ。仕事が終わったら 萬平さん手伝いたい。
住み込みで行くわけやない。住み込み?
帰りが遅うなるだけなんやから。
そのころには 大介は もう寝てるわ。
いつも寝てるやないか。
ええやない タカ。今は ほんまに大変な時なんよ あそこは。
ええよ 茂さん。
ほんまか。
萬平おじちゃんと福子おばちゃんを助けてあげて。
おおっ。 よっしゃあ!
(源)おばあちゃんと また暮らせるの?(幸)ずっと一緒。
ありがとうございますお義母さん。
私にも スープエキスの作り方を教えて萬平さん。
これからは福子だけには任せられません。
(吉乃)夜も働くつもり?(真一)体が もちませんよ。
そこは 僕が うまく回すよ。
えっ お母さん。福子。
あなたは寝てなさい。
えっ 何それ。
ああ 今日から お義母さんがうちに来てくれるんだ。
(源)また5人家族になるんやで。福ちゃんに無理はさせられへんって。
おばあちゃんが自分から言いだしたんよ。
私は 武士の娘です。
今は大戦。 駆けつけるのは当たり前。
ありがとう お母さん。
いいから 寝てなさい。
いや~ もう 寝過ぎて眠られへんわ。
翌日から スープエキス作りは鈴さんも担当することになりました。
こうですか。
夕方からは神部さんも来てくれて大助かり。
出来た!うん。
こうなるんですね。
ああ 源は 自分で拭きなさいよ。
福ちゃんは 夕食を作って源ちゃんと さっちゃんのお世話をするだけでいい毎日がしばらく続きました。
(ため息)
萬平さん。
おお 福子。どうしたんだ こんな時間に。
もう休んで下さい。今度は 萬平さんが倒れてしまいます。
僕は平気だよ。
そしたら私にも手伝わせて。
えっ。
もう十分 休ませて頂きました。
大丈夫なのか。明日からは 今までどおりに働きます。
せやから 大丈夫。
♪~
ああ ありがとう。
はい。おお すまないな。
毎日 朝から晩まで 一人でラーメン揚げて嫌になりませんか。
ならないよ。もう楽しくてしょうがない。
みんなも楽しそうに手伝うてくれてます。
お母さんだけはちょっと小言が多いけど。
フフ そうだろうな。
源と幸は 袋詰めしながらつまみ食いしてるんですよ。
僕も時々 つまみ食いしてるよ。
ありがたいですね。
みんなが手伝うてくれないとまんぷくラーメンは出来ません。
ああ ありがたいことだ。
20円!?そう。
何考えてるの。 うどん玉が6円なのにラーメンが20円って。
そんなん売れるわけないでしょう。
せやけど 萬平さんたちが話し合って20円って決めたんやから。
まんぷくラーメンの おいしさと便利さが分かってもらえれば 絶対に売れるって。
売れないと分かってもらえないでしょう。
私かて ちょっと強気な値段やないかなとは思うけど。
強気どころやない。 無謀や。
ああ 作ってるのがもう あほらしくなってきた。
お母さん。そやかて そうでしょ。
売れもしないラーメンをこんな大変な思いして作って。
いや 売れる。私は 萬平さんを信じます。
もう どないなっても知りません。
あっ もう ちょっといい加減な仕事せんといて!
んっ。あっ…。
(世良)まんぷくラーメンの発売日が決まったで。8月25日や。
(神部)8月25日…。10日後か。
その日のために梅田の大急百貨店の売り場も確保した。
もちろん 池田や難波大阪中の商店街で売り出すぞ。
評判がよかったら東京 札幌 名古屋 広島 福岡。
全国で販売や。(吉乃)全国…。
その前に もういっぺん聞くけど。
立花君 ほんまに20円でええんか。
はい。
高すぎます。20円やなんて ぼったくりや。
いいや 安すぎる。50円でもええぐらいや。
50円!?その話は もうええでしょう。
もう決まったことなんやから!
僕は 20円で納得してます。
吉乃は買う? 20円で。
うん…。
茂さんは 買いますか?僕は買います。
あなたに聞いても しょうがない。ええっ…。
まんぷくラーメンは画期的な商品ですよ。20円でも絶対に売れます。
画期的な商品やいうことを知ってもらうためには売れないといけないのよ。
卵が先か 鶏が先かみたいな話になってきた。
そしたら こうしたら どうでしょう。
その場で お客さんに食べてもらうんです。その場で?
売り場に 丼とお湯を用意してで 目の前で作るんです。
一口食べてもらえばまんぷくラーメンのすごさは分かってくれます。
おお それはいい。試食販売いうやつやな。
タダで食べさせるの?(吉乃)そらそうよ。
食べたら お客さんは分かってくれます。
これは おいしい これは便利や。20円の価値はあるって。
そうしよう。大急百貨店に掛け合って下さい 世良さん。
せやけど ほかの売り場は どうするんや。
それは みんなで手分けして。
私もやるの?みんなで やるんです。
私は 武士の娘ですよ。
出た。僕はやるよ 萬平君。
ありがとうございます。私もやる 福子おばちゃん。
僕も。しゃあない 僕もやったる。
ありがとう。
ああ… ラーメンの売り子…。
そして いよいよ発売日前日。
よし。
♪~
(世良)あ~。あ~。やっとや。
間に合うた~。
(幸)よかった。よく頑張った。
いよいよ明日ですね。
ああ。
フッ… 今夜は 興奮して何だか眠れそうもない。
フフフ… 大丈夫です。
まんぷくラーメンは絶対に売れます。
うん。
福子。はい。
この前 お前はみんなが手伝ってくれなきゃまんぷくラーメンは出来なかったって言ってたよな。
はい。
確かに そのとおりだが…。
福子が僕の奥さんじゃなかったらまんぷくラーメンは出来なかった。
フフフ…。
僕は ここまで来られなかった。
何ですか 急に 萬平さん。
ありがとう 福子。
♪~
もう寝よう。
いや もう ちょっと眠れそうにないわ。
ハハ… あ~。
そして 昭和33年8月25日。
ついに まんぷくラーメンが世の中に登場したのです。
さあ どうぞ いらっしゃいませ!
いらっしゃいませ!
まんぷくラーメンです~!
いらっしゃいませ。さあ そちらの おねえさん いかがですか。
お嬢様 いらっしゃいませ!


2 days ago via Twishort website