点差以上の完敗だった。浦和が放ったシュートは前半21分、左CKを相手がクリアしたボールを長沢が右足ボレーで枠外に外した1本だけ。川崎は12本。「シュート何本? 1本? その辺に(敗因は)表れている。守備の時間が長すぎて、うまく攻撃に転じられなかった。守ってばかりでは勝てない」と槙野。“花相撲”要素もある大会ながら、負けは負け。淡々と試合を振り返る中に悔しさをにじませた。
攻撃のタクトを振るう柏木が完全に封じられた。「個人的に自分が駄目だった。相手(の寄せ)が速くて、自分のプレーが遅く感じるくらいだった」と背番号10。中盤でボールを受けても、川崎の守田らが群がりすぐに刈り取られる。パスを出すどころか前すら向けない。まるで浦和が数的不利にあるような状態で、興梠、杉本ら最前線の選手も孤立気味だった。
ただ、リーグ戦の開幕は1週間後。修正する時間はまだある。槙野は「自分たちのやるべきことが整理されたという点では意味がある敗戦だった」と前を向く。オリベイラ監督も「(開幕後には)今日よりもいい試合ができると確信している」と何度も強調した。 (内田修一)