25万円でできる核融合炉――多様な核融合炉を画像ギャラリーで(1)
超高速カメラが捉えた、トカマク炉の内部をプラズマ補給用ペレットが飛び回る様子。高校生がお小遣いで作ったファーンズワース型核融合炉。世界のさまざまな核融合炉を多数の写真で紹介する。
かつて太陽は、燃える火の玉のような単純な構造で、固形入浴剤をバスタブに入れたときのように、宇宙にエネルギーを放出していると考えられていた。しかし、アインシュタインの相対性理論によって、原子に封じ込められた途方もないエネルギーの存在が明らかになると、このイメージも一変した。われわれの太陽は、何十億年も尽きることのない熱核反応を持続させているのだ。
核融合研究の歴史は、研究者たちのイライラの歴史でもある。ミシガン州に住む高校生Thiago Olsonくんは、安全で完全に機能する核融合装置を家庭で自作したが、世界有数の科学者をもってしても、核融合反応を起こさせるために投入した以上のエネルギーを発生させることはできずにいる。
だがそのことも、研究者たちが次の実験段階に足を踏み出す妨げとはならない。自宅の裏庭の自家製装置であれ、ヨーロッパ各国による製作費130億ドルのトカマク型であれ、自分の核融合炉を持つというのは、科学オタクの世界では究極の憧れなのだ。以下、世界中から選りすぐりの「核のオモチャ」を画像でご紹介しよう。
『Z Accelerator』
ニューメキシコ州にあるサンディア国立研究所の『Z Accelerator』。写真は、核融合反応の舞台となる高温・高密度のプラズマを発生させているところ。この反応によって熱核エネルギーのパルスが生み出されるが、これは太陽の深奥部で発生しているのとほぼ同じものだ。
『Joint European Torus』(JET:欧州連合トーラス)
高温核融合技術の中で特に有望だが高コストなのがトカマク炉だ。1950年代にソ連(当時)の研究チームが開発したもので、強力な磁場によってプラズマを閉じ込め、核融合を起こさせる。写真はこのタイプの『Joint European Torus』(JET)で、停止中と稼働中それぞれの状態。
次の画像はこちら
・プラズマの弾丸
・高校生が作った核融合炉(フューザー)
・ファーンズワース型核融合炉(フューザー)
[日本語版:ガリレオ-江藤千夏/福岡洋一]
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