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【首都スポ】

[女子ラグビー]白熱!関東のラ組女子・高校の部 初の15人制にトライ

2019年2月16日 紙面から

女子関東大会高校の部でMVPを受賞した北関東Aの秋田若菜(右)と北関東Bの但木海咲=3日、熊谷ラグビー場で(すべて大友信彦撮影)

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 女子ラグビーの第29回関東大会が佳境に入った。高校の部は初めて15人制で実施され、3日に5チームによる交流戦が行われた。シニアの部は4節を終えて日体大が3戦全勝で1試合を残して優勝を決めた。最終節の17日、全勝優勝をかけて流通経大グレースと対戦する。Sweetsとアルカス八戸アルテミスターズは3月3日の全国選手権3~6位決定戦切符をかけた対決となる。春に向けてラ組女子の戦いが熱い!! (取材・文=大友信彦)

 首都圏のラガーJK(女子高生)が3日、熊谷に集結した。熊谷ラグビー場で行われた第29回女子ラグビー関東大会第4節は、高校の部を併催。昨年まで7人制で行われていたのを、今年は15人制に変更した。

 「15人制の経験値を高めるのが目的です。15人制はポジションが多いので、新たな才能を発見できる面もある」と話すのは、関東協会女子委員長の坂本優さん。7人制は3月にワールドユース予選を兼ねたルーパスルーヴ杯、9月にU18全国女子セブンズの関東予選という全国切符に連なる大会が行われるほか、1月の横浜市セブンズ、8月のオッペン杯など複数の大会が行われている。一方で、15人制は12月の花園での東西対抗と7月のコベルコ杯だけ。8人で組むスクラムやキックを使ったアタックなど、15人制のスキルを磨く機会は圧倒的に少ない。

 かくして初開催された15人制高校の部。首都圏1都7県から94人のラ組女子がスパイクとヘッドキャップを携えて集まった。

 「15人制の試合をするのは初めてでした」と笑みを浮かべたのは、北関東対南関東の混成チーム同士で行われた「初心者の部」でMVPを受賞した但木海咲(たじき・みさき=土浦一高1年=北関東B)だ。小1から石岡ラグビースクール(RS)に通い、中学では水戸RS、ひたちRSで練習。高校でもラグビー部に入部したが、女子部員は1人。男子を入れても5人という。8人でスクラムを組んだのは「合同練習で2回だけ。自分では良いプレーはできなかった」というが、ボールに絡む姿勢、ディフェンスの積極性が評価された。「将来、大学で続けるかどうかはまだ迷っている」というが、この受賞がモチベーションを高めるか?

 一方、経験者の部は3チーム。栃木、群馬の全県チーム勢に埼玉の選手が加わった「北関東A」。横河武蔵野アルテミスターズ、千葉ペガサスの選手が加わった東京都府中市が拠点のブレイブルーブ。神奈川県の関東学院六浦高には同県内他校の選手も加わった。この3チームの総当たり戦を実施した。

 この試合で大活躍、MVPを受賞したのは秋田若菜(栃木・佐野高1年)だ。小5のときに足利RSに通い始め、佐野高付属中でもラグビー部で男子とともに練習してきた。「7人制ではどのポジションもやります。最近はSOが多いです」と話すが、15人制では昨年12月の花園U18東西対抗でもFWのロックで出場。この試合でもラインアウトのキャッチ、踏み込んだタックル、相手キックへの果敢なチャージとフルタイムで活躍。「オリンピックやW杯で世界と戦える選手になりたい」と目を輝かせた。

 今回は合同チームばかり、しかも複数のチームで参加した選手もいたこともあり、優勝チームを決めない交流試合として実施したが、女子選手が増えれば公式戦化もありそう。世界を目指すラ組女子たちのステージはますます広がっていく!

関東大会高校の部を戦ったJKラガーたち。5チームに分かれ、15分の交流試合を5試合実施。中には全試合出場の選手も!

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