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チョコレートで皮膚がかゆくなる? アトピー性皮膚炎と高カカオチョコの意外な関係

連載「現役皮膚科医がつづる “患者さんと一緒に考えたいこと、伝えたいこと”」

大塚篤司週刊朝日#ヘルス

大塚篤司/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員を経て2017年より京都大学医学部特定准教授。皮膚科専門医

大塚篤司/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員を経て2017年より京都大学医学部特定准教授。皮膚科専門医

チョコには多くのニッケルが含まれているため、金属アレルギーの方は食べすぎないように(写真:getty images)

チョコには多くのニッケルが含まれているため、金属アレルギーの方は食べすぎないように(写真:getty images)

 金属パッチテストで陽性が出た場合、チョコやコーヒーなどのニッケルを多く含有する嗜好品を1~2週間制限してみても良いでしょう。この期間に湿疹が改善するようなら、アトピー性皮膚炎の悪化の原因に金属アレルギーがあったことが推測されます。

 ただし、ひとつ気をつけなければならないことがあります。食べ物と病気の関連が話題になると過剰な食事制限をしてしまう方がいます。民間療法の間違った指導により、ほとんどの食材が食べられず成長障害をきたしたお子さんや栄養失調で死亡した事例もあります。アトピー性皮膚炎の治療のための食事制限は、現段階で科学的根拠が不十分であると付け加えておきたいと思います。

 バレンタインのこの時期、男女ともにチョコレートを食べる機会が増えることでしょう。チョコには多くのニッケルが含まれているため、金属アレルギーの方は食べすぎないように注意してください。

◯大塚篤司(おおつか・あつし)/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員を経て2017年より京都大学医学部特定准教授。皮膚科専門医。がん薬物治療認定医。がん・アレルギーのわかりやすい解説をモットーとし、コラムニストとして医師・患者間の橋渡し活動を行っている。Twitterは@otsukaman


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大塚篤司

大塚篤司(おおつか・あつし)/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員を経て2017年より京都大学医学部特定准教授。皮膚科専門医。がん薬物治療認定医。がん・アレルギーのわかりやすい解説をモットーとし、コラムニストとして医師・患者間の橋渡し活動を行っている。Twitterは@otsukaman

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