☆E217系変遷史

2018.11.03 トップに戻る
E217系の変化について年度ごとにまとめてみました。細かすぎて伝わらない部分が多いかと思われますが…
間違いや触れられていないことのご指摘、初期の試運転、甲種輸送等や、細部の変化等の時期が特定できる画像のご提供などをお待ちしております。
このページの画像は、800×600サイズに拡大できます。

★E217系の概要

E217系近郊型直流電車は、横須賀総武快速線の主力車種113系の後継車両として、通勤通学輸送の混雑緩和を優先としつつ、観光輸送、空港アクセス輸送にも適した車両を目指し開発されました。混雑緩和を優先したため近郊型初の4ドア構造で、ロングシートを基本に一部セミクロスシート、グリーン車は2階建て構造としました。逗子駅の設備の都合や113系との併結運用を考慮し、従来の113系同様基本編成11両+付属編成4両の15両編成としました。
基本システム等は京浜東北線等に投入を続けていた209系をベースに走行条件等を加味した変更を行い、将来の速度向上に向け最高運転速度は120km/hとしました。

車種
モハE217 中間電動車。床下に主回路機器、後位屋根上にパンタグラフを搭載。
モハE216 中間電動車。コンプレッサーや補助電源装置(SIV)など補助関係機器を搭載。
クハE217 奇数向き制御車。保安装置や蓄電池等を搭載。
クハE216 偶数向き制御車。保安装置や蓄電池等を搭載。
サハE217 付随車。ブレーキ制御装置等を搭載。6号車にはSIV故障に備え電源誘導接触器(TLK)を搭載。
サロE217 付随車、グリーン車。後位に洋式トイレと洗面所を設置。
サロE216 付随車、グリーン車。前位に車掌室を設置。

普通車の番台区分は、基本編成の成田空港方3両をセミクロスシートの0番台、他はロングシートで1000番台または2000番台としました。1000番台はモハE216、クハE216に設定され、モハE216の場合はセミクロスシートのモハE217と組むためユニットの車号を揃える目的で、クハE216の場合は自動解結装置の有無を判別する目的で(1000番台は自動解結装置なし)、それぞれ設定されています。
なお、モハE216、クハE216にはセミクロスシート車がないため、0番台の設定はありません。



↑ グリーン車の客室、1階と2階(車端の平屋部分は1階と同一配色)
基本性能
車体 普通車
先頭部(FRPのシルバーメタリック塗装)と台枠の一部を除きステンレス鋼、クロスシート部の通路幅確保のため腰部から裾を絞った形の2,950mm幅。
連結面間距離は20,000mm。台車中心間距離は従来同様13,800mm。
(209系の13,300mmでは車体幅が広く車端部が限界を支障するため)
グリーン車
211系2階建て車を踏襲し、低床部分は鋼製バスタブ構造、他の部分はステンレス構造。
車体幅は1階部分の幅を確保するため絞り込み量を少なくできる2,900mm。
連結面間距離は定員確保のため20,500mm。台車中心間距離は14,150mm。
主回路 制御方式は、制御伝送装置(MON8)からインバータ装置及びブレーキ制御装置にデジタル指令で伝達。
MT比の異なる基本編成と付属編成の併結時の性能を同一とするため、VVVFインバータ装置(SC41B)に、引張力特性を変更できるスイッチを設置。
ブレーキ 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ。
ブレーキ力の大きい回生ブレーキを優先使用し、不足分は付随車の空気ブレーキで賄うT車遅れ込め制御を採用。
主電動機 三相誘導電動機MT68、歯数比6.06。
走行線区中の最急勾配33.4‰で250%乗車の3M8Tでも起動可能。
 
台車 普通車
209系をベースにヨーダンパを設けた軽量ボルスタレス構造のDT61B、TR246B。
グリーン車
アンチローリング準備工事のTR246C。
パンタグラフ PS28A。モハE217の後位に設置。  
補助電源装置 SC37A。モハE216に設置。  
電動空気圧縮機 スクリュー式。モハE216に設置。  
運転室 長大トンネル通過を考慮し貫通構造、通り抜けは分割併合時の時間短縮等のため非常時のみ可能。
貫通扉は助士側にスライドする外開き式で他形式との併結時でも開閉可能。
運転台は踏切事故を考慮して高い位置とし、踏切事故時の衝撃エネルギーを吸収する構造。
 
保安装置 ATC(付属編成のクハE217は準備工事)、ATS-P、ATS-SN形で、自動切替。  
主幹制御器 209系同様左手操作のワンハンドルマスコン。  
連結器 基本編成と付属編成との連結面は自動解結用解錠シリンダと電気連結器を備えた密着連結器。
編成中間は基本編成の数箇所が密着連結器のほかは半永久式連結器。先頭車後位側は衝突時のエネルギーを吸収する緩衝装置を装備。
冷房装置 普通車
AU720A。
グリーン車
AU721で、階上+階下室、車端室を個別制御。
側扉 209系3次車以降で本格採用された電気式ドアエンジンに、戸ばさみ安全機構を付加。
側窓 普通車
209系同様可視光線透過率41%の熱線吸収ガラスを採用しカーテンを省略、セミクロスシートを考慮して大窓の中間部を下降式、その他は固定式。
グリーン車
全て固定式で、熱線吸収ガラスだが冷房効果向上のためブラインドを設置。
座席 普通車
クロスシートは座席背面からかかる荷重に対応するため通路側に脚を設置。
ロングシートは209系同様片持ち式。
ロングシートは中間に、クロスシートは背面部に荷棚に向かう斜めの握り棒を設置。
グリーン車
腰掛は足元空間拡大と清掃容易化を図った世界初の片持ち式回転リクライニングシートを採用。
トイレ 普通車
和式で基本編成の両先頭車と付属編成の久里浜方先頭車に設置。
循環式汚物処理装置を採用。
グリーン車
洋式でサロE217に設置。
循環式汚物処理装置を採用。
その他接客設備 サービス関連機器として、209系と同様AM/FM車内輻輳装置と、普通車の各扉鴨居部およびグリーン車の各部屋妻壁に車内案内表示器を設置。
各先頭車の後位寄りには車いすスペースを設置。



★6年度・量産先行車の登場

6年8月、量産先行車として基本編成11連と付属編成4連が2本ずつ登場、大船電車区に配置されました(所属標記は東フナ)。1次車として区分され、編成番号は基本編成をF-01~、付属編成をF-51~とし、以下の編成を組みました。

【新製】1次車30両(大船…基本2本・付属2本)
編成番号 11号車
クハE217
10号車
サハE217
9号車
モハE217
8号車
モハE216
7号車
サハE217
6号車
サハE217
5号車
サロE217
4号車
サロE216
3号車
モハE217
2号車
モハE216
1号車
クハE216
新製月日
F-01 1 1 1 1001 2001 2002 1 1 2001 2001 2001  6. 8.18東急
F-02 2 2 2 1002 2003 2004 *2 *2 2003 2003 2002  6. 8.30川重(*=東急)

編成番号 増4号車
クハE217
増3号車
モハE217
増2号車
モハE216
増1号車
クハE216
新製月日
F-51 2001 2002 2002 1001  6. 8.18東急
F-52 2002 2004 2004 1002  6. 8.30川重

F-02編成のクハE216-2002には、既存車との併結運転を想定して113系と併結運転試験を行うため、KE70形ジャンパ連結器と異車種併結読み替え装置を設けました。この装置には、113系との併結時は自動的に113系の性能に切り替える機能があります。
併結試運転は、E217系11連と113系4連にて6年9月~10月に実施されましたが、側扉の数が違うこと、モニタによる診断機能があること、2階建てグリーン車を組み込んでいることから、限定運用を組むこととして営業運転での併結運転は実施しませんでした。そのため、クハE216-2002は、KE70形ジャンパ連結器は残されましたが、異車種併結読み替え装置は後日取り外されました。
F-02、52編成は、クハ側面のJRロゴマークを当初最前位側扉直後に貼付していましたが、営業開始時にはF-01、51編成と同じ位置である乗務員室直後に変更しました。

今回投入された30両をもって113系26両と小山電車区115系4両を置き換えましたが、113系15両は成田線直通通勤快速増発用とし、113系11両のうち4両を訓練車へ転用し、残る7両と115系4両は廃車としました。
E217系は6年12月3日のダイヤ改正時から営業運転を開始しました。試運転では横須賀まで乗り入れましたが、今回の営業運転では基本的に逗子までの入線となりました。
6年12月3日ダイヤ改正

01~03S(F)運行に充当、逗子~成田空港にて運用。



★7年度・本格的な量産開始

7年度後半から本格的な量産が始まり、2次車として基本編成、付属編成各10本の150両を東急車輛、川崎重工、大船工場で新製して大船電車区に配置し、同数の113系を置き換えました。付属編成のうち5本は車種統一までの暫定配置用として新製されました。これは、逗子駅での増解結時に同じ基本編成と組ませるための措置です。

7年12月1日改正以降、E217系充当列車が拡大されました。これにより113系の2階建てグリーン車であるサロ124は横須賀総武快速線での営業運転を終了し、大船電車区から国府津電車区へ転じました。
詳細時期は不明ですが、この頃より車内の第2、3、6、7ドア付近(普通車の場合)に、急停車に関する注意喚起を促す案内が貼付され始めました。

7年度、E217系は通商産業省(当時)より、グッドデザイン賞(商品デザイン部門)を受賞しました。
7年12月1日ダイヤ改正

・01~21S(F)運行を中心に順次E217系化、逗子以南、外房線上総一ノ宮へ乗り入れ、成田線直通の通勤快速にも充当。
・総武快速線直通の快速列車が外房線鎌取駅と土気駅に一部停車。

【新製】2次車150両(大船…基本10本・付属10本)
編成番号 11号車
クハE217
10号車
サハE217
9号車
モハE217
8号車
モハE216
7号車
サハE217
6号車
サハE217
5号車
サロE217
4号車
サロE216
3号車
モハE217
2号車
モハE216
1号車
クハE216
新製月日
F-03 3 3 3 1003 2005 2006 3 3 2005 2005 2003  7.11.22東急
F-04 4 4 4 1004 2007 2008 4 4 2007 2007 2004  7.12.19東急
F-05 5 5 5 1005 2009 2010 5 5 2009 2009 2005  8. 1.19川重
F-06 6 6 6 1006 2011 2012 6 6 2012 2012 2006  8. 1.11東急
F-07 7 7 7 1007 2013 2014 7 7 2013 2013 2007  8. 2. 8川重
F-08 8 8 8 1008 2015 2016 8 8 2015 2015 2008  8. 2.15東急
F-09 9 9 9 1009 2017 2018 9 9 2017 2017 2009  8. 2.29川重
F-10 10 10 10 1010 2019 2020 10 10 2019 2019 2010  8. 3.14川重
F-11 11 11 11 1011 *2021 *2022 11 11 *2021 *2021 2011  8. 3.21東急(*=OF)
F-12 12 12 12 1012 2023 2024 12 12 2023 2023 2012  8. 3.26東急

編成番号 増4号車
クハE217
増3号車
モハE217
増2号車
モハE216
増1号車
クハE216
新製月日
F-53 2003 2006 2006 1003  7.11.22東急
F-54 2004 2008 2008 1004  7.12.19東急
F-55 2005 2010 2010 1005  8. 1.19川重
F-56 2006 2012 2012 1006  8. 1.11東急
F-57 2007 2014 2014 1007  8. 2. 8川重
F-58 2008 2016 2016 1008  8. 2.15東急
F-59 2009 2018 2018 1009  8. 2.29川重
F-60 2010 2020 2020 1010  8. 3.14川重
F-61 2011 2022 2022 1011  8. 3.21東急
F-62 2012 2024 2024 1012  8. 3.26東急

2次車の主な変更点


・前面貫通扉の開閉方式の変更に伴い、裾部のステップの形状、後部標識灯の取り付け方法を変更。
 (左…1次車クハE216-2001、右…2次車クハE216-2004)


・前位(クハは後位)妻面下部の外部解錠ハンドルを廃止、側面裾部の外部解錠ハンドルに機能を統一。

・避雷器にカバーを設置。
・VVVFインバータ制御装置に力行時の定速運転機能を追加、運転台に定速スイッチを追加。
・ヨーダンパはグリーン車のみの取り付けに変更。(1次車の普通車も後日取り外し)
・床下の各種機器箱を軽量化。



・セミクロスシートから荷棚へ伸びていた手すりと通路側下の脚を廃止、ロングシートの支持方法を若干変更。
 (左…1次車クハE217-2、右…4次車クハE217-24)


・グリーン車の洗面所の色彩を青系から白系に、貫通扉のスイッチ形状も変更。(左…1次車サロE217-1、右…2次車サロE217-12)

・荷棚の高さを1800mmから1770mmに変更。
・出入口付近の床材に滑り止めの溝を設置。
・非常通報装置に通話機能を搭載。(1次車の非常通報装置についても後に通話機能付きに改良)


東急車輛製のみに見られる2次車の主な変更点


・ランボード端部の形状を、斜めから垂直に変更。(左…1次車サハE217-2001、右…2次車サハE217-4)



2次車ラストのF-12、F-62編成からの主な変更点


・前部標識部のガラス曲面をわずかに変更。(上…2次車クハE217-2011、下…6次車クハE217-2033)



・普通車は側構体と屋根構体の接合方法を変更、雨どい付近にわずかに差異が見られます。(左…2次車モハE216-2015、右…5次車クハE216-2033)



★8年度・横浜支社発足

8年10月1日、横浜支社が発足し、所属標記は東フナから横フナへと変わりました。
8年度も前年度同様、年度の後半に入ってから新製が始まり、3次車として基本編成、付属編成各9本の135両を東急車輛、川崎重工、大船工場で新製し大船電車区に配置し、113系115両を置き換えました。

8年11月16日~17日にかけて、F-02編成とF-52編成の15両が量産化改造の名目で新潟鉄工所に入場しました。出場日は不明ですが、9年2~3月頃と推定されます。10月には先頭車4両分の構体が川崎重工から新潟鉄工所へ輸送されており、これにより先頭車4両は2、3次車と同等の構体に交換され、少なくともクハE216-1002の交換された構体は、川崎重工の敷地内にて15年~17年頃まで残されていました。
これら4両の室内は量産化改造前と同じですが、出入口付近の床材には滑り止めが設けられました。また、前部標識のガラスも3次車相当となりました。

8年度、E217系はワトフォード・グループより、ブルネル賞(奨励賞)を受賞しました。


量産化改造直後のF-52編成(9年4月20日撮影) →




【新製】3次車135両(大船…基本9本・付属9本)
編成番号 11号車
クハE217
10号車
サハE217
9号車
モハE217
8号車
モハE216
7号車
サハE217
6号車
サハE217
5号車
サロE217
4号車
サロE216
3号車
モハE217
2号車
モハE216
1号車
クハE216
新製月日
F-13 13 13 13 1013 2025 2026 13 13 2025 2025 2013  8.11.12東急
F-14 14 14 14 1014 2027 2028 14 14 2027 2027 2014  8.11.26川重
F-15 15 15 15 1015 2029 2030 15 15 2029 2029 2015  8.12.10川重
F-16 16 16 16 1016 2031 2032 16 16 2031 2031 2016  8.12.17東急
F-17 17 17 17 1017 2033 2034 17 17 2033 2033 2017  9. 1. 9東急
F-18 18 18 18 1018 2035 2036 18 18 2035 2035 2018  9. 1.21東急
F-19 19 19 19 1019 2037 2038 19 19 2037 2037 2019  9. 1.30川重
F-20 20 20 20 1020 *2039 *2040 20 20 *2039 *2039 2020  9. 3.13東急(*=OF)
F-21 21 21 21 1021 2041 2042 21 21 2041 2041 2021  9. 3.25東急

編成番号 増4号車
クハE217
増3号車
モハE217
増2号車
モハE216
増1号車
クハE216
新製月日
F-63 2013 2026 2026 1013  8.11.12東急
F-64 2014 2028 2028 1014  8.11.26川重
F-65 2015 2030 2030 1015  8.12.10川重
F-66 2016 2032 2032 1016  8.12.17東急
F-67 2017 2034 2034 1017  9. 1. 9東急
F-68 2018 2036 2036 1018  9. 1.21東急
F-69 2019 2038 2038 1019  9. 1.30川重
F-70 2020 2040 2040 1020  9. 3.13東急
F-71 2021 2042 2042 1021  9. 3.25東急

3次車の主な変更点

・電動空気圧縮機の動作音を低減。
・急停車に関する注意喚起を促す案内を、アクリル板状のものからシール状のものへ変更。


東急車輛製のみに見られる3次車の主な変更点


・先頭部分の屋根ビートを、川崎重工製と同様に列車無線アンテナ付近と車両用信号炎管付近以外延長。(左…2次車クハE217-12、右…3次車クハE216-1021)


12月1日房総地区ダイヤ改正より鹿島線への乗り入れが始まりましたが、車内案内表示器で十二橋駅のカナ表示は、少なくとも16年頃までは「ジュニキョウ」となっていました。現在では「ジュウニキョウ」と正しい表示に改められています。

8年12月1日房総地区ダイヤ改正

・朝の千葉以東発を置き換え重点対象として01~39S(F)運行を中心に充当、内房線君津へも本格的に乗り入れ。
・付属編成では総武本線八街、外房線勝浦乗り入れが原則E217系へ、鹿島線鹿島神宮乗り入れも1往復充当。
・房総ローカル運用(八街→千葉→佐倉)に八街に乗り入れた付属編成を充当。
・朝の八街始発には基本編成を充当。

車内案内表示器の「ジュニキョウ」表示 →





★9年度・新津製の登場、幕張電車区への配置、車いす対応トイレ設置開始

9年5月よりシルバーシートを「優先席」に呼称を変更し、設置車両は普通車の各車両に拡大、案内表示も変わりました。従来、先頭車の最後位ドア横にあったシルバーシートマークに代わり、各車両後位寄りの優先席付近の窓や戸袋部の壁に優先席の案内シールを貼付するようになりました。

9年度後半に入ると、新津車両製作所では京浜東北線209系の新製が終わったためE217系の新製を開始し、4次車が登場しました。グリーン車についてはダブルデッカー構造のため、車両メーカー(東急車輛、川崎重工)にて別途新製しました。これは最終増備車まで同様となっています。
また、同時並行で東急車輛、川崎重工、大船工場にて5次車が新製されました。4次車よりも5次車が若干早く登場したため、F-21、F-71編成の次に出てきたのはF-26、F-76編成でした。
幕張電車区への投入も始まり、編成番号は基本編成をR-01~、付属編成をR-31~としました。幕張電車区配置車は12月17日より運用を開始しました。

8年3月30日から9年3月21日までの秋田新幹線工事の期間中に北上線経由で運転された特急「秋田リレー」用のキハ110系列(300番台)が、用途終了に伴い一般仕様(200番台)に改造される際、捻出された座席はE217系の新製グリーン車の座席に転用されたと言われています。実際に転用されている場合、キハ110系列の300番台20両から捻出される座席数は500脚あまりと考えられ、対象となったE217系グリーン車は6両分程度と思われます。捻出から転用までどの程度の期間があったのかが判然としないため、4次車以降どのグループのどの車両で使用されているかは不明です。

4、5次車の主な変更点

・クハE216-2000番台は、トイレを車いす対応のものに変更。
 (改造工事規模を最小限とするため4位側に設置し室内灯の予備灯配置も変更)
・グリーン車の客室仕切り扉に赤外線センサーを設置。
・指令室から運行情報等を音声で受信する旅客一斉情報装置を乗務員室に設置。
 (既存車も後に設置)
・車内案内表示器に使用しているLEDを透明度の高い電球に変更。
・車内案内表示器横のドアチャイム用スピーカの穴の集合体形状を円形から角型に変更。


← 車内案内表示器の違い、上から、3次車まで(2次車クハE217-11)と、4次車以降(4次車クハE217-22)


【新製】4次車60両(大船…基本4本・付属4本)
編成番号 11号車
クハE217
10号車
サハE217
9号車
モハE217
8号車
モハE216
7号車
サハE217
6号車
サハE217
5号車
サロE217
4号車
サロE216
3号車
モハE217
2号車
モハE216
1号車
クハE216
新製月日
F-22 22 22 22 1022 2043 2044 *22 *22 2043 2043 2022  9.12.16NT(*=東急)
F-23 23 23 23 1023 2045 2046 *23 *23 2045 2045 2024 10. 2. 2NT(*=東急)
F-24 24 24 24 1024 2047 2048 *24 *24 2047 2047 2026 10. 2.25NT(*=東急)
F-25 25 25 25 1025 2049 2050 *25 *25 2049 2049 2028 10. 3.24NT(*=東急)

編成番号 増4号車
クハE217
増3号車
モハE217
増2号車
モハE216
増1号車
クハE216
新製月日
F-72 2022 2044 2044 2023  9.12.16NT
F-73 2023 2046 2046 2025 10. 1.21NT
F-74 2024 2048 2048 2027 10. 2.16NT
F-75 2025 2050 2050 2029 10. 3.13NT


【新製】5次車75両(大船…基本2本・付属2本、幕張…基本3本・付属3本)
編成番号 11号車
クハE217
10号車
サハE217
9号車
モハE217
8号車
モハE216
7号車
サハE217
6号車
サハE217
5号車
サロE217
4号車
サロE216
3号車
モハE217
2号車
モハE216
1号車
クハE216
新製月日
F-26 26 26 26 1026 2051 2052 26 26 2051 2052 2030  9.11. 4東急
F-27 27 27 27 1027 2053 2054 27 27 2053 2053 2032  9.11.18東急
R-01 28 28 28 1028 2055 2056 28 28 2055 2055 2034  9.12. 3川重
R-02 29 29 29 1029 2057 2058 29 29 2057 2057 2036  9.12.24川重
R-03 30 30 30 1030 *2059 *2060 30 30 *2059 *2059 2038 10. 1.21東急(*=OF)

編成番号 増4号車
クハE217
増3号車
モハE217
増2号車
モハE216
増1号車
クハE216
新製月日
F-76 2026 2052 2052 2031  9.11. 4東急
F-77 2027 2054 2054 2033  9.11.18東急
R-31 2028 2056 2056 2035  9.12. 3川重
R-32 2029 2058 2058 2037  9.12.24川重
R-33 2030 2060 2060 2039 10. 1.21東急


4、5次車の新製時より、基本編成全編成の1号車に車いす対応トイレを設置することが決まりました。
車いす対応トイレを設置したクハE216は番台区分されずに2022番以降の続番で登場し、新製編成用、既存編成用と交互に組み込むこととしました。このため、1号車の車両番号はF-22編成以外編成番号と一致しなくなりました。また、クハE216-1000番台はしばらく新製が中止されることとなりました。
既存の基本編成への車いす対応トイレ付きのクハE216組み込みは、同時に新製される付属編成のクハE216として一旦組み込み、後日組み換えるという方法で進められました。このため組み換えと同時に転属も初めて発生しました。今回、これらの組み換えに関連した編成は以下の通りで、既存編成では1次車のF-01、02編成を飛ばし、2次車のF-03編成から組み換えを開始しました。

【転属】6両(大船→幕張3両、幕張→大船3両) 既存の基本編成の1号車に、新製の車いす対応トイレ設置車を組込
編成番号 11号車
クハE217
10号車
サハE217
9号車
モハE217
8号車
モハE216
7号車
サハE217
6号車
サハE217
5号車
サロE217
4号車
サロE216
3号車
モハE217
2号車
モハE216
1号車
クハE216
1号車転属月日
F-03 3 3 3 1003 2005 2006 3 3 2005 2005 2023  
F-04 4 4 4 1004 2007 2008 4 4 2007 2007 2025  
F-05 5 5 5 1005 2009 2010 5 5 2009 2009 2027  
F-06 6 6 6 1006 2011 2012 6 6 2012 2012 2029  
F-07 7 7 7 1007 2013 2014 7 7 2013 2013 2031  
F-08 8 8 8 1008 2015 2016 8 8 2015 2015 2033  
F-09 9 9 9 1009 2017 2018 9 9 2017 2017 2035  9.12. 5
F-10 10 10 10 1010 2019 2020 10 10 2019 2019 2037  9.12.26
F-11 11 11 11 1011 2021 2022 11 11 2021 2021 2039 10. 1.23
新製の付属編成の増1号車を、既存の基本編成の1号車から転用
編成番号 増4号車
クハE217
増3号車
モハE217
増2号車
モハE216
増1号車
クハE216
増1号車転属月日
F-72 2022 2044 2044 2003  
F-73 2023 2046 2046 2004  
F-74 2024 2048 2048 2005  
F-75 2025 2050 2050 2006  
F-76 2026 2052 2052 2007  
F-77 2027 2054 2054 2008  
R-31 2028 2056 2056 2009  9.12. 5
R-32 2029 2058 2058 2010  9.12.26
R-33 2030 2060 2060 2011 10. 1.23


今回の135両投入により、大船電車区では90両の113系を、幕張電車区では39両の113系を置き換えました。このうちの31両は国府津電車区に転用され、JR東海との運用振替用および東海道線輸送改善用として増備されました。この際、同区の113系基本編成の中間運転台付き編成が解消されました。
10年3月14日ダイヤ改正

・幕張電車区配置車は65~69S(F)運行を中心に充当。



★10年度・本格的なマイナーチェンジ

大船電車区への増備も最終段階となり、6次車として基本編成、付属編成各7本が新津車両製作所(グリーン車は東急車輛、川崎重工)にて新製されました。
なお、大船電車区配置編成では、これまでクハE217の車号と編成番号は一致していましたが、前年度に幕張電車区への投入があったため、車号と編成番号は3つずつずれることとなりました。
基本編成、付属編成各34本にて大船電車区ではE217系の投入が完了し、同区の113系の運用は10月3日をもって終了しました。
6次車の主な変更点

・汚物処理装置の仕様を若干変更。

10年12月8日ダイヤ改正

・外房線鎌取駅、土気駅が全時間帯で快速停車駅となり、成田線酒々井駅にも一部停車。

【新製】6次車105両(大船…基本7本・付属7本)
編成番号 11号車
クハE217
10号車
サハE217
9号車
モハE217
8号車
モハE216
7号車
サハE217
6号車
サハE217
5号車
サロE217
4号車
サロE216
3号車
モハE217
2号車
モハE216
1号車
クハE216
新製月日
F-28 31 31 31 1031 2061 2062 *31 *31 2061 2061 2040 10. 4. 8NT(*=東急)
F-29 32 32 32 1032 2063 2064 *32 *32 2063 2063 2042 10. 5.19NT(*=東急)
F-30 33 33 33 1033 2065 2066 *33 *33 2065 2065 2044 10. 6.15NT(*=東急)
F-31 34 34 34 1034 2067 2068 *34 *34 2067 2067 2046 10. 7.10NT(*=東急)
F-32 35 35 35 1035 2069 2070 *35 *35 2069 2069 2048 10. 8. 7NT(*=東急)
F-33 36 36 36 1036 2071 2072 *36 *36 2071 2071 2050 10. 9. 4NT(*=川重)
F-34 37 37 37 1037 2073 2074 *37 *37 2073 2073 2052 10.10. 5NT(*=川重)

編成番号 増4号車
クハE217
増3号車
モハE217
増2号車
モハE216
増1号車
クハE216
新製月日
F-78 2031 2062 2062 2041 10. 4.17NT
F-79 2032 2064 2064 2043 10. 5. 8NT
F-80 2033 2066 2066 2045 10. 6. 4NT
F-81 2034 2068 2068 2047 10. 7. 2NT
F-82 2035 2070 2070 2049 10. 7.29NT
F-83 2036 2072 2072 2051 10. 8.28NT
F-84 2037 2074 2074 2053 10. 9.25NT


既存の基本編成への車いす対応トイレの設置を引き続き進めていきました。今回は大船電車区配置編成同士の組成変更のため、転属はありませんでした。

既存の基本編成の1号車に、新製の車いす対応トイレ設置車を組込
編成番号 11号車
クハE217
10号車
サハE217
9号車
モハE217
8号車
モハE216
7号車
サハE217
6号車
サハE217
5号車
サロE217
4号車
サロE216
3号車
モハE217
2号車
モハE216
1号車
クハE216
F-12 12 12 12 1012 2023 2024 12 12 2023 2023 2041
F-13 13 13 13 1013 2025 2026 13 13 2025 2025 2043
F-14 14 14 14 1014 2027 2028 14 14 2027 2027 2045
F-15 15 15 15 1015 2029 2030 15 15 2029 2029 2047
F-16 16 16 16 1016 2031 2032 16 16 2031 2031 2049
F-17 17 17 17 1017 2033 2034 17 17 2033 2033 2051
F-18 18 18 18 1018 2035 2036 18 18 2035 2035 2053
新製の付属編成の増1号車を、既存の基本編成の1号車から転用
編成番号 増4号車
クハE217
増3号車
モハE217
増2号車
モハE216
増1号車
クハE216
F-78 2031 2062 2062 2012
F-79 2032 2064 2064 2013
F-80 2033 2066 2066 2014
F-81 2034 2068 2068 2015
F-82 2035 2070 2070 2016
F-83 2036 2072 2072 2017
F-84 2037 2074 2074 2018


年が明けて11年に入ると幕張電車区への投入が再開されました。大幅なマイナーチェンジを行い、7次車として、基本編成、付属編成各3本が投入されました。


7次車の主な変更点


・一部のクハE216を除き側面行先表示器を方向幕式からLED式(行先のみの固定表示)へと変更。



・ロングシート車の大窓の窓割りを、中央は固定窓、両端は2分割で車端側を開閉窓に変更。(左…3次車モハE217-2040、右…8次車モハE217-2092)


・前面は外観をそのままに非貫通構造に変更。(左…非貫通の7次車以降と貫通構造のうち2~6次車のステップ部比較 中・右…車内側の様子、4次車クハE217-2022と7次車クハE217-2040)

・主電動機をMT68からMT73に変更。


東急車輛製のみに見られる7次車の主な変更点


・先頭部分の屋根ビート形状を変更、列車無線アンテナから外側と、車両用信号炎管から外側の延長を廃止。(左…5次車クハE216-2038、右…7次車クハE217-39)


【新製】7次車45両(幕張…基本3本・付属3本)
編成番号 11号車
クハE217
10号車
サハE217
9号車
モハE217
8号車
モハE216
7号車
サハE217
6号車
サハE217
5号車
サロE217
4号車
サロE216
3号車
モハE217
2号車
モハE216
1号車
クハE216
新製月日
R-04 38 38 38 1038 2075 2076 38 38 2075 2075 2054 11. 1.29川重
R-05 39 39 39 1039 2077 2078 39 39 2077 2077 2056 11. 1.12東急
R-06 40 40 40 1040 2079 2080 40 40 2079 2079 2058 11. 3. 4川重

編成番号 増4号車
クハE217
増3号車
モハE217
増2号車
モハE216
増1号車
クハE216
新製月日
R-34 2038 2076 2076 2055 11. 1.29川重
R-35 2039 2078 2078 2057 11. 1.12東急
R-36 2040 2080 2080 2059 11. 3. 4川重


既存の基本編成への車いす対応トイレの設置が引き続き進められましたが、既存編成の行先表示器は方向幕式のため、クハE216-2055、2057、2059は方向幕式の行先表示器を搭載して新製されました。一方で、置き換えられたクハE216-2019~2021の3両は、転用先の付属編成の新製車の行先表示器がLED式のため、行先表示器をLED式に改造しました。


【転属】6両(大船→幕張3両、幕張→大船3両) 既存の基本編成の1号車に、新製の車いす対応トイレ設置車を組込
編成番号 11号車
クハE217
10号車
サハE217
9号車
モハE217
8号車
モハE216
7号車
サハE217
6号車
サハE217
5号車
サロE217
4号車
サロE216
3号車
モハE217
2号車
モハE216
1号車
クハE216
1号車転属月日
F-19 19 19 19 1019 2037 2038 19 19 2037 2037 2055 11. 1.31
F-20 20 20 20 1020 2039 2040 20 20 2039 2039 2057 11. 1.14
F-21 21 21 21 1021 2041 2042 21 21 2041 2041 2059 11. 3. 6
新製の付属編成の増1号車を、既存の基本編成の1号車から転用
編成番号 増4号車
クハE217
増3号車
モハE217
増2号車
モハE216
増1号車
クハE216
増1号車転属月日
R-34 2038 2076 2076 2019 11. 1.31
R-35 2039 2078 2078 2020 11. 1.14
R-36 2040 2080 2080 2021 11. 3. 6


11年3月13日ダイヤ改正

・幕張電車区配置車は65~69、81S(F)運行を中心に充当。



★11年度・最終増備

最終増備車として8次車が基本編成11本、付属編成6本が投入されました。
既存編成への車いす対応トイレ設置に伴うクハE216-2000番台(2001~2021)の付属編成転用が終了するのに合わせ、クハE216-1000番台の新製が再開されました。
8次車の主な変更点


・クハE217-2000番台の速度計をATC非対応のものに変更。(左…7次車クハE217-2040、右…8次車クハE217-2042)


【新製】8次車145両(幕張…基本11本・付属6本)
編成番号 11号車
クハE217
10号車
サハE217
9号車
モハE217
8号車
モハE216
7号車
サハE217
6号車
サハE217
5号車
サロE217
4号車
サロE216
3号車
モハE217
2号車
モハE216
1号車
クハE216
新製月日
R-07 41 41 41 1041 2081 2082 *41 *41 2081 2081 2060 11. 5.14NT(*=東急)
R-08 42 42 42 1042 2083 2084 *42 *42 2083 2083 2062 11. 6. 3NT(*=東急)
R-09 43 43 43 1043 2085 2086 *43 *43 2085 2085 2064 11. 6.25NT(*=東急)
R-10 44 44 44 1044 2087 2088 *44 *44 2087 2087 2065 11. 7.16NT(*=東急)
R-11 45 45 45 1045 2089 2090 *45 *45 2089 2089 2066 11. 8. 9NT(*=東急)
R-12 46 46 46 1046 2091 2092 *46 *46 2091 2091 2067 11. 9. 2NT(*=東急)
R-13 47 47 47 1047 2093 2094 *47 *47 2093 2093 2068 11. 9.17NT(*=東急)
R-14 48 48 48 1048 2095 2096 *48 *48 2094 2094 2069 11.10. 5NT(*=川重)
R-15 49 49 49 1049 2097 2098 *49 *49 2095 2095 2070 11.10.20NT(*=川重)
R-16 50 50 50 1050 2099 2100 *50 *50 2096 2096 2071 11.11. 5NT(*=川重)
R-17 51 51 51 1051 2101 2102 *51 *51 2097 2097 2072 11.11.18NT(*=川重)

編成番号 増4号車
クハE217
増3号車
モハE217
増2号車
モハE216
増1号車
クハE216
新製月日
R-37 2041 2082 2082 2061 11. 4.30NT
R-38 2042 2084 2084 2063 11. 5.26NT
R-39 2043 2086 2086 1022 11. 6.16NT
R-40 2044 2088 2088 1023 11. 7. 7NT
R-41 2045 2090 2090 1024 11. 7.30NT
R-42 2046 2092 2092 1025 11. 8.25NT


車いす対応トイレの置き換え対象は1次車2編成のみとなり、クハE216-2061、2063は行先表示器を方向幕式で新製し、置き換え対象のクハE216-2001、2002の2両は同様に行先表示器をLED式に改造しました。
幕張電車区では最終的に基本編成17本、付属編成12本が新製配置され、横須賀総武快速線用のE217系新製は745両にて終了しました。

【転属】4両(大船→幕張2両、幕張→大船2両) 既存の基本編成の1号車に、新製の車いす対応トイレ設置車を組込
編成番号 11号車
クハE217
10号車
サハE217
9号車
モハE217
8号車
モハE216
7号車
サハE217
6号車
サハE217
5号車
サロE217
4号車
サロE216
3号車
モハE217
2号車
モハE216
1号車
クハE216
1号車転属月日
F-01 1 1 1 1001 2001 2002 1 1 2001 2001 2061 11. 5.20
F-02 2 2 2 1002 2003 2004 2 2 2003 2003 2063 11. 6.10
新製の付属編成の増1号車を、既存の基本編成の1号車から転用
編成番号 増4号車
クハE217
増3号車
モハE217
増2号車
モハE216
増1号車
クハE216
増1号車転属月日
R-37 2041 2082 2082 2001 11. 5.20
R-38 2042 2084 2084 2002 11. 6.10


10月19日より総武快速線錦糸町~千葉間にて線区の最高速度が120km/hに引き上げられ、12月4日にはダイヤ改正が実施されました。
同改正での車種統一に伴う運用見直しにより、改正日付けで大船電車区から幕張電車区へ付属編成4本が転じました。大船電車区の一部編成も欠番を埋めるように編成番号を変更しました。
これによって、大船電車区では基本34本、付属30本、幕張電車区では基本17本、付属16本の体制となりました。

11年12月4日ダイヤ改正

横須賀総武快速線で113系が営業運転から撤退、E217系への置き換えを完了。
・総武本線の直通運転範囲を八街から成東に延伸。
・外房線の直通運転範囲を勝浦から大原に短縮。
・鹿島線直通列車については、成田~佐原間で各駅停車化。
・付属編成を使用した夜の総武本線千葉口の間合い運用を廃止、翌朝の成東始発は引き続き基本編成充当。
【転属】16両(大船→幕張16両) 大船電車区から幕張電車区に付属編成が4本転属

編成番号

編成番号
増4号車
クハE217
増3号車
モハE217
増2号車
モハE216
増1号車
クハE216
F-78 R-43 2031 2062 2062 2012
F-79 R-44 2032 2064 2064 2013
F-80 R-45 2033 2066 2066 2014
F-81 R-46 2034 2068 2068 2015

大船電車区で付属編成3本が編成番号を変更

編成番号

編成番号
増4号車
クハE217
増3号車
モハE217
増2号車
モハE216
増1号車
クハE216
F-82 F-78 2035 2070 2070 2016
F-83 F-79 2036 2072 2072 2017
F-84 F-80 2037 2074 2074 2018



★12年度・鎌倉総合車両所発足

E217系は東海道線への新製投入も検討されましたが、後継形式となるE231系が投入されることとなり、実現しませんでした。

12年7月1日、大船電車区は組織変更を実施され、大船工場と合併して鎌倉総合車両所となり、大船電車区配置車はそのまま鎌倉総合車両所配置となりました。所属標記も横フナから横クラに順次変更されました。ちなみに、F-77編成の4両は、横クラ標記のみ同区配置の205系用の文字を使用しています。

この頃から車内窓上の広告枠が増設されるようになりました。






F-77編成のみに見られる国鉄の標準書体による所属標記 →





★13年度・湘南新宿ライン運行開始

13年頃から、理由等は不明ですが、川崎重工製の普通車を対象に戸袋部分のシール広告用の台座を貼り付ける改造が施されました。

また、同じく13年頃より、LCU(ローカルコントロールユニット、ドア開閉指令の処理部)をアナログ式からマイコン制御式に改良する工事が始まりました。従来品ではツナギ箱に水が侵入してドア故障等につながる事象が多発したためで、18年頃に完了しました。この改造によりドアの開閉音が静かになるという変化が現れました。一部の編成には、車掌スイッチ(車掌が扱うドア開閉用のスイッチ)に「マイコンLCU取り付け済」のシールが貼付されました。



戸袋シール広告部分に新たに取り付けられた台座(ドア右部分、運転席後ろ、助士側窓上にネジで固定された板) →




13年12月1日ダイヤ改正

「湘南新宿ライン」運行開始。
 田町電車区215系、小山電車区115系、E231系、新前橋電車区211系とともに充当される。
 (E217系も基本編成が新宿まで乗り入れ)
・成田線酒々井駅が全時間帯で快速停車駅となり、内房線袖ヶ浦駅にも一部停車。

14年3月23日には、土休日の夕方~夜間に湘南新宿ラインの増発が新宿~逗子間で実施されました。増発した3往復のうち2往復はE217系が充当となりました。

湘南新宿ラインの運用にも入ることとなったE217系(恵比寿駅にて) →





★14年度・戸袋ポスター広告枠増設

14年6月、FIFAワールドカップ開催に伴い、会場となったカシマサッカースタジアムへのアクセス列車としてE217系も使用され、基本編成が鹿島線に初めて乗り入れました。

時期は不明ですが14年中頃から、ドア窓上のシール広告が掲出されるようになりました。これに伴い、8号車の車内向かってそれぞれ右側のドア上に貼付されていた横に長細いタイプの弱冷房車の案内表示は、縦長のタイプに代わり、右側のドアの右上部分に貼り替えられました。
15年1月下旬頃からは戸袋部分にポスター広告枠の取り付けが始まりました。ちなみに広告枠が取り付けられた当初は自社のエコロジーについての広告を掲出していました。

14年12月1日ダイヤ改正

・山手貨物線大崎駅のホームを使用開始、湘南新宿ラインが停車。
・湘南新宿ラインを増発、付属編成も土休日の1往復のみ定期運用で新宿まで乗り入れ開始。
・成田空港発の快速列車について、「エアポート成田」の愛称を廃止。


↑ 貼り替えられた弱冷房車の案内表示 / 新たに増設された戸袋部分のポスター広告枠と、最初の自社広告



★15年度・東京地下トンネル保安装置変更

15年9月15日より、車内における携帯電話使用についてのルールを首都圏の他社局とともに統一することとし、携帯電話の利用マナー案内も貼付されるようになりました。優先席付近の壁面および窓に貼付している優先席案内シールの下部に「優先席付近では、携帯電話の電源をお切りください。」の案内が、その他の場所については壁面に「マナーモードに設定の上、通話はご遠慮ください。」の案内が貼付されるようになりました。
同じく15年頃から、車内の車両番号シールの禁煙ピクトグラムが正方形のものから円形のものに変わりました。車両番号シールを新品に貼り替えた場合にのみ円形に変わり、貼り直しの必要がない場合はそのままであるため、同じ車両で新旧が混在することがあります。

16年2月中頃にはE217系で初と思われる広告貸し切り列車が運転されました。このときの広告主は逗子市で、環境自治体をアピールした広告を車内全面に掲出しました。使用された編成はF-19編成で、車外の装飾等は特に見られませんでした。
16年2月29日をもって、横須賀線東京~品川間、総武快速線東京~錦糸町間の保安装置はATCからATS-Pへと変更されました。これによりATC装置が不要となったため、順次ATC装置を撤去する工事が実施されました。


↑ 円形のものに変更された禁煙のピクトグラム



★16年度・グリーン車Suicaシステム

16年4月1日、鎌倉総合車両所は組織変更が実施され鎌倉総合車両センターへ名称を変更しました。
また、16年10月16日には、幕張電車区は組織変更が実施され、同区配置車は幕張車両センター配置となりました。
所属標記の変更はいずれもありません。

16年10月16日ダイヤ改正

・湘南新宿ライン大幅増発、グリーン車を新たに連結したE231系に統一、E217系は湘南新宿ライン運用から撤退。
・横須賀線品川~大船間にて120km/h運転を開始。
・外房線の直通運転の範囲が大原から上総一ノ宮までに短縮。
・鹿島線乗り入れ運用が4往復から夜間~翌朝の1往復のみに縮小。
・総武本線物井駅が快速停車駅となり、内房線長浦駅、袖ヶ浦駅も全時間帯で快速停車。

この改正に伴い、横須賀線の運用数が減少したため、余剰車は田町車両センターなどに疎開回送されたほか、余剰間合いを活用してグリーン車Suicaシステム対応工事が施工されるようになりました。この工事では、Suica読取装置、管理サーバーの取り付け、車販準備室設置等が実施されました。


↑ グリーン車Suicaシステム取り付け前の天井部 / グリーン車Suicaシステム取り付け後の天井部


工場内が手狭となった場合には入場不要な普通車を一時的に配置区等へ疎開回送する措置を取りましたが、連結器の関係で6、7号車は工場内にとどまり、4~7号車を抜いた7両編成で実施されました。これは16年11月11日実施のF-19編成が初のケースとなりました。工事自体もF-19編成から始まり、16年11月15日付けで11両編成にて出場しました。工事は順調に進捗し、18年3月3日出場のR-17編成をもって対象全車の改造が終了しました。

この頃より、急停車に関する注意喚起を促す案内について、アクリル製のものを貼付していた車両は順次シール状のものへと貼り替えられていきました。



7連で鎌倉総合車両センターに疎開する回送列車 →




★17年度・東海道線への進出

17年4月中頃からは、ドア窓に正方形のシール広告が掲出されるようになりました。
横須賀総武快速線のE217系は他線に比べ広告量が少なかったのですが、12年頃の車内窓上広告枠増設に始まり、14年頃のドア窓上シール広告、15年1月頃の戸袋ポスター枠、そして今回のドア窓シール広告と、すっかり他の路線に匹敵する広告量となりました。
同じ頃より、一部の編成でドアエンジン部分の広告枠に楕円形を2個開けたアクリル板が使用され始めました。E217系以外でも同様の車両がありましたが、他形式ともども全車に広がる勢いはなく、逆に廃止となっている様子もありません。




ドアエンジン部分の広告枠のアクリル板で、楕円形を2個開けたもの →




17年5月下旬頃より、非常通報装置を目立たせることを目的に、装置周辺にSOSシールが貼付されることとなりました。これは17年春にJR他社で起きた車内暴力事件を受けたもので、JR東日本の旅客車両全てを対象に、6月末までに全車貼付されました。
また、17年秋頃、F-01、02、51、52編成の1次車28両の非常用ドアコック案内シールが、他車と同じものに交換されました。なお、R-37、38編成に組み換えられたクハE216-2001、2002は従来のままとなっています。

17年10月23日、横浜駅にて湘南新宿ライン2680E列車として運用中のE231系(S-10編成+K-12編成)が故障し自走不能となり、後続の横須賀線1142S列車として運用されていたE217系(R-02編成+R-32編成)が品川駅まで救援しました。

故障時の処置や異常時の対応の技能を発表する場として運転競技会というものがあり、千葉支社で行われる運転競技会は京葉車両センターで実施されることが多く、E217系も使用されることがあります。少なくとも17年以降使用されているようで、京葉車両センターで開催される際は、付属編成が京葉線新習志野~蘇我間を回送で入線します。

18年2月15日、951Sの入区となる入換車両(F-73編成+F-12編成)が、大船駅から鎌倉総合車両センターへ運転中に、7号車サハE217-2023が脱線したまま数百メートル走行するという事故が発生しました。


↑ R-38編成クハE216-2002のドアコック案内 / F-02編成クハE217-2の貼り替えられたドアコック案内


18年3月改正にあたり、湘南新宿ライン増発に伴い東海道線で車両が不足するため、16年10月改正以降余裕のあるE217系を45両、鎌倉総合車両センターから国府津車両センターに転用することとなりました。転用の対象となったのはF-01~03編成、F-51~53編成で、1月17日のF-51編成入場を皮切りに順次転用改造や組み換えが施工されました。
編成番号は鎌倉総合車両センター時代と変わっておらず、また車番の変更も発生しませんでした。クハE216-1001~1003は自動解結装置、電気連結器なしの番台でありながらそれらが取り付けられたため、自動解結装置、電気連結器ありの番台である同2000番台(2001~2021)との差異がなくなっています。
これに関連して、乗務員や検修社員の訓練等のため、17年11月13日にF-72編成が大船から伊東へ、17年12月14日には伊東から国府津へ回送されました。訓練等が終了したのち、18年2月3日に国府津車両センターから鎌倉総合車両センターへ回送されました。

東海道線転用改造の概要

・11両+4両編成から5両+10両編成に組み換え。(10号車を新編成の14号車へ)
・旧増1号車、旧11号車に自動解結装置、電気連結器、三相カプラー取り付け。
・MON8ソフトを改修。
・外板カラー帯の変更。


↑ 東海道貨物線を走る貸出車の回送(F-72編成) / 東海道線転用車第1陣(F-51編成)



【転属】45両(鎌倉→国府津45両) 東海道線へ転用 ※うち15両は18年度の転属
編成番号 15号車
クハE217
14号車
サハE217
13号車
モハE217
12号車
モハE216
11号車
クハE216
転属月日
F-51 2001 1 2002 2002 1001 18. 2.15
F-52 2002 2 2004 2004 1002 18. 4.12
F-53 2003 3 2006 2006 1003 18. 3.13

編成番号 10号車
クハE217
9号車
モハE217
8号車
モハE216
7号車
サハE217
6号車
サハE217
5号車
サロE217
4号車
サロE216
3号車
モハE217
2号車
モハE216
1号車
クハE216
転属月日
F-01 1 1 1001 2001 2002 1 1 2001 2001 2061 18. 2.28
F-02 2 2 1002 2003 2004 2 2 2003 2003 2063 18. 4.17
F-03 3 3 1003 2005 2006 3 3 2005 2005 2023 18. 3.15


18年3月18日ダイヤ改正

東海道線東京~熱海(~来宮)でE217系の運用を開始。
・東海道線、横須賀総武快速線でグリーン車Suicaシステムを使用開始。
 グリーン車の業務は子会社のNRE(日本レストランエンタプライズ)へ委託。

国府津車両センターでは基本編成、付属編成各3運用が設定され、終日15両固定でJR東海管内、伊東線、湘南新宿ラインには乗り入れない運用が組まれました。検査時等はE231系が代走したほか、付属編成の検査入場中は、基本編成単独で、E231系基本編成運用のうち増解結のない国府津出入区の運用に入ることがありました。
18年3月18日付けで、検査業務の移管を目的として横須賀総武快速線のE217系は全車鎌倉総合車両センターに集約され、編成番号が全編成変更となりました。新編成番号はかつての大船電車区113系の編成番号と同じYに、ハイフン以下奇数方クハの車号下2桁としました。1桁の場合はこれまでと異なり頭に0がつきません。付属編成は+100としています。
これにより、幕張車両センターではE217系の配置がなくなり、鎌倉総合車両センターでは基本48本、付属43本、国府津車両センターでは基本3本、付属3本の体制となり、E217系は745両全車が横浜支社の所属となりました。

ちなみに、E217系が湘南新宿ラインの運用を外れて以降、全編成をE231系に合わせて基本編成と付属編成の位置を入れ替えて、7号車を12号車の位置に持っていき、さらに半自動改造等を施工し、18年春の改正より湘南新宿ラインに復活させるという案が検討されたことがありましたが、実現しませんでした。


↑ 天井のLEDが目立つSuicaグリーン車システム運用開始後の様子 / 編成番号や配置標記が新旧混在していた頃(18年3月27日撮影)


【転属】251両(幕張→鎌倉251両) 幕張車両センター配置車を鎌倉総合車両センターへ集約

編成番号

編成番号
11号車
クハE217
10号車
サハE217
9号車
モハE217
8号車
モハE216
7号車
サハE217
6号車
サハE217
5号車
サロE217
4号車
サロE216
3号車
モハE217
2号車
モハE216
1号車
クハE216
R-01 Y-28 28 28 28 1028 2055 2056 28 28 2055 2055 2034
R-02 Y-29 29 29 29 1029 2057 2058 29 29 2057 2057 2036
R-03 Y-30 30 30 30 1030 2059 2060 30 30 2059 2059 2038
R-04 Y-38 38 38 38 1038 2075 2076 38 38 2075 2075 2054
R-05 Y-39 39 39 39 1039 2077 2078 39 39 2077 2077 2056
R-06 Y-40 40 40 40 1040 2079 2080 40 40 2079 2079 2058
R-07 Y-41 41 41 41 1041 2081 2082 41 41 2081 2081 2060
R-08 Y-42 42 42 42 1042 2083 2084 42 42 2083 2083 2062
R-09 Y-43 43 43 43 1043 2085 2086 43 43 2085 2085 2064
R-10 Y-44 44 44 44 1044 2087 2088 44 44 2087 2087 2065
R-11 Y-45 45 45 45 1045 2089 2090 45 45 2089 2089 2066
R-12 Y-46 46 46 46 1046 2091 2092 46 46 2091 2091 2067
R-13 Y-47 47 47 47 1047 2093 2094 47 47 2093 2093 2068
R-14 Y-48 48 48 48 1048 2095 2096 48 48 2094 2094 2069
R-15 Y-49 49 49 49 1049 2097 2098 49 49 2095 2095 2070
R-16 Y-50 50 50 50 1050 2099 2100 50 50 2096 2096 2071
R-17 Y-51 51 51 51 1051 2101 2102 51 51 2097 2097 2072


編成番号

編成番号
増4号車
クハE217
増3号車
モハE217
増2号車
モハE216
増1号車
クハE216
R-31 Y-128 2028 2056 2056 2009
R-32 Y-129 2029 2058 2058 2010
R-33 Y-130 2030 2060 2060 2011
R-43 Y-131 2031 2062 2062 2012
R-44 Y-132 2032 2064 2064 2013
R-45 Y-133 2033 2066 2066 2014
R-46 Y-134 2034 2068 2068 2015
R-34 Y-138 2038 2076 2076 2019
R-35 Y-139 2039 2078 2078 2020
R-36 Y-140 2040 2080 2080 2021
R-37 Y-141 2041 2082 2082 2001
R-38 Y-142 2042 2084 2084 2002
R-39 Y-143 2043 2086 2086 1022
R-40 Y-144 2044 2088 2088 1023
R-41 Y-145 2045 2090 2090 1024
R-42 Y-146 2046 2092 2092 1025

従来からの鎌倉総合車両センター配置車も編成番号を変更

編成番号

編成番号
11号車
クハE217
10号車
サハE217
9号車
モハE217
8号車
モハE216
7号車
サハE217
6号車
サハE217
5号車
サロE217
4号車
サロE216
3号車
モハE217
2号車
モハE216
1号車
クハE216
F-04 Y- 4 4 4 4 1004 2007 2008 4 4 2007 2007 2025
F-05 Y- 5 5 5 5 1005 2009 2010 5 5 2009 2009 2027
F-06 Y- 6 6 6 6 1006 2011 2012 6 6 2012 2012 2029
F-07 Y- 7 7 7 7 1007 2013 2014 7 7 2013 2013 2031
F-08 Y- 8 8 8 8 1008 2015 2016 8 8 2015 2015 2033
F-09 Y- 9 9 9 9 1009 2017 2018 9 9 2017 2017 2035
F-10 Y-10 10 10 10 1010 2019 2020 10 10 2019 2019 2037
F-11 Y-11 11 11 11 1011 2021 2022 11 11 2021 2021 2039
F-12 Y-12 12 12 12 1012 2023 2024 12 12 2023 2023 2041
F-13 Y-13 13 13 13 1013 2025 2026 13 13 2025 2025 2043
F-14 Y-14 14 14 14 1014 2027 2028 14 14 2027 2027 2045
F-15 Y-15 15 15 15 1015 2029 2030 15 15 2029 2029 2047
F-16 Y-16 16 16 16 1016 2031 2032 16 16 2031 2031 2049
F-17 Y-17 17 17 17 1017 2033 2034 17 17 2033 2033 2051
F-18 Y-18 18 18 18 1018 2035 2036 18 18 2035 2035 2053
F-19 Y-19 19 19 19 1019 2037 2038 19 19 2037 2037 2055
F-20 Y-20 20 20 20 1020 2039 2040 20 20 2039 2039 2057
F-21 Y-21 21 21 21 1021 2041 2042 21 21 2041 2041 2059
F-22 Y-22 22 22 22 1022 2043 2044 22 22 2043 2043 2022
F-23 Y-23 23 23 23 1023 2045 2046 23 23 2045 2045 2024
F-24 Y-24 24 24 24 1024 2047 2048 24 24 2047 2047 2026
F-25 Y-25 25 25 25 1025 2049 2050 25 25 2049 2049 2028
F-26 Y-26 26 26 26 1026 2051 2052 26 26 2051 2052 2030
F-27 Y-27 27 27 27 1027 2053 2054 27 27 2053 2053 2032
F-28 Y-31 31 31 31 1031 2061 2062 31 31 2061 2061 2040
F-29 Y-32 32 32 32 1032 2063 2064 32 32 2063 2063 2042
F-30 Y-33 33 33 33 1033 2065 2066 33 33 2065 2065 2044
F-31 Y-34 34 34 34 1034 2067 2068 34 34 2067 2067 2046
F-32 Y-35 35 35 35 1035 2069 2070 35 35 2069 2069 2048
F-33 Y-36 36 36 36 1036 2071 2072 36 36 2071 2071 2050
F-34 Y-37 37 37 37 1037 2073 2074 37 37 2073 2073 2052


編成番号

編成番号
増4号車
クハE217
増3号車
モハE217
増2号車
モハE216
増1号車
クハE216
F-54 Y-104 2004 2008 2008 1004
F-55 Y-105 2005 2010 2010 1005
F-56 Y-106 2006 2012 2012 1006
F-57 Y-107 2007 2014 2014 1007
F-58 Y-108 2008 2016 2016 1008
F-59 Y-109 2009 2018 2018 1009
F-60 Y-110 2010 2020 2020 1010
F-61 Y-111 2011 2022 2022 1011
F-62 Y-112 2012 2024 2024 1012
F-63 Y-113 2013 2026 2026 1013
F-64 Y-114 2014 2028 2028 1014
F-65 Y-115 2015 2030 2030 1015
F-66 Y-116 2016 2032 2032 1016
F-67 Y-117 2017 2034 2034 1017
F-68 Y-118 2018 2036 2036 1018
F-69 Y-119 2019 2038 2038 1019
F-70 Y-120 2020 2040 2040 1020
F-71 Y-121 2021 2042 2042 1021
F-72 Y-122 2022 2044 2044 2003
F-73 Y-123 2023 2046 2046 2004
F-74 Y-124 2024 2048 2048 2005
F-75 Y-125 2025 2050 2050 2006
F-76 Y-126 2026 2052 2052 2007
F-77 Y-127 2027 2054 2054 2008
F-78 Y-135 2035 2070 2070 2016
F-79 Y-136 2036 2072 2072 2017
F-80 Y-137 2037 2074 2074 2018



★18年度・小改造

18年4月1日、鎌倉総合車両センターは組織変更を実施され、工場機能を廃止して鎌倉車両センターとなりました。

18年7月頃から、鎌倉車両センター配置車の側面行先表示器LED化とグリーン車アコモ改良が始まりました。まずはY-9編成が定期検査と同時に改造され、7月10日に東京総合車両センターを出場しました。ただし、6号車サハE217-2018の側面行先表示器は、332側(山側)については当初方向幕のままでした。この更新工事はY-9編成のほかY-11編成にも施工されました。
3番目に入場したY-10編成からは、これらのほか列車番号表示器のLED化も併施されました。また、車内案内表示器の英語表示でハイフン以下最初の文字が大文字に変更されました。また、同様の工事は国府津車両センターのF-01、03、51、53編成にも施工されました。




行先表示器がLED化され、グリーン車の座席が交換された車両(サロE217-10) →



Y-15編成からは、乗務員が状態監視の際に雨水がかかってしまうのを防ぐ目的で乗務員室扉上の水切りが改良され、三角形状のものから四角形状のものへ変更されました。この改良はその後リニューアル未施工車にも波及しました。

18年7月頃リニューアル時に施工されたY-9編成からと思われますが、デジタル無線取り付けも施工開始されました。
デジタル無線工事車は、運転台計器盤に「デジタル無線工事済」のシールが貼付され、目立つところでは助士側に黒い棒状のアンテナが設置され、受話器は新Aタイプのものをベースとした白い改良品に取り替えられました。乗務員室天井部にも機器類が取り付けられました。
更新とは無関係に工場に臨時入場したり、田町車両センターに回送するなどして積極的に施工が続けられ、20年夏頃には付属編成全編成への取り付けが完了、基本編成も21年1月下旬に完了しました。20年12月17~18日、21年10月29日には、横須賀総武快速線用のE217系を使用した走行試験が東海道線にて実施される珍しい光景が見られました。


↑ リニューアル施工だが水切り未改良だったクハE217-13 / 水切りがリニューアルと同時に改良されたクハE217-15

東海道線E217系の側面行先表示器は、当初従来どおり方向幕式でした。書体は横須賀総武快速線で使用しているゴナと違い、行先については国鉄車両で使用されるタイプのスミ丸ゴシックで、英字は頭文字のみ大文字の表記となっています。回送などは新ゴで表示され、英字併記(全て大文字)となりました。
F-52編成の5両については転用時に側面行先表示器をLEDに交換しました。表示方法は他のE217系と同様(回送等は英字なし)で、行先のみの固定表示でした。その後、18年11月中旬頃にF-02編成が区で側面行先表示器をLEDに交換し、最終的に19年7月までに全車LEDに交換されました。なお、回送等の表示は英語併記となりました。


東海道線用の方向幕 →



18年頃に入ると、ドアのハニカム剥がれ(外板の接着剥がれ)が多くなり、開扉時に支障をきたすことがあったことから、工場入場時に補修されるようになりました。補修されたドアは窓下部分に点状の補修跡が目立つようになりました。この点状のものは当初窓下部分6点から、のちに10点、13点と窓の横等にも拡大されました。

18年11月頃より、他の首都圏各車と同様、ドア上に「すきまに指を入れないでください」の注意シールが貼られるようになりました。また同じ頃より、妻面には消火器の位置を表す案内、先頭車の乗務員室仕切り部分には乗務員による業務用携帯電話の使用に関する案内が貼付されるようになりました。

重大事故時に乗務員が受傷等により速やかに列車防護をできない状況でも併発事故を確実に防止できるよう、自動的に防護無線を発報する装置の開発が18年度まで行われました。開発にあたって、電車5形式、気動車1形式を使用した営業列車による走行試験が18年度に行われ、E217系でも編成は不明ですが18年11月12日から19年1月18日まで試験が実施されました。その後、この装置は23年度頃に実用化されました。

← 補修されたドア(点状の補修跡は6点)


19年3月に入り、国府津車両センターF-01編成のクハE216-2061を皮切りに、一部の固定窓を開閉可能にする工事が始まりました。これは、17年3月23日、京浜東北線蒲田~大森で朝通勤時間帯に209系が故障のため駅間に立ち往生、停電を伴ったため空調が止まり、開閉可能な窓が少なく長時間缶詰にされた乗客の多くが体調を崩したという事象を受けたものです。
E217系ではもともと大窓の中央部が開くようになっていましたが、7次車以降で実施されたマイナーチェンジで、制御車のうちロングシート車は後位寄りの大窓の車端側3分の2程度しか開かない構造に変更されていました。このため、中央の大窓も開くように改造することとし、該当する7、8次車32両が19年7月までに順次施工されました。改造された窓枠は川崎重工で製造されたもので、3分の1が固定、3分の2が701系と同等の上段下降窓となりました。

19年3月18日ダイヤ改正

・東海道線の快速アクティーが戸塚駅に停車。
← 窓改造施工後の様子(クハE216-2061)




★19年度・機器更新

国府津車両センターE217系では、東海道線横浜~国府津開業120周年を記念して、19年7月9日~9月30日の間、記念ヘッドマークを各編成に貼付して走行しました。マークは以下の車両に5種類貼付されました。

・F-51編成15号車とF-01編成10号車(画像左上)
・F-01編成1号車(画像右下)
・F-52編成15号車とF-02編成10号車(画像右上)
・F-02編成1号車(画像左下)
・F-53編成15号車とF-03編成10号車と1号車(画像中央)

JR東日本発足20周年事業の一環として、19年11月より、優先席付近のつり革を黄色いものに取り替える工事が始まりました。これは優先席エリアの明確化を図るために行なわれるもので、他系列でも施工され、19年度中に完工しました。
さらに横須賀総武快速線用のE217系については、同事業の一環として自動放送設備が19年夏頃のY-121編成を皮切りに同年度中に全編成に整備されたほか、3/4閉機能が19年11月頃から23年度頃までに全編成に整備されました。なお、自動放送設備は、E501系と違い開扉側選択スイッチの併設も施工されています。

↑ 東海道線で掲出されたヘッドマーク5種類



19年度後半から、VVVFインバータ装置等下回り機器もほぼ取り替える機器更新が開始されました。この工事では、機器や外観が大幅に変更され、加減速時の音も従来とは異なりE233系に近いものとなりました。

機器更新の概要

・VVVFインバータの電源部分を二重系化、IGBT素子の採用により信頼性を向上、長寿命化。
・補助電源装置は、待機二重系システムとしサイズや重量を増加、IGBT素子の採用で信頼性を向上、長寿命化。
・ATS-P保安装置は一重系だが、送受信部と速度照査機能を一体とした集約型とし、運転状況記録装置を追加。
・ブレーキ制御装置は電空変換中継弁の部品をE233系と共通化、滑走制御をファジィ制御からすべり率制御に変更。
・制御伝送装置はMON19へ、基板構造、車輪径設定方法、運転台画面デザイン変更、電源部交換容易化。
・戸閉装置はLCU基板を防塵化、直接故障読み出しができるように改良。
・外板カラー帯の明度、幕板の塗り分け、腰部の前面カットを変更、前面ロゴデザインもE233系と同一化。
・列車番号表示器と行先表示器のLED化、グリーン車アコモ改良等の各種小改造も、未施工の場合は併施。

↑ 機器更新を受けて横須賀線に再び戻ったY-102編成(先頭はクハE216-1002)


入場期間が長くなり、横須賀総武快速線用車の予備車を確保する必要があることから、東海道線用のE217系を15両横須賀総武快速線に戻すこととなりました。この際、リニューアル未施工のF-02、52編成を、機器更新を兼ねて古巣である鎌倉車両センターへと戻すこととし、19年11月下旬にF-52編成が、19年12月にはF-02編成が東京総合車両センターへと入場し、以下のように組成が変わりました。なお、東海道線転用時にクハE217-2、クハE216-1002に取り付けられていた自動解結装置、電気連結器は取り外されませんでした。
この穴埋めとして、国府津車両センターに同数のE233系が投入されました。
なお、19年度は、Y-2、102編成のほか、Y-22編成についても機器更新が施工されました。
20年3月15日ダイヤ改正

・総武快速線方面から横須賀線品川駅折返しの列車を設定。

【転属】15両(国府津→鎌倉15両) 横須賀総武快速線へ転用
編成番号 11号車
クハE217
10号車
サハE217
9号車
モハE217
8号車
モハE216
7号車
サハE217
6号車
サハE217
5号車
サロE217
4号車
サロE216
3号車
モハE217
2号車
モハE216
1号車
クハE216
転属月日
Y- 2 2 2 2 1002 2003 2004 2 2 2003 2003 2063 20. 2. 7

編成番号 増4号車
クハE217
増3号車
モハE217
増2号車
モハE216
増1号車
クハE216
転属月日
Y-102 2002 2004 2004 1002 20. 2. 2



★20年度・スカート交換

20年7月頃から、車内案内表示器でさんずいが絡む漢字のフォントがE231系のようになっている編成が増え、付属編成では20年中に、基本編成も追って全編成で変更されました。国府津車両センター配置車でも20年10月頃に全編成で変更されました。同様の変更は、三鷹車両センターの209系500番台、勝田車両センターのE501系等でも実施されました。

21年1月下旬頃からは、鎌倉車両センター配置車で「まもなく○○」の表示が順次開始されました。同じ頃から、未更新車でも英語表示でハイフン以下最初の字が大文字に変更されました。
4月頃には国府津車両センター配置車でも「まもなく○○」表示が開始されました。なお、開扉方向の案内はありません。同様の表示は小山車両センターE231系、東京臨海高速鉄道70-000系等でも見られるようになりました。


↑ 従来の表示と、改良後の表示、さんずいのフォントが異なります / 車内案内表示器の「まもなく」表示


20年12月1日より横須賀総武快速線では自動放送が使用開始されました。しかしすぐに使用中止となり、車掌による放送に戻りました。

21年2月に機器更新等のため入場したY-32編成では、スカートの交換も併施されました。これは、線路内の障害物等と衝撃した際に、床下に巻き込みにくくするために施工されているもので、E231系を皮切りに始まり、E531系、209系500番台に続いての施工となりました。なお、翌日に出場したY-124編成は機器更新を施工されたもののスカートは交換されませんでした。
その後の入場編成では機器更新等とともにスカート交換も併施されるようになり、既存編成でも機器更新車では21年9月下旬頃から、それ以外では10月中旬頃から順次施工されるようになりました。

20年度は、以下の編成に機器更新が施工されました。
Y-23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、39、104、105、107、110、111、112、124、125、126、135、136、137、140

21年3月14日ダイヤ改正

・内房線浜野駅に快速停車。
・東海道線では通勤快速にもE217系、E233系を充当。
← 新しいスカートに交換されたクハE217-32





★21年度・側面方向幕消滅、自動放送とデジタル無線

21年4月から、横浜・神奈川デスティネーションキャンペーン開催に合わせ、鎌倉車両センターでは基本編成8本(Y-4、7、12、16、17、19、20、36)のクハE217、付属編成8本(Y-108、110、115、116、118、130、138、140)のクハE216に「横須賀線大船~横須賀開業120周年」のヘッドマークを、国府津車両センターではF-01、03編成のクハE216、F-51、53編成のクハE217に「東海道線新橋~神戸全通120周年」のヘッドマークを掲出しました。なお、F-51編成は5月以降より、F-01編成は6月4日より掲出しました。また、追加でY-113編成もヘッドマークを掲出しました。





横浜・神奈川DCのHMを装着する編成 →



この頃より床下の高圧関係の機器に、検修社員や乗務員向けに感電注意のシールを貼付するようになりました。
また、グリーン車で乗客による乗務員への暴力等が多発したことから、21年4月頃からグリーン車内に防犯カメラを複数取り付ける工事が始まりました。

21年5月頃の入場車からは、ドアガラスを交換する場合は、E231系と同等の緑がかったものへの交換となりました。

21年5月7日6時50分頃、横須賀線新川崎~横浜間を走行中の564S列車(Y-35編成+Y-120編成)で、増結4号車にて非常ブレーキ回路が断線したことによるブレーキ不緩解が発生しました。9時26分に処置が完了し10時19分に全面で運転を再開するまで同線は運転見合わせとなり、朝の通勤ラッシュ帯を直撃し大混乱となりました。

前年12月に使用開始されたもののすぐに中止となった横須賀総武快速線での自動放送が、21年7月1日より改めて使用開始となりました。なお、自動放送開始に伴う車内案内表示器の表示に特に変化はなく、ドアの開扉方向や行先の案内はありません。

東海道線、外房線(千葉~蘇我)、内房線(蘇我~君津)では21年7月19日からデジタル無線が使用開始されました。その後、総武本線(千葉~佐倉)、成田線(佐倉~成田空港)では10月11日、横須賀総武快速線、外房線(蘇我~上総一ノ宮)では1月17日に使用が開始されました。これによりデジタル無線の運用範囲内では、車内案内表示器で運行情報が表示されるようになりました。
表示方法としては、発車後次駅表示を2周(漢字→英語→カナ)してから、運行情報1件をスクロールし、以降は次駅表示1周と運行情報1件の交互となっています。運行情報が複数ある場合でも1件ずつ表示するので、いつまでも次駅が表示されないということは起こらないよう配慮されています。なお、8回ぐらい表示すると、次駅表示が2周目に入って約1秒してから運行情報スクロールとなることがあります。

↑ 従来からのドアガラス(左)とE231系と同等の緑がかったドアガラス(右)


9月27日には、E217系を使用した団臨が、総武線両国から根岸線新杉田まで往復で運転されました。充当されたのはY-142編成で、回送を含めると新鶴見~鶴見~桜木町~大船~国府津と走行し、高島線や根岸線はE217系としては初の入線となりました。なお、新宿で方向転換した関係で、新宿以南では通常とは逆向きとなっていました。

9月下旬頃より、E217系が伊東や平塚等へ回送される光景が何度か見られるようになりました。これは、鎌倉車両センターの車輪転削設備新設工事やE259系新製車の配置等により構内が一時的に手狭となるため、余剰車両を疎開させたものです。営業運転から外れた253系も他の車両センター等へ疎開されました。E217系の疎開回送は24年頃まで続きました。



平塚駅構内に疎開留置される鎌倉車両センターのE217系(平塚駅構内の須馬踏切より、24年6月13日撮影) →



22年2月下旬頃、Y-121編成が機器更新を施工されて東京総合車両センターを出場し、E217系の全車両の行先表示器がLEDとなりました。

3月10日より、国府津車両センター配置車でもスカート交換が実施され、F-01、F-51編成の各先頭車4両がスカートを交換されるとともに、東海道線新橋~神戸全通120周年記念のヘッドマークが取り外されました。3月16日にはF-03、F-53編成も同様にスカート交換とヘッドマーク取り外しが施工されました。鎌倉車両センター配置車においても、3月後半に入り横須賀線大船~横須賀開業120周年のヘッドマークが順次取り外されました。

3月ダイヤ改正に先立つ3月10日頃から、鎌倉車両センター配置車の基本編成4~11号車の車内向かって右のドア窓広告下(普通車の場合)に、カーブ上に停車する武蔵小杉駅利用に関する案内が貼付されました。この案内は約1年間掲出されました。

21年度は、以下の編成に機器更新が施工されました。
Y-34、35、36、37、38、40、41、42、43、46、48、49、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、127
22年3月13日ダイヤ改正

・横須賀線西大井~新川崎間に武蔵小杉駅が開業。
・E217系導入前より金曜日を中心に運転されていた横須賀線の終電前の臨時列車が、終着を逗子から大船としたうえで定期化。



★22年度・機器更新継続、スカート交換完了

22年3月改正に伴い、横須賀総武快速線では運用数が基本編成、付属編成とも1つずつ増加しました。このため、東海道線にE233系を15両投入して同数のE217系を横須賀総武快速線に転用することとし、F-01、F-51編成が前年度末に東京総合車両センターに入場しました。これら2編成は横須賀線への転用改造と機器更新を施工され、年度をまたいだ4月~5月にY-101、Y-1編成の順に出場しました。
なお、東海道線への転用時にクハE217-1、クハE216-1001に取り付けられた自動解結装置、電気連結器は、先のクハE217-2、クハE216-1002と同様に取り外されないまま横須賀総武快速線へ転じました。Y-2編成は8月末~9月上旬にかけて東京総合車両センターへ検査のため入場していますが、自動解結装置、電気連結器はそのままとなっています。

【転属】15両(国府津→鎌倉15両) 横須賀総武快速線へ転用
編成番号 11号車
クハE217
10号車
サハE217
9号車
モハE217
8号車
モハE216
7号車
サハE217
6号車
サハE217
5号車
サロE217
4号車
サロE216
3号車
モハE217
2号車
モハE216
1号車
クハE216
転属月日
Y- 1 1 1 1 1001 2001 2002 1 1 2001 2001 2061 22. 5.13

編成番号 増4号車
クハE217
増3号車
モハE217
増2号車
モハE216
増1号車
クハE216
転属月日
Y-101 2001 2002 2002 1001 22. 4.20


21年9月頃に機器更新改造を施工された際に列車番号表示器がLED化されたY-113編成ですが、22年6月頃よりクハE217-2013のみマグサイン式のもので代用されました。なお、列車番号表示器のLED化は、1月26日に機器更新出場したY-11編成をもって全編成の施工が完了、Y-113編成は24年8月16日~22日にかけて検査のため東京総合車両センターに入場しましたがこの時はLED式への交換を併施することはなく、最終的に25年3月頃にLED式に交換されました。

20年度より施工が始まっていたスカート交換ですが、基本編成では8月中旬頃に機器更新出場したY-45編成、付属編成では9月1日に機器更新出場したY-145編成をもって全編成の交換が完了しました。

10月24日には、E217系を使用した団臨が、総武線津田沼から東海道線小田原まで往復で運転されました。充当されたのはY-107編成で、津田沼~新宿~新鶴見~横浜羽沢~小田原と入線しました。
← 機器更新済みながら一時期マグサイン式の列車番号表示器を使用していたクハE217-2013



10月27日にはY-131編成が機器更新を施工され、東京総合車両センターを出場しました。側面行先表示器や列車番号表示器のLED化、グリーン車アコモ改良等の施工を既に受けていた編成(東海道線からの出戻り編成を除く)としては初の機器更新施工となりました。 また、11月下旬にはY-51編成が機器更新を施工され、東京総合車両センターを出場しました。これにより、グリーン車のアコモ改良工事が全編成で完了しました。
22年12月4日ダイヤ改正

・本千葉駅に外房線、内房線直通の快速が停車。

1月頃から、優先席の案内表示のそばに円形のマタニティマークが貼付されるようになりました。

Y-46編成では、2月下旬~3月上旬頃に、前面の中央部と端部との間にあるくぼみ(ダミーの貫通扉)を埋める工事が施工されました。

3月に入り、横須賀線内と房総各線の一部の駅で、長時間停車する場合に側扉3/4閉機能の使用を開始しました。

22年度は、Y-1、101編成のほか、以下の編成に機器更新が施工されました。
Y-9、10、11、13、44、45、47、50、51、128、129、130、131、141、142、143、144、145、146
← 優先席付近に掲出されるマタニティマーク




★23年度・東海道線用も機器更新

前年度末に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う電力不足により、E217系を含め各線の車両で客室の蛍光灯の間引きや空調設定温度の変更等が実施されるようになりました。5月下旬頃からは、普通車の各車両3A、6Bドア窓上部に、節電中の旨を案内する表示が貼付され始め、下降可能な窓の上部には、E233系等にならって「開」の表示が貼付されるようになりました。
また、6月24日から9月9日にかけて、電力需要の高まる平日の日中時間帯に、一部列車の間引きや減車を実施する夏の特別ダイヤが実施されました。

秋頃になると、グリーン車の台車に取り付けられているヨーダンパが順次取り外されました。これは、ヨーダンパの取り付け部分に不具合が見つかったためです。なお、23年11月頃には鎌倉車両センター配置のY-4編成(サロE217-4、サロE216-4)で改良品を取り付けた走行試験が実施されましたが、試験終了後は取り外され、その後は取り付けが再開されていないことから、改善策が決まるまでは当分の間撤去が続くものと思われます。

10月2日には、E217系を使用した団臨が、総武線両国~横須賀線鎌倉で運転されました(回送区間を含めると津田沼~横須賀)。充当されたのはY-132編成で、新宿経由となった関係で、新宿以南では通常とは逆向きとなる珍しい光景が見られました。

10月19日には、鎌倉車両センター配置の付属編成で最後まで未更新だったY-109編成が機器更新のために東京総合車両センターへ入場しました。これにより横須賀総武快速線の15両編成で全車両が未更新という組み合わせは見納めとなりました。なお、同編成は機器更新後11月28日に鎌倉車両センターへ回送されました。

10月24日19時50分頃、横須賀線西大井~武蔵小杉間で沿道から自動車が転落、上下線をふさいだところに1865S電車が衝突するという事故が発生しました。この事故で先頭であったY-114編成クハE216-1014の床下機器が破損、同車は後日基本編成を連結したうえで東京総合車両センターに臨時入場して修繕されました。

↑ ヨーダンパ取り外し前(サロE217-31)と取り外し後(サロE217-1)の比較


1月25日には、国府津車両センター配置のF-53編成が機器更新を終えて東京総合車両センターより回送されました。帯色や前面の帯形状には特に変化はなく、前面ロゴはE233系と同等のものに変更されました。F-03編成については年度をまたいで4月4日に機器更新を終えて東京総合車両センターより回送されました。

18年度頃まで開発が行われていた防護無線自動発報装置が、23年度頃までにE217系の全編成(基本、付属計97編成)の両先頭車に搭載されました。これは、脱線、衝突、転覆といった異常な動きを検知して防護無線を自動的に発報するもので、先頭車両の装置の破損を考慮し、異常を検知すると編成中の全装置で自動発報するようになっています。

23年度は、以下の編成に機器更新が施工されました。
Y-4、5、6、7、8、12、14、15、16、17、106、108、109、132、133、134、138、139、F-53

24年3月17日ダイヤ改正

・横須賀線で「前4両久里浜行き」の運用が消滅。

↑ 機器更新を受けて国府津車両センターへ回送されるF-53編成、前面ロゴが変化しています




★24年度・機器更新完了

24年度と25年度に、横須賀線のE217系を使用した東海道線での訓練運転が実施されました。これは、異常時等に横須賀線のE217系で東海道線を運転できるようにするべく、検証するために実施したものです。

24年度も機器更新は継続実施され、未更新で残っていたY-18、19、20、21、F-03編成にも施工されました。
最後に入場したのはY-21編成で、6月20日に東京総合車両センターへ入場、これにより未更新のE217系の走行は見られなくなりました。
同編成は7月31日に機器更新を終えて東京総合車両センターより回送され、E217系745両全車の機器更新が完了しました。

10月に入り、Y-2編成とY-102が相次いで東京総合車両センターに入場、4年半ぶりに再び湘南色となり国府津車両センターへと転じ、編成番号も以前と同じF-02とF-52になりました。これは、25年3月ダイヤ改正での湘南新宿ライン増発対応のため、東海道線で不足する車両を補う目的で転用したものです。
← 川崎駅付近を走る鎌倉車両センター配置のE217系試運転列車(24年5月25日撮影)


【転属】15両(鎌倉→国府津15両) 東海道線へ転用
編成番号 15号車
クハE217
14号車
サハE217
13号車
モハE217
12号車
モハE216
11号車
クハE216
転属月日
F-52 2002 2 2004 2004 1002 24.12.10

編成番号 10号車
クハE217
9号車
モハE217
8号車
モハE216
7号車
サハE217
6号車
サハE217
5号車
サロE217
4号車
サロE216
3号車
モハE217
2号車
モハE216
1号車
クハE216
転属月日
F-02 2 2 1002 2003 2004 2 2 2003 2003 2063 24.11.22

12月31日から1月1日にかけての終夜運転は、今年度より運転形態が変わり、大崎~横須賀間での運転となりました。基本編成のみの2運用が設定され、Y-40編成、Y-44編成が充当されました。大崎行きに関しては行先表示がないため、「普通」表示で運転されました。



★25年度・運転台前方カメラシステム搭載

事故が発生した際の警察などとのスムーズな対応を図るため、中央線のE233系を皮切りに、首都圏各線区の車両に運転台前方カメラシステムの取り付けが始まりました。E217系においても9月上旬頃より取り付けが始まり、事故発生時に活用されています。

11月24日、品川駅線路切換工事に伴い、初電~10時20分頃まで、横須賀線は東京~西大井で運休となり、大崎、新宿駅での折り返し運転となりました。この関係で、E217系が9年ぶりに営業運転(団臨は除く)で新宿に入線する光景が見られました。

3月1~16日にかけて、自殺対策強化月間に合わせた「JR東日本 生きる支援の強化月間」のPR車内広告専用列車「JR東日本 生きる支援トレイン」が、京浜東北根岸線と横須賀総武快速線で1編成ずつ運行されました。横須賀総武快速線ではY-1編成が使用され、車内広告は関係する広告で統一されました。なお、車外の装飾等は特にありませんでした。
← 運転台前方カメラシステム(窓上部のカメラと、貫通路側の緑色LEDランプが点灯している白い箱状の装置)




★26年度・東海道線からの撤退

9月中旬頃より、鎌倉車両センター配置車では、山手線E231系に次いで、先頭車の車内外の車いすスペースマークの隣に、青いベビーカーマークが貼付され始めました。国府津車両センター配置車を含め26年末までに対象全車の貼付が完了しました。

12月25日、768F列車(Y-129編成+Y-12編成)が東京駅に到着した際、破損していた架線の部品にパンタグラフが接触、3基すべて大破して運転不能の状態となり、横須賀総武快速線は大幅ダイヤ乱れとなるトラブルが発生しました。午後になって鎌倉車両センターへ収容されましたが、この際は久里浜方に救援車としてY-130編成+Y-23編成が連結され、30両での回送となりました。
← 車いすマークの隣に貼付されるようになったベビーカーマーク


27年3月ダイヤ改正に先立ち、鎌倉車両センター配置車では、自動放送の内容が若干変更され、英語部分の駅名の発音が日本語調となったほか、行先表示器の内容も改正に対応したものに順次変更されていきました。
また、このダイヤ改正でE217系は東海道線から撤退することとなり、国府津車両センター配置の30両は全て鎌倉車両センターに転じました。3月30日に最後となるF-02編成10両が入場し、湘南色のE217系の本線走行は約9年で見納めとなりました。

23年3月に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う電力不足対策として行っていた蛍光灯の間引きですが、3月下旬頃より順次間引いていた蛍光灯を戻し、4年ぶりに全ての蛍光灯が点灯するようになりました。これに伴い、節電中の案内シールも順次撤去されました。
27年3月14日ダイヤ改正

「上野東京ライン」開業。
 東海道線は東京駅での宇都宮線、高崎線との直通運転を開始、E217系は9年で東海道線から撤退。
・内房線では特急の建て替えで東京~館山の特別快速が平日のみ1往復新設。東京~木更津は15両、木更津~館山は4両で運転。
 (停車駅:東京、錦糸町、船橋、津田沼、千葉、蘇我、五井、木更津、君津、佐貫町、浜金谷、保田、岩井、富浦、館山)
・成田線では朝の通勤快速のうち1本が成田空港始発へ。
・鹿島線では特急あやめ廃止に伴うローカル運用立て替えで、鹿島神宮運用は間合いで鹿島神宮~佐原1往復追加。
 滞泊地は佐原から鹿島サッカースタジアムに変更、翌朝の上りの始発駅も佐原から鹿島神宮に変更。

【転属】30両(国府津→鎌倉30両) 横須賀総武快速線へ転用 ※うち15両は27年度の転属
編成番号 11号車
クハE217
10号車
サハE217
9号車
モハE217
8号車
モハE216
7号車
サハE217
6号車
サハE217
5号車
サロE217
4号車
サロE216
3号車
モハE217
2号車
モハE216
1号車
クハE216
転属月日
Y- 2 2 2 2 1002 2003 2004 2 2 2003 2003 2063 27. 5. 7
Y- 3 3 3 3 1003 2005 2006 3 3 2005 2005 2023 27. 3.11

編成番号 増4号車
クハE217
増3号車
モハE217
増2号車
モハE216
増1号車
クハE216
転属月日
Y-102 2002 2004 2004 1002 27. 4.21
Y-103 2003 2006 2006 1003 27. 3. 3



★27年度・全車両が鎌倉車セに集約

前年度末に鎌倉車両センター転配のため東京総合車両センターに入場したF-02、F-52編成は、それぞれ新年度になってから出場し、鎌倉車両センターへ回送されました。これにより、国府津車両センターではE217系の配置がなくなり、鎌倉車両センターでは基本51本、付属46本の体制となり、E217系は新製完了後初めて745両全車が同一の車両センター配置となりました。
今回の改正に伴って戻ったクハE217-2、3、クハE216-1002、1003については、東海道線転用時に取り付けられていた自動解結装置、電気連結器はそのままとなっています。
東海道線での活躍は約9年間でしたが、その間には一時期横須賀総武快速線に戻ったことがある車両も存在したり、基本付属各1本のみという時期もあったりするなど、複雑な転配属がありました。
編成番号
(鎌倉)
編成番号
(国府津)
東海道線での活躍時期
Y-1+Y-101 F-01+F-51 18年3月頃~22年4月頃
Y-2+Y-102 F-02+F-52 18年4月頃~20年1月頃・24年12月頃~27年3月頃
Y-3+Y-103 F-03+F-53 18年3月頃~27年2月頃

5月中旬頃より、首都圏の各車両のドア窓に貼付されている案内シール(車外側は駆け込み乗車の注意喚起、車内側は広告)の仕様が若干変更され、正方形状から長方形状になりました。また、外貼りとなっていたものが内貼りとなり、貼付位置についても若干高い位置となりました。
また、正確な時期は不明ですが、27年の夏頃より、車内のドアに号車や位置を知らせる点字付きのシールが貼付されるようになりました。これは、13年7月に山手線から導入が始まったものであり、車内向かって左側のドアに、号車番号とドア番号が文字および点字で表示されているものです。当初は号車番号、ドア番号のみを表示していましたが、現在は下部に「点字・表示を必要としているお客さまがいますので、大切にあつかいましょう」との注意書きが入ったタイプに代わりつつあり、E217系ではこのタイプのものが貼付されています。ドア番号は業務上のものとは異なり、基本1号車または増結1号車側から順に、両側とも1番~4番と付番されています。


↑ 仕様と貼付方法が変更されたドア窓のシール / ドア内側に貼付されるようになった番号表示(このドアの業務上のドア番号は6B)

近い将来、総武快速線新小岩駅にホームドアを設置する計画があり、7月1~3日の深夜に東京~津田沼間で試運転が実施され、Y-46編成とY-132編成が使用されました。

27年9月6日21時30分頃、千葉市中央区付近で竜巻とみられる突風が発生、蘇我駅付近を走行していた外房線5158F列車(Y-111編成+Y-46編成)が巻き込まれ、増2号車モハE216-2022の窓ガラスが多数割れる被害(負傷者なし)が発生しました。


27年10月1日より、首都圏の鉄道各社で優先席付近での携帯電話のルールが変更され、混雑時のみ電源を切るように統一されました。このため、優先席の案内表示ステッカーのデザインも変更され、横須賀総武快速線のE217系では、首都圏の他線区に比べて比較的遅く12月10日頃より順次貼り替えが開始され、27年度末頃から28年度初め頃の間に完了しました。また、これに合わせて、自動放送のマナー放送文も順次変更されていきました。







新しくなった優先席の案内表示 →





★28年度・特別快速廃止

29年3月ダイヤ改正では、内房線直通の特別快速が廃止されました。木更津での分割併合も見納めとなりました。
29年3月4日ダイヤ改正

・内房線に直通する特別快速を廃止。付属編成の内房線の運用範囲が館山から君津に縮小。

総武快速線新小岩駅では、30年度の完成を目指してホームドアの設置工事が開始されました。山手線とは異なりTASC設置が不要な開口幅2800mmのホームドアが設置される予定となっています。
3月頃より、総武快速線新小岩駅ホームドア設置計画に伴い、E217系の増4号車を除く乗務員室にホームドアの無線連携装置等、関連する機器を追加する工事が開始されました。
なお、30年3月6日には、44年度末を目標に首都圏の330駅にホームドアを整備する計画が発表されました。横須賀総武快速線では逗子~千葉の各駅が整備対象となっています。

← 乗務員室内に設置されたホームドア関連機器。助士側の床上と窓部分に大きめの装置が設置されています。




★29年度・エアポート成田の愛称が消える

正確な時期は不明ですが、12月頃より、LED蛍光灯を装着する車両が出現しました。非常時でも点灯する予備灯をLED型へ取り替えており、付属編成から順次施工されているようです。
← LED蛍光灯に交換された予備灯。左右の蛍光灯に比べてわずかに黄味が少ない感じがします。



インバウンド(外国人観光客の誘致)の推進の一環として、首都圏エリアの駅ナンバリング導入駅については、車内案内で駅ナンバリングの案内も行われるようになり、E217系においても30年2月中旬頃より自動放送と車内案内表示器で英語案内の際に駅ナンバリングが追加して案内されるようになりました。
自動放送では、次駅案内、および到着案内の際に、英語放送の駅名の後に「JO-**」と放送されます。行先駅名のナンバリング案内はありません。
車内案内表示器では、次駅案内の英語で駅ナンバリングが追加されるようになりました。駅到着時は漢字のみの固定表示、駅停車中は漢字のみの点滅表示でしたが、それぞれ漢字と駅ナンバリング付きの英語の交互表示になりました。
また、この更新に合わせ、「保土ヶ谷」の漢字表記がE231系と同様になり、3文字目が記号の「ヶ」からカタカナの「ケ」に変更されました。
この更新は比較的早く行われ、1ヶ月ほどで全編成で完了しました。

車内案内表示器での案内(上から次駅案内、到着案内、停車中案内) →




線路設備等の検査修繕は、これまでTBM(Time Based Maintenance)、一定周期の検査に基づいて行われていましたが、これをCBM(Condition Based Maintenance)、設備状態に応じて行う修繕体制へ変革させていくことを目的に、MUE-trainで線路設備モニタリング装置の試験が行われていました。2013年5月から2015年3月まで京浜東北線での本格的な試験が行われ、その後モデル線区として6線区で先行導入された後、各線区へ展開されるようになりました。
この一環で、横須賀総武快速線のE217系でも線路設備モニタリング装置が設置され、Y-50編成サハE217-50の床下に施工されました。
2月15日に4~7号車を抜いた7両で郡山総合車両センターへ配給され、3月14日に鎌倉車両センターへと配給されました。
3月28日より営業運転を開始しました。
← 線路設備モニタリング装置を床下に取り付けたサハE217-50



30年3月ダイヤ改正では、成田空港行きの快速につけられていた「エアポート成田」の愛称が廃止されました。
3年3月19日の成田線成田~成田空港間開業とほぼ同時期に登場し、当初は成田空港行き、成田空港発いずれにもつけられていましたが、14年12月1日ダイヤ改正をもって成田空港発についてはこの愛称が廃止され、今回のダイヤ改正で成田空港行きについても廃止されれることとなり、27年近い歴史に幕を閉じることとなりました。
3月に入るとドア上の停車駅案内図が更新され、エアポート成田の赤いラインのないものに取り替えられていきました。
30年3月17日ダイヤ改正

・成田空港行きの快速につけられていた「エアポート成田」の愛称を廃止。


★30年度・E217系の置き換え計画が発表される

26年度より従来車いすスペースとしていた部分を、ベビーカーを利用した人でも使いやすいようにするため、車内外にベビーカーマークを貼付するようになりましたが、山手線E235系登場の頃より、この部分の名称をフリースペースと改めるようになりました。
誰でも利用しやすいスペースであることを周知させる目的で、7月上旬頃より、この部分の床にフリースペースであることを示すピンク色のフィルムが貼付されるようになり、10月頃に全編成で完了しました。

← フリースペースを示すフィルムを床に貼付した車両(クハE216-1022)



8月頃より、新小岩駅でのホームドア使用開始を控えて、幕板下付近にドアコックの位置を示す逆三角形の標記を追加貼付するようになりました。また、11号車、基本1号車、付属1号車の乗務員室扉の車外窓下に青い逆三角形の停止位置確認目印の標記を、乗務員室内部にも同様の目的の赤い標記が貼付されるようになりました。こちらについても10月頃に全編成で完了しました。

9月1日、防災の日に合わせ、横浜支社が横須賀駅4番線で列車を使用した津波避難訓練を実施しました。Y-14編成が使用され、一般参加者1500名を無料招待して、大船~横須賀を往復する団体列車の形で運転されました。この訓練は、地震により駅間停車したところに津波警報が発表されたという想定で、横須賀駅のホームのない4番線に到着後、はしごを使用しない方法で1500人の乗客に降車してもらい、避難場所まで誘導していったん解散し、復路はまた大船駅まで戻るというものでした。
← 乗務員室扉の青い逆三角形の停止位置確認目印と、幕板下部の黒い逆三角形のドアコック標記



9月4日、定例社長会見にて、横須賀総武快速線で使用しているE217系の置き換え計画が発表されました。32年度以降、E235系を11両51本、4両46本の計745両新造し、E217系の置き換えが行われる予定となっています。
置き換えられたE217系が他線区に転用されるのか、そのまま廃車となるのかは、現段階では全く分かりません。



★参考文献など

当ページをご覧になられた方からご教示いただいた詳しい情報
JR東日本ホームページ
E217系の初期の運転に触れているホームページ、ブログ、近郊型電車について取り扱う掲示板
最近の出来事では、各種SNSによって発信された情報
個人的に通学~通勤で利用してきた中での観察記録

雑誌・書籍等
『鉄道ファン』1994年11月~12月号、1996年2月号、2002年5月号
『鉄道ジャーナル』2015年8月~9月号
『鉄道ピクトリアル』2001年3月号
『鉄道ダイヤ情報』各号
『Rail Magazine』1994年12月号
『JR電車編成表』'95年冬号~
『JTB時刻表』1994年12月号~
『E231/E233 Hyper Detail』
交通新聞
ほか

さまざまなものを参考にさせていただきました。ありがとうございました。