ただ、こういう時は、常に原文にあたってチェックすることが大切だ。今回の問題でも、私は韓国語ができるスタッフに文議長の発言音声をそのまま文字通りに訳してもらい、その上で韓国語のネイティブスピーカーにチェックしてもらった。すると、次のような訳になった。

 一言でいいんです。日本を代表する首相とか…私は日本を代表する王(天皇陛下)がいいと思います。彼は間もなく退任するといいますし。彼は戦争犯罪の主犯の息子さんですし。だから、そんなおじさんが一度、(元慰安婦の)おばあさんの手を握って『本当にすまなかった』と言えば、その一言でちょうど解き放たれるのです。(訳:西川こまつ)


 各メディアは、天皇を指す言葉として、文議長が「彼」「その方」などを使ったように報じているが、実は一度「両班(ヤンバン)」という言葉を用いている。両班とは、前近代朝鮮の貴族階級を指す言葉だが、現代の韓国語ではスラング(俗語)になっている。

 この場合「おじさん」と訳されるが、敬意を省いた意味であり、韓国社会では年長者や上位者には絶対に使ってはいけない表現なのである。ましてや、外国の元首に使用するなどあり得ない。

 文議長はこういう言葉をわざと天皇陛下に用いることで、さらに侮辱したのである。このあくどさは想像を絶する。

 それでも、こういう局面で日本側が「無礼だ」「遺憾だ」「撤回して謝罪しろ」などと、ただ騒いでも意味はない。日本政府がいい加減に気付かなくてはならないのは、そもそも韓国人を彼らが大好きな「被害者ポジション」に就かせてはならない、ということである。
※写真はイメージです(ゲッティイメージズ)
※写真はイメージです(ゲッティイメージズ)
 韓国人は日本の被害者ではない。特に、慰安婦問題に関しては間違いなく加害者だ。「韓国人=被害者」という偽りの前提で彼らに接してはいけない。

 日本の施政下で、大勢の朝鮮人男性が旧帝国陸軍に入ろうと入隊試験に殺到し、倍率は10倍をはるかに超えたという記録が残っている。そして最終的には、24万人強の朝鮮軍人と軍属が日本軍に所属していた。もちろん、彼らも慰安所を利用していたのである。

 荒唐無稽な韓流(はんりゅう)プロパガンダ映画である『軍艦島』にも、朝鮮人のヤクザの親分が客として朝鮮人慰安婦の元を訪れるシーンがある。端島(軍艦島)には朝鮮人向けの遊郭があった。ということは、朝鮮人労働者は遊郭で遊べる給与を得ていたわけだ。

 つまり、朝鮮人は客としての利用はもとより、慰安所をビジネスチャンスと捉えて女衒(ぜげん)として女性の売買を行い、慰安所経営にも乗り出していたのである。これを裏付けるような証言も、米国立公文書館には残っている。先の大戦末期の1945年4月、米軍に捕らえられた朝鮮人捕虜の尋問調書である。原文のまま紹介したい。