特別編・幸せって何だろう?

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scene 01 “幸せ”について語り合う

scene 01 “幸せ”について語り合う

『オン・マイ・ウェイ!』のナビゲーターを務めるmiwaさん。この番組でいろいろな人の人生を見つめるなかで、ずっと考えてきたことがあります。それは、『幸せって何だろう?』。そのテーマを、今回は競泳選手の萩野公介(はぎの・こうすけ)さんといっしょに考えます。2016年のリオデジャネイロ・オリンピック。そこで萩野さんは世界の頂点(ちょうてん)を極めました。おさないころからいだいてきた夢をかなえたのです。二人のトップランナーは、“幸せ”についてどんなことを語り合うのでしょうか。

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scene 02 自分以上に人が喜んでくれているとき

今回、二人には、幸せについていくつかの質問を用意しました。まずは、『どんなときに“幸せ”を感じますか?』。萩野「水泳をすごく好きだなぁと思う瞬間(しゅんかん)って、そうないんですよ。練習はほんとにしんどいし。だけど、試合でいいタイムが出ると、その結果でぼく以上に喜んでくれる人がたくさんいる。そういう人を見ていると、がんばってよかったなって思う」。miwa「ご両親も応援(おうえん)してくれて、喜んでくれますか」。萩野「そうですね。ぼく以上に本気(笑)。自分以上に人が喜んでるときってないですか。自分がいちばん喜んでるときってあんまりないと思うんですよね」。

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scene 03 まわりの人の喜びが自分の幸せ

miwa「そうですね、確かに。(2016年の)紅白(こうはく)歌合戦のときがほんとにそうだなって思って。もちろんわたしもあこがれの舞台(ぶたい)だし、小さいときから毎年、祖母とか両親とか、家族で見てた番組であこがれてたけど、自分以上に親戚(しんせき)とか祖母とか両親がすごく喜んでくれて、『今年も楽しみだね』って言ってくれるって、すごくうれしいなぁ、幸せだなぁって」。――miwaさんも萩野さんも、だれかの喜びが、自分の幸せになっているんですね。

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scene 04 一人じゃ生きていけない

リオ・オリンピックの前年、萩野さんは右ひじを骨折(こっせつ)してしまいました。どうにもならないピンチの中で、萩野さんはある“幸せ”に気づいたといいます。萩野「右ひじを骨折してギプスで固定して、そうなるとまず一人でお風呂(ふろ)に入れなくなったんです。背中(せなか)をあらいたくても左手だけじゃ左側しかあらえない。家に帰ったときは父親に、「お父さん、背中あらって」と、22歳(さい)にもなって背中をごしごししてもらうということをやっていると、ほんとにぼく一人じゃ全然生きていけないなと思って…。ご飯を食べるときも左手ではしを持つのもすごく大変だし」。

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scene 05 当たり前のことの“ありがたみ”

miwa「当たり前になっていたことの“ありがたみ”にあらためてめて気づいて…」。萩野「そういった人たちがいるから、次に進めたり、前に進むことができたりすると思うので、それは幸せに思わなくちゃいけないなと感じています」。――支えてくれた人たちへの感謝の気持ちが、金メダル獲得(かくとく)の原動力になっていたんですね。

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scene 06 幸せを未来に設定しない

続いての質問は、『どうしたら“幸せ”になれますか?』。miwa「たとえば、いつか武道館でライブをやるというのが目標だったんですけど、それを大学卒業のタイミングでできた。いざそれをかなえたときに、かなった日だけが幸せじゃないんだと気づいたんです。ずっとそこを追い求めてやってきたけど、いざかなえてみるとまた新しい目標が見つかる。かなった日だけが幸せじゃないのなら、幸せを未来に設定するのをやめようと思ったんですよね」。萩野「ぼくも、金メダルを目標にしてきたけど、それがゴールじゃない。もっとすごい選手になりたいと思った。今の話もなるほどなぁ、その通りだなぁと思いました」。

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scene 07 ロールケーキが人生だとすると

miwa「すごく長いロールケーキがあったとして、断面を切ったとき全部にクリームとかイチゴが入っててほしいじゃないですか。そのロールケーキが人生だとすると、どこを切ってもイチゴが入っててほしい。最後だけイチゴが入ってても、ずっと苦しいじゃないですか」。萩野「最後までたどりつけないと思います。次もイチゴがないんだったらもうやめようって」。miwa「今までのわたしは、ずっと先のほうにイチゴを用意して歩いてた。イチゴをいつかゲットできるから幸せになれると思って。そうじゃなくて、小さくてもいいから常にイチゴをならべておいてあげよう。それを見つけてあげるということなのかなと思う」。

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scene 08 小さな目標を毎日毎日達成していく

萩野「だから、幸せはあるっていうことですよね、ぼくたちのまわりに」。miwa「そう! 実は気づいてなくて」。萩野「実は気づいてないだけで、小さいイチゴをふんで歩いてる」。miwa「それに気づくためにやっていることってありますか?」。萩野「必ず毎日、小さな目標を作る。たとえば、50mを何秒で泳ぎたいと思ってそれをクリアしたら、ぼくにとってはものすごく大きな幸せ。だけど、その小さな目標を高いところに置いてしまうと、今日もだめだったなぁと気持ちが暗くなってしまう。だからどんな日でも、今日は外に映画(えいが)観にいこうとか、絶対に達成できる小さな目標を作って一日を終えるということをしています」。

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scene 09 幸せは人それぞれ

miwa「わたしもそう思えるようになって、より幸せになったというか、今という瞬間(しゅんかん)をすごく楽しく生きられるようになったと思います」。萩野「幸せって、人それぞれにあると思うので、“幸せって絶対これ”っていうものはないと思う。自分で小さな幸せを作り出していくということも可能なのかなと思いますね」。――小さな幸せを積み重ねることが、大きな夢の実現につながっていくのかも知れませんね。『幸せって何だろう?』。二人の話をヒントに、あなたなりの答えをさがしてみてください。