【プロ野球】輝星、ほろ苦デビュー… 紅白戦で大田が激励の一発2019年2月17日 紙面から
日本ハムのドラフト1位・吉田輝星投手(18)=金足農=が16日、紅白戦(国頭)で実戦デビューした。白組の先発として1イニングを1安打1失点、2四球。大田に本塁打を浴びたが、最速146キロをマークするなど大器の片りんをみせた。 最後の1球に吉田輝星という投手が詰まっていた。2死二、三塁で鶴岡。29球目だった。カウント2-2から、指にしっかり掛かった145キロ直球が低めに伸びる。バットは空を切り、プロ初登板を締めた。「このキャンプで一番良い球。最後のボールをいつでも投げられる準備をしたい。強さはもっと上げられる」と振り返った。 そこに至るまでに洗礼も受けた。先頭の西川を142キロ直球で二ゴロに仕留め、続く大田。1ストライクからこの日最速の146キロがボールとなり、カウント1-1の3球目。「遠慮もあって少し甘かった。厳しくいかないと」。直球を振り抜かれ打球はバックスクリーン右へ。プロ初被弾となった。その後も2四球を出すなどピンチを招き「厳しいところを攻めた結果だけど、その『あとちょっと』をブルペンで直していきたい」と課題も口にした。 昨夏の甲子園の決勝戦と同じ柿木(大阪桐蔭高)との投げ合い。吉田輝が投げ終えた後、マウンドに上がった柿木は3者凡退。「ロッカーで休憩していたら、もう後ろに柿木がいたので、早いなあと」と苦笑い。それでも清宮との新旧ドラ1対決は初球の144キロ直球で二ゴロに抑え、球場にあふれ返った2000人の観客を沸かせた。 「思ってたよりも通用した。真っすぐについてはバッターに圧倒されたわけじゃないので少し自信が持てました。自己採点は50点よりは上ですかね」。これからもっと良くなる-。その予感しかない。 (土屋善文) ▽日本ハム・栗山監督(吉田輝の投球について)「まだバラバラなところもあるけれど、タイミングがあえば本当に良い球が来るし非常に楽しみ。変にまとまるよりも荒れている方が楽しみだなと。今日だけかもしれないけど、褒めるのは。これから一生褒めないかもしれないけど持っているものの大きさは感じられた」 ▽清宮(吉田輝と対戦、二ゴロ)「堂々としているなと思いました。ベンチの中でも良い球投げるな、とみんなで言っていた。1球だったけど楽しかった」 ▽石川亮(吉田輝とバッテリーを組んで)「スピードガン以上に感じた。真っすぐが強いし高卒新人のボールじゃない」
◆大田「重圧乗り越えて」日本ハムの大田泰示外野手(28)が、吉田輝に激励の一振りをみせた。144キロを本塁打に仕立て「ちゃんととらえることができて良かった」と納得の表情を浮かべた。 吉田輝について「投げっぷりも良い。日本を代表するピッチャーになってほしい」と大きな期待を口にした。自身もルーキー時代、巨人のドラフト1位として大きなプレッシャーにさらされながらの船出だった。それだけに「注目されている選手だからメディアもファンの数も違うし、結果を出さなきゃというプレッシャーもあると思う。それとうまくつきあって、乗り越えていけば必ず愛される選手になれると思う」とエールを送った。 (土屋善文)
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