今年は違う。そんな雰囲気が、頼もしい背中からにじみ出る。また堂上が打った。6回の守備から途中出場したにもかかわらず3打数3安打1本塁打5打点の大暴れ。「結果は言うことないです」と声をはずませた。
まずは6回1死一、三塁だ。1ボールから左腕投手の外角への変化球に反応して中前適時打。7回1死二、三塁ではフルカウントから真ん中高めの直球を再び中前にはじき返し、2走者を迎え入れた。締めは8回2死一塁で巡ってきた第3打席。カウント1-1から内角寄りの速球を左翼奥の防球ネットまで飛ばした。
これで3、4日に行われた実戦形式の練習から7打席連続安打。沖縄に来て8打数7安打と絶好調だ。それでも、「第1クールよりはましになったけど、秋の方が状態がよかった。チェックすべきポイントは分かっているのでつなげていけたら」と貪欲だ。
好調を生む要因の一つは昨秋から取り組む新しい打撃フォームだ。バットのヘッドが寝ないようにするために生み出した堂上流“神主打法”。「打つまでの形を意識できています」と手応えも十分だ。
2016年には131試合に出場し、規定打席にも到達。だが、ここ2年は控えに甘んじる日々が続く。「いい選手がたくさんいる。結果を出し続けるしかない」。残した快音の数だけ、一度手放してしまった定位置が近づいてくる。 (長森謙介)