漫画家の赤松健さんと、IT関連の法律に詳しい弁護士の深澤諭史さんは、2月14日に放送されたインターネットテレビ局「AbemaTV」の番組内で、ネットで話題になっている「違法ダウンロードの対象拡大」の問題について解説した。
違法にアップロードされたことを知りながら、インターネット上にあるコンテンツをダウンロードする行為について、その範囲を漫画や論文など著作物一般へ広げる政府方針を受け、ネット上では「SNSの画像をスクリーンショットするとダメなのか」「Twitterのアニメアイコンはダメなのか」「二次創作のイラストや漫画は違法になるのか」など、混乱が広がっていた。
これまで、著作権を侵害する違法なコンテンツをアップロードする行為や、違法にアップロードされたことを知りながら、動画や音声ファイルをダウンロードする行為は、違法とされていた。現在検討されている著作権法の改正案では、動画や音声ファイルに加えて、漫画、雑誌、写真、小説、ブログ、論文などあらゆるネットコンテンツにその対象を拡大する。公式サイトで配信されたイラストや写真などは対象外だ。
私たちが普段ネット上で何げなく行っていることは今後違法になってしまうのか。さまざまな疑問に深澤さんが答えた。
ソーシャルゲームのガチャで当たったキャラクターの画像をスクショしてSNSで公開、その画像を第三者がダウンロードするという行為についてはどうか。
最初の「キャラクター画像をスクショして自分のスマートフォンに画像を保存する行為」は問題ないが、その画像をSNSで公開する行為は「ケースバイケース」(深澤さん)だという。「ゲーム画面も著作物なので、そうした利用を開発業者が許していればOK、許していなければアウト」(深澤さん)
アップロードの時点で「アウト」とされたものは、ダウンロードする際に「違法なものと知りながら」ダウンロードした場合に違法とされる可能性がある。
Kindleのような合法サイトで配信されている電子書籍のスクリーンショットを撮影するのは「問題ない」という。もちろん、違法にアップロードされたコンテンツの場合は違法となる。
なるべくユーザーにスクショさせないような仕組みを導入している電子書籍サービスのスクショについても、深澤さんは「適法」と指摘する。「法律上はデータそのものにコピープロテクトの仕組みがなければいけない。漫画の紙やデータそのものにはコピーガードの仕組みはないので適法になる。ただし、利用規約でその行為を禁止している場合は契約違反になるため、契約を切ったり損害賠償を請求したりできる」(深澤さん)
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