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【社会】世田谷 養護施設虐待 少女「痛いも言えず」
東京都世田谷区の社会福祉法人が運営する児童養護施設のグループホームで起きた虐待問題で、四十代の女性職員から暴言を受けていた入所中の十代の少女が「痛いというのも言えない」などと関係者に訴えていたことが分かった。この職員はホームの責任者だったことも判明。少女が被害を言い出しにくい環境だったとみられる。 少女への虐待通告は昨年五月、都の児童相談所などに寄せられた。通告前、少女は関係者に虐待の被害を「言わないでおいて。あんまり言ってると怒られちゃう」「言ったら精神的に殺される」とも告白。都は現在、こうしたやりとりを把握しているもようだ。 寮によると、少女は同月、ホームの責任者だったこの職員に付き添われて児童相談所を訪問し、聞き取り調査を受けた。通告を受け職員は六月に別の施設に移った。 都は九月、「ブス」などの暴言を心理的な虐待と認定したが、暴力は確認できないとした。 その後、少女への暴力もあったという別の通告が寄せられ、都は再調査を開始。少女は最初の聞き取りで、十分に被害を訴えられなかった可能性がある。 寮の飯田政人施設長は十四日、都の調査結果を基に「暴言は二〇一六年か一七年ごろから続いていたのではないか」と報道陣に説明した。 昨年五月まで長期間、虐待を把握できなかったとして「暴言はほかの職員のいないところで行われており、気がつくことができなかった。子どもたちに申し訳ない」と陳謝した。 (岡本太、石原真樹)
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