主将が貫禄の3本締めだ! 巨人が11日の紅白戦で宮崎キャンプを打ち上げ、坂本勇人内野手(30)は連日の3安打。練習後の手締め式ではファンに「優勝したいです」と率直な心境を打ち明けてから、三本締めの音頭を取った。
円陣の中央で背番号6がマイクを握った。「いきなり言われた」という異例のマイクを通じたあいさつ。裏方とファンへの感謝を述べた後、「僕がキャプテンになってから優勝していません。優勝したいです」。素直で切実な思いが自然と口をついた。
主将も5年目を迎え、すっかり板についてきた。気の抜けたようなプレーをした若手にはゲキを飛ばし、新加入選手には早くチームになじめるようにさりげなく気遣う。かつて坂本勇を主将に指名した原監督も「自分の決意が言えることはチームの一人一人に非常に良いものを与えたと思う」とまな弟子の成長に目を細めた。
自身の調整も怠らない。紅白戦では前日に続いて3番に座り、1人だけ2日続けての3安打。この時期にアピールする必要はない立場だが、「実戦で結果が出るのはいいこと」と事もなげに振り返った。
あいさつでは「選手一人一人が考える力をつけ、自覚を持ち、優勝できるように頑張っていきたい」とも言った。三十路(みそじ)を迎えた坂本勇が先頭に立ち、個々が自立した戦う集団をつくり上げていく。 (小林孝一郎)