池田大作氏とロケッシュ・チャンドラ博士との対談集『東洋の哲学を語る』をめぐる討論会が8月7日、インド首都ニューデリーで開催された。
これは本年初頭、インドのエターナル・ガンジス社から出版された『東洋の哲学を語る』の英語版が大きな反響を呼び、読者からの強い要望を受けて実現したもの。
討論会会場は、インドの知性の殿堂と讃えられる「インディラ・ガンジー国立芸術センター」。
「インディラ・ガンジー国立芸術センター」を教えて下さい。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1030632740
投稿意図が見え透いているので、当然まともな回答は得られないが、質問者は宣揚記事を場所柄もわきまえず垂れ流すことだけが目的だから、それでもいいのだろう。上記の質問者あるいは同類創価員のこの手の「質問」は無数にある。
さて、今日はそんなお馬鹿さんを相手にしたいわけではない。
上記質問のネタ元である聖教記事は次のようなものである。(聖教ネット・ヘッドライン・バックナンバーサイトより引用)
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池田SGI(創価学会インタナショナル)会長と、仏教研究の世界的権威であるインド文化国際アカデミー理事長のロケッシュ・チャンドラ博士との対談集『東洋の哲学を語る』をめぐる討論会が7日、首都ニューデリーで開催された。
これは本年初頭、インドのエターナル・ガンジス社から出版された同書の英語版が大きな反響を呼び、読者からの強い要望を受けて実現したもの。
会場は、インドの知性の殿堂と讃えられる「インディラ・ガンジー国立芸術センター」。
討論会には、チャンドラ博士をはじめ、同センター副理事長のアディティ・メータ博士、デリー大学元教務部長のパンダ博士等が登壇。パラム・ラジュ国務担当防衛大臣、ヴァラダラジャン文化庁元事務次官など、各界を代表する知性150人が出席した。
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http://www.seikyoonline.jp/news/headline/2009/08/1186548_2374.html
聖教記事では主語がよく省かれる。「新聞」と自称しながら記事のイロハである5W1Hすらまともにできていないわけだが、上の記事も「読者からの強い要望を受けて実現したもの」とあるだけで、討論会の主催者が明記されていない。そのため、読者は池田-チャンドラ対談本がインドで反響を呼び、誰か(orどこかの機関)が自発的に討論会を開催したかのように誤解しそうだ。
で、これもどうせ聖教得意の印象操作、情報操作手法だろうと思いつつネ、ットで調べてみたところ、インドの文化イベントを紹介するサイトに興味深いページがあった。上記討論会の広告(招待状)だ。
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A panel discussion on Buddhism Value
Starts at: Fri, Aug 7, 2009 6:00 PM
Location: Indira Gandhi National Center for the Arts
Duration: 2 Hours
Category:
Indira Gandhi National Center for the Arts and Bharat SOka Gakkai cordially invite you to a panel discussion on Buddhism Values - A Way of A dialogue on valorisation across time and space. A dialogue between Dr. Daisaku Ikeda and Prof. Lokesh Chandra. Dr. Yogananda Shastri, Speaker, Delhi Vidhan Sabha will be the Chief Guest.
Aug. 7 at 6:00 p.m. at Indira Gandhi National Center for the Arts. No. 5 Dr. Rajendra Prasad Road (Entry from Man Singh Road)
http://fc.aes.ac.in/~wapel/FOV1-00018DB4/FAV1-000185A6/S004EF61B-004EF948?Plugin=Loft&VF=158&VD=20090810
(拙訳)
パネルディスカッション「仏教の意義」
日時:2009年8月7日(金)午後6時~
場所:インディラ・ガンジー国立芸術センター
時間:2時間
カテゴリー:
インディラ・ガンジー国立芸術センターとインド創価学会は、パネル・ディスカッション「仏教の意義----池田大作博士&チャンドラ博士の対談集『東洋の哲学を語る』」に、謹んであなたを御招待いたします。
主賓としてヨガナンダ・シャストリ博士(デリー立法議会議長)が出席予定です。
(後は日時と道案内なので略)
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要するに、討論会の主催者はインディラ・ガンジー国立芸術センターとインドSGIだったというわけだ。何のことはない、対談本の著者である池田氏とチャンドラ氏がそれぞれ率いる団体が、それぞれのトップを賞賛し合うために開いた討論会だったということだ。見識ある文化人なら先ずやらない茶番劇である。
聖教がこの種の記事で主語(主催者)を省くのは、茶番を読者に知られたくないのと、「先生の思想への注目が世界で自然発生的に起きている」かのように印象操作するためだろう。
先日9/21付け聖教新聞の記事「インディラ・ガンジー国立芸術センター 池田大作SGI会長の平和提言セミナー」も同様だ。記事原文はこちらhttp://www.seikyoonline.jp/news/headline/2011/09/1197997_2469.html
そして、センターとインドSGIが出した招待状の現物がこちら。
http://www.ignca.nic.in/invitations/2011_Peace_Proposal_Seminar.pdf
表紙に両組織のロゴマークがあり、見開き本文の冒頭に、
インディラ・ガンジー国立芸術センターとインド創価学会は、(セミナーに)謹んで御招待いたします。
とある。
ちなみに(今度また書くつもりだが)、
2006年ころから中国で毎年開かれている「池田大作思想研究シンポジウム」の類も、創価大学の協賛で開かれているものだ。だが、学会メディアではそんなことはもちろん公表しない。“中国教育界で自発的に池田研究ムーブメントが起きている”かのように誤読してもらうのが彼らの狙いだからだ。
歴史上の偉人と厚顔にも名を連ねて恥じぬ「ガンジー・キング・池田展」なる催しも聖教新聞社の協賛によるものだ。
可哀想なのは自己演出された茶番イベントの記事を読まされた学会員である。冒頭に紹介したYahoo知恵袋の規則違反の投稿をなす輩たちも、そうした茶番に騙された被害者たちなのだろう。
なお、上に紹介した討論会招待状に「Dr.Daisaku Ikeda」という記述がある。招待主はセンターとインドSGIであるのだから、その招待文中の自組織の長(SGI会長)池田氏の肩書きに「Dr.」をつけるのはオカシイ。池田氏は「名誉博士」号は腐るほど持っているが、正式な博士(ドクター)学位は持っていないないのだから、勝手にDr.をつけるのは学位詐称だ。創価大学の英語版サイトでも同様の詐称が行われていることを、以前弊ブログでも指摘したが、日本人の目の届かないところ(外国語)では、学位詐称も し放題 ということか。さもしい教団ではある。
さて、上記について調べた流れで、「インド創価池田女子大学」と創価の関係性についても調べてみた。また、近年、中国に「創価」の名を冠した小学校や図書館が出来ており、香港SGIが絡んでいるのだが、なぜか聖教新聞に一行も報じられていない。これら「冠“創価”の学校のなぞ」について、次稿で書く。
ふうふう批判の後半や、これまで途中でくたびれてお休みしていた続きもの記事など、あまたやり残している宿題を忘れているわけでないが、ちょっと多忙等で間があくと、モチベーションを再昂揚させる前に、他に目移りしてしまう悪い癖があり、読者の皆様には本当に申し訳ないと思っております。でも必ず書きますので、ひとつ気長にお待ちいただけると幸甚です。