デジハリ朝学
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2015.10.16
LIG PR
#19
働き方インタビュー(経営者編)

「人生のギャンブルに勝ちたい」美容通販No.1をWeb広告で勝ち取りにいく | メディアハーツ【前編】

小田直美

「社員がすごくがんばって売ってくれてるのに、成長が止まってしまう」あえて広告費を1.5倍に増やした

業務を再開したはじめたころ、メディアハーツはアフィリエイト以外の事業にもチャレンジしようとしていたそうです。その後、三崎氏は美容商品の通販事業に注目します。

三崎
通販やECビジネスは未知の世界だったんですけど「まあ、いいかな」と思って。それで2013年12月には、アフィリエイトから完全に通販事業へシフトしました。

しかし、当時は全く知見のないビジネスだったため、赤字が徐々に膨らんでいってしまったそうです。

三崎
最初のころから全然うまくいかなくて、通販ビジネスのセミナーに通いました。赤字を取り戻そうと一生懸命勉強したら、ちゃんと成長が見込めるビジネスをやっているんだと確信をもつことができて。

特に、売り方やLPは徹底的に研究しました。それで去年の5月ころから完全に内製化して、商品開発にどんどんお金を突っ込んでいったんです。

しかし、商品が売れはじめたときアクシデントが起こります。

三崎
商品の在庫が切れる前に発注してたんですけど、いろんなミスだったり、兼ね合いがあって。3回くらい連続して納期の遅延が起きてしまったんです。

そんな状況でも広告費はどんどん入れてるんで、お金は出てくけども、入金がないっていう状況になりました。結果的に4ヶ月間くらい、何千万単位で支出だけが膨らんでいってしまって、本当にキツかったです。

入荷目処がたたず商品は常に在庫切れ状態となり、カスタマーセンターには連日クレームの電話が鳴り響いたそうです。そんな不安定な状況にいる中で、三崎氏はある決断をします。

三崎
倒産寸前になるかもしれない状況だったけど、広告費をあえて1.5倍ぐらい増やしました。怖かったですけど、商品はすごく売れていたのにそこで受注を止めるってナンセンスじゃないですか。

それに、社員がすごくがんばって売ってくれてるのに、成長が止まってしまう。足踏みしてるっていうのが何か違うなと思ったし、社員に対して申し訳ないっていう気持ちがあったんです。

その後、入荷待ちだった注文を全て売り切ったことにより、メディアハーツの通販事業は飛躍的に伸びました。

三崎
去年の前期に出した決算の年商を、今期の1ヵ月で超えることができたんです。だから成長率で考えると十何倍ぐらい。あれを乗り越えたから今の急成長がある。あのとき足踏みしていたら、この事業はなくなっていたかもしれないです。

「執念深くあきらめなければ絶対に勝てる」成功したいと思ってない人は、何か起きたときにすぐ諦めてしまうから

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逆境をチャンスに変え、美容通販業界への参入を果たしたメディアハーツ。今後の通販事業でも勝ち続けていくには、アフィリエイト時代に培った自社の広告運用のノウハウが必要不可欠になります。

三崎
今のメディアハーツのテーマは“ITと美容の融合”なので、美容通販を主軸に今後もやっていきたいです。そもそも美容メーカーや美容系商品を売っている会社は、広告代理店に運用を投げているところがほとんど。

でも、うちにはアフィリエイトの知見があるので、自社でつくった商品を自分たちで広告を打って売ることができる。それが一番の強みだと思っています。

決して新しい市場ではない美容通販の領域において「とにかく勝ちたい」と三崎氏は競争心を露わにします。では、勝つためにメディアハーツが必要としているものとは何なのでしょうか。

三崎
美容通販を主軸にいろんな事業展開をしていきたいと思っています。でも、内部のオペレーションが未発達なので商品を増やせなかったり、各部署の連携がうまくとれなかったりする。

売れる方法も、攻略法もわかってきているんです。そんな中でビジネスが急激に伸びているのに、優秀なマネージャーが足りないんです。

“美容とITの融合”をテーマに掲げるメディアハーツにとって、専門性の異なるチームの連携は必要不可欠と言えるでしょう。今後、チームの架け橋になるために必要な人物像についてもお聞きしました。

三崎
美容と通販、この2つに興味がある人がいいなと思います。そして、売れるまでやり続けようと試行錯誤して、トライ&エラーができる人を求めています。負け癖が付いてる人というか、言い訳をしたり、成功したいと思ってない人は、何か起きたときにすぐ諦めてしまうから。

高校生のころに「とにかくお金を稼がなければならない」という焦りから、起業という道を選んだ三崎氏。しかし、“勝つ”ことに飾り気のない執着心をもつきっかけとなったのは、意外にもラスベガスのバカラだったそうです。

三崎
以前、カジノをやるためにラスベガスへ数千万ぐらい持って行ったんですけど、その日のうちに全部バカラにつぎ込んで負けました(笑)12時間ひたすらやったんですけど、全然勝てなくて「これはラスベガスどころじゃない」と。それで、そのときに“勝つまで止めるな”っていう話の本をネットで買って、ホテルの部屋に戻って1人で読みまくりました。「執念深くあきらめなければ、絶対に勝てる」って書いてあって「確かにそうだな。ビジネスもそうだろうな」と。

その後に一緒にいた友達に数百万を借りてカジノをやってみたんです。ただ、普通に賭けてもダメなので「絶対に勝つ」気持ちでやろうと、最初から全額賭けたら結果的に負けた金額分は回収できました。そのときに勝つまであきらめなければ、何でもできるんだなと心から思いました。

最後に三崎氏は当時の体験を通じて、今後のビジネスについても次のように語ります。

三崎
僕が憧れている人は、SoftBankの孫正義さんです。1つの事業じゃない、多角経営で成功されてるって純粋にすごいじゃないですか。

ビジネスで成功するためには、ひどい目に合ってもうまくいくまで絶対にあきらめない。そういうところが重要になるのかなって。だから「人生のギャンブルに勝ってやる」って思います。

自立への並々ならぬ想いを抱え18歳で社長となった青年は、絶え間なく振りかかる取捨選択を“勝ちへの執着心”で乗り越えてきました。誰にも予測することができない未来をサバイバルのように切り抜けていく経営者には、三崎氏のような自分を信じ抜く力が問われていくのでしょう。


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