HW(前編)

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数日前、失業保険の手続きのためにハローワークへ行ってきた。

 

しばらく働いたあと無職になったとき、

受け取ることができる失業保険の正式な名前は、求職者給付金だ。

 

働いているあいだ、雇用保険という保険に掛け金を支払い、失業したときに

求職者給付金という保険金をもらえるという仕組みだ。

 

その仕組は雇用保険法という法律によって定められていて、

昔は失業保険法という名前だったので、今でも失業保険と呼ぶ人は多い。

 

5人以上の常用労働者のいる会社では基本的に必ず加入しなければいけないので、

普通に仕事をしていれば誰でも加入していることになる。

少額ながら掛け金も毎月天引きされているはずだ。

 

健康保険料や厚生年金保険料は会社と半分ずつ支払っているが、

雇用保険料の場合は会社のほうが多めに払ってくれている。

ちなみに労災保険料は会社のための保険なので会社が全額支払う。

 

働く時間や日数が少ない人はこういった保険に入る必要はないが、

アルバイトでもフルタイムで働く場合は加入が必須だ。

しかし、実際はそうなっていないことが多い。

僕もアルバイトで每日12時間以上、週5日以上働いていたことがあるが、

こういった保険には会社は一切加入してくれていなかった。

 

労働者の給料から天引するだけならいいが、会社が半分(以上)払わないといけないので、

アルバイトは加入させないほうが会社としては得なのだ。

 

労働基準法も同じ。アルバイトにも適用されるので、アルバイトにも有給休暇は発生する。

これも、会社が損する制度なのでアルバイトには使わせないことが多い。

身に覚えのある人も少なくないだろう。

 

法律違反だから通報します、訴えます。それは簡単だが、労働者側が得られるものは

ほとんどなにもない。時間とお金を無駄にするだけだ。

会社側は絶対的強者、雇われる側は弱者であり、その関係性は覆らない。

 

僕が長年正社員にこだわっていた理由はここにある。非正規は現代の奴隷だ。

 

ここまでは余談。今はもう、残業が少なくて週2日休めるなら非正規でも何でもいい。

 

冒頭に書いたように、失業した場合は求職者給付金という保険給付をもらうことになる。

「求職者」給付金なので、仕事を一生懸命探している人だけがもらえる給付だ。

 

長年頑張ったから1年ぐらいは仕事探さずに遊んで過ごすか。

 という人はもちろん、

なかなかいい仕事に就けないから、1年くらい勉強するか。

 という人も、

仕事探すのは休止して親の介護しなきゃ。

 とか、

ちょっと育児が忙しいからもうしばらくしてから仕事探そう。

 という人も一切もらう権利がないのだ。

 

もちろん平行して仕事を探していれば、受給する資格はある。

とはいえ、厳しい制度だ。

労働法にしろ保険法にしろ戦後に作られてバブル期に整えられた法律なので、

時代に合っていない部分は多い。

 

前置きが長くなったが、

そこで僕は、仕事を探していますという登録をするためにハローワークへ行ってきた。

 

(続く)