不良現象 | | 原因 | 対策 |
シルバーストリーク | 成形条件 | - シリンダー温度が高い
- ノズル温度が高い
- 射出速度が速い
- 可塑化工程で空気の巻き込みがある
- 成形サイクルが長く、シリンダー内での樹脂の滞留が長い
| - シリンダー温度を下げる
- ノズル温度を下げる
- 射出速度をおそくする
- スクリュー回転数を下げる 背圧をかける(10-20Kgf/cm2)
ホッパー側のシリンダー温度を高くする - 可能な限りシリンダー温度を下げる
容量の小さい射出成形機で成形する |
金型 | - 金型のガス抜きが不充分
| - 金型にガス抜きをつける
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製品設計 | - ゲートが小さいため摩擦発熱がある
| - ゲートを大きくする
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樹脂 | - 材料の粒形が小さい
- 材料中の水分率が高い
| - 粒状の小さな材料(特に粉砕品)を混入しない
- 材料の予備乾燥を充分に行う(0.1%以下にする)
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フローマーク | 成形条件 | - 金型温度が低い
- 成形温度が低い
- 射出速度がおそい
| - 金型温度を高くする
- シリンダー温度を高くする
- 射出速度をはやくする
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製品設計 | - ゲート数が少ない
- ゲートが小さい
- ランナーが小さい
| - ゲート数を増やす
- ゲートを大きくする
- ランナーを大きくする
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樹脂 | - 流動性が足りない(グレード選定の不適)
| - 流動性の良いグレードを使用する
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ヒケ | 成形条件 | - 成形温度が高い
- 金型温度の高すぎ又は低すぎ
- 射出・保持圧力が低い
- 射出・保持時間が短い
- 冷却時間が不足している
- クッションがない
| - シリンダー温度を下げる
- 金型温度を適正にする
- 射出・保持圧力を上げる
- 射出・保持時間を長くする
- 冷却時間を充分とる
- クッションを5-10mmとる
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製品設計 | - ランナー、ゲートが小さい
- ゲート位置の不良
| - ランナー、ゲートを大きくする
- 内厚に変化のある成型品の場合、ゲートを肉厚部につける
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成形機 | - 逆流防止がなされていない
| - 逆流防止機構をつける
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そり | 成形機 | - 射出圧力が低く、射出速度がおそい
- 射出・保圧時間が短い
- 冷却時間が短い
- 矯正治具を用いていない
- コア、キャビティの金型温度格差が大
| - 射出圧力を高く、射出速度を早くする
- 射出・保圧時間を長くする
- 冷却時間を長くする
- 射出成形後、治具を用いて変形を防止する
- 金型温調機で、コア、キャビティを別個に制御する
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金型 | - 成型品の突き出しがアンバランス
- ノックアウトピンの面積が小さい
- 離型が悪い
| - 突き出しのバランスをとる
- ノックアウトピンの面積を大きくする
- テーパーを充分とる。離型剤を塗布する。
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製品設計 | - ゲート位置の不良
- 成型品の肉厚変動が大きい
- 広い成形面積にゲートが1ケしかない
| - ゲート位置を変更
- 成型品の肉厚が均一になるように設計変更する
- 多点ゲートを設ける
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ショート ショット | 成形条件 | - 成形温度が低い
- 金型温度が低い
- 射出速度がおそい
- 射出圧力が低い
- クッションがゼロ(樹脂供給が不足)
| - シリンダー温度を上げる
- 金型温度を上げる
- 射出速度を速くする
- 射出圧力を上げる
- クッションをとる(5-10mm)
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製品設計 | - スプルー、ランナー、ゲートの断面積が小さい
| - スプルー、ランナー、ゲートの断面積を大きくする
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樹脂 | - 樹脂の流動性不足(グレード選定の不適)
| - 良流動性のグレードに変える
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クレイズ・クラック | 成形条件 | - 金型温度が低い
- 射出速度がはやい
- 射出・保持圧力が高い
- 型締圧力が不足
- 冷却時間が短い
- 樹脂のオーバーパッキング
| - 金型温度を上げる
- 射出速度をおそくする
- 射出・保持圧力を下げる
- 型締圧力を充分とる
- 冷却時間を長くする
- オーバーパッキングしない
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金型 | - 離型不良
| - テーパーを充分とる。離型剤を塗布する。
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ばり | 成形条件 | - シリンダー温度が高い
- 射出速度がはやい
- 射出、保持圧力が高い
- 型締圧力が不足
- 樹脂のフィード量が多い
| - シリンダー温度を下げる
- 射出速度をおそくする
- 射出、保持圧力を下げる
- 型締圧力を上げる
- フィード量を適正にする(クッション量5mm程度にする)
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金型 | - 金型の合わせ面が平滑でない
| - 金型を修正する
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樹脂 | - 樹脂の流動性が良すぎる
| - 樹脂グレードを変更する
(流動性の良さを下げる適切なグレードの選定) |
色調不良 | 成形条件 | - シリンダー温度が高い
- スクリュー回転数が大きい
- 背圧をかけていない
- 樹脂のシリンダー滞留時間が長い
| - シリンダー温度を下げる
- スクリュー回転数を下げる
- 背圧をかける(10_20Kgf/cm2)
- できる限り滞留時間を短くしシリンダー温度を下げる
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成形機 | - シリンダー、またはノズルに樹脂が滞留する部分がある
| - 滞留のない構造にする
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管理 | - 樹脂ペレットを乾燥する際、乾燥空気によって汚染されている
| - 乾燥機の空気吸込口にフィルターを設ける
(フィルターとしてはガーゼ、発泡ウレタンなどがよい) |
光沢不良 | 成形条件 | - 成形温度が低い
- 金型温度が低い
- ガスの発生
- 射出速度がおそい
- 射出、保持圧力が低い
- 樹脂の充量不足
| - シリンダー温度を上げる
- 金型温度を上げる
- シリンダー温度を下げる。背圧をかける(10-20Kgf/cm2)
- 射出速度をはやくする
- 射出、圧力を上げる
- 樹脂の充填量を調節する
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金型 | - 金型のガス抜きが悪い
| - 金型のガス抜きを充分とる
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管理 | - キャビティ面へのオイル・離型材の付着
- キャビティ面に錆がついたり傷がついたりしている
| - キャビティ面のクリーニング、離型剤使用量の削減
- キャビティ面を磨き、メッキをかける
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| 成形条件 | - シリンダー温度が高い
- 可塑化工程でのエアの巻き込み
- 射出圧力・射出速度が大きい
- 滞留時間が長い
| - シリンダー温度を下げる
- スクリュー回転数を下げる 背圧をかける(10-20Kgf/cm2)
- 射出圧力・射出速度を小さくする または、ゲートを大きくする
- シリンダー温度を下げる。
成形サイクルを短くする容量の小さな射出成形機で成形する |
金型 | - 金型のガス抜きが悪い
| - 金型にガス抜きをつける
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製品設計 | - ゲート位置が不良
- ゲートが小さいため摩擦発熱がある
| - ゲート位置を変更する
(ウェルドがパーティングの方に集まるように) - ゲートサイズを大きくする
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成形機 | - シリンダーまたはノズルに樹脂が滞留する部分がある
| - 滞留のない構造にする
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気泡 | 成形条件 | - 成形温度が高い
- 金型温度が低い
(厚肉中心部の冷却に伴う体積収縮) - 可塑化工程での空気の巻き込み
- 射出・保圧時間が短い
- 射出・保持圧力が低い
- クッションがない
| - シリンダー温度を下げる
- 金型温度を上げる
- スクリュー回転数を下げる 背圧をかける(10-20Kgf/cm2)
ホッパー側のシリンダー温度を高くする - 射出・保圧時間は少なくともゲートシール時間以上とる
- 射出・保持圧力を高くする
- クッションをゲートシール時で5-10mmに設定する
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製品設計 | - ランナー、ゲートが小さい
(体積収縮に見合う樹脂が充填されない) | - ランナー、ゲートを大きくする
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成形機 | - 逆流防止がされていない
- ノズル径が小さい。又は、ノズル平行部ランドが長い
(射出圧力損失が大きい) | - 逆流防止装置をつける
- ノズル開口部の径を大きくし、ノズルランドを短くする(約15mm)。
ノズル径は2-3mm |
ウェルドライン | 成形条件 | - シリンダー温度が低い(樹脂温度が低い)
- 金型温度が低い
- 射出速度が遅い
| - シリンダー温度を高くする
- 金型温度を高くする
- 射出速度を早くする
(分流した樹脂が合流して融着するときの温度を高くする) |
製品設計 | - ゲート位置の不良
- スプルー、ランナー、ゲートでの流動抵抗が大きい
| - ウェルドがパーティングの位置にくるようゲート位置を変更する
- スプルー、ランナー、ゲートの断面積を増すか、スプルー、ランナーを短くする
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金型 | - 金型のガス抜きが不充分
| - 金型にガス抜きをつける
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