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2019-02-13

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

「おちつけ」ということばを、近くに置いておく。

 このことは、10年以上も前から考えていた。
 馬具の店の看板が価値あるものの印になったり、
 耳の大きなネズミの画が人気者になったり、
 映画のタイトルを身につけることがうれしかったり、
 スポーツチームの名前が誇りある飾りになる時代に、
 ある「ことば」がそういうものの仲間入りすることは、
 きっとあるはずだと思っていた。
 ただ、その話を聞いた人たちは、みんな口々に、
 「おもしろいね」「いいね」と言うのだけれど、
 ぼくがほんとにするとは思ってはいなかったようだった。

 新しい人気キャラクターを創作するのと同じように、
 ある「ことば」を「いいもの・好きなもの」として、
 身近なところに持っていようよという企画には、
 おそらくいくつか通らなければならない道がある。
 そこは丁寧に慎重に歩まねばならない。
 「おちつけ」のチームは、この企画に懐疑的にならずに、
 「できたらおもしろいぞ、やろうやろう」と子どもっぽく
 仕事を進めるような人たちが揃っててくれた。
 「おちつけ」ということばは、だれのものでもないが、
 とにかく『さんまのまんま』に挨拶をいれた。
 相手も多少困惑したかもしれないが、さんまさんや、
 番組関係者の方々に黙ってこの企画を進めたくなかった。 
 もうひとつ。出来合いの文字では、様にならない。
 どういう書をだれが書くのか、これも難問だった。
 持っている人がうれしい気持ちでいてくれないとなぁ。
 お手軽なジョークグッズになってしまうのは困る。
 冗談にしても、本気に裏打ちされてないとつまらない。
 勇気を出して(ある意味、とても怖い)石川九楊さんに、
 書をお願いしてみたことは、ほんとうによかったと思う。
 ずいぶん芸のない言い方になってしまうけれど、
 ここで、書いてある文字に「こころ」が入ったのだ。
 ここんところ、重要なんだよなぁ、なんにつけても。
 いや、その、「ほぼ日」って、こういう企画も、
 ほんとに実現するところまで持っていけるから、
 いいんだよなぁって、いまさらながら思ってね。
 これだって、「市場の創造」のひとつの道だからねー。
 休んでたら、このことがずいぶんうれしくなっちゃった。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
解熱したけど外にでられないので、家でおちついてます。


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