SCP-647-JP
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アイテム番号: SCP-647-JP

オブジェクトクラス: Safe

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SCP-647-JP内部の様子。

特別収容プロトコル: SCP-647-JPは当該オブジェクトが存在しているマンションをフロント企業により買い取りを行った上で、一般人の立ち入りを禁止してください。SCP-647-JPの内部を視認する際は肉眼での直視は避け、映像機材等を通しての確認を行ってください。

説明: SCP-647-JPは██県に存在しているマンションの███号室です。当該オブジェクトは一般的な2LDKの部屋の様相を示しており、生活痕、並びに居住記録から200█年まで居住者が存在していた事が判明しています。なお、現在の居住者とされている人物は行方不明であり、財団による捜索が続けられています。

SCP-647-JP内部を肉眼で直視した場合、対象は背部に違和感を覚えると主張を行います。この違和感は当該オブジェクトの視認を中断した場合においても続き、更に直視してから2~3日後に対象は以下のような自覚症状を主張します。

  • 違和感が消えるが、背部から出血しているように感じる。
  • 常に出血しているような感覚を覚える。
  • 出血している感覚が存在している個所は、日によって違う。
  • 時々、当該個所を引っ掻かれるような痛みを感じる。

これらを主張した対象の背部から実際に出血している様子は見られません。この感覚は記憶処理により一時的に除去する事が可能ですが、記憶処理を行ってから2~3日後には再発する事が判明しています。

以下は当該オブジェクトの曝露者の長期観察の際に行われたインタビュー記録です。

定期インタビュー記録647-JP-1

実施日: 20██/8/15

対象: SCP-647-JP-1(D-7798)

インタビュアー: ██博士

付記: SCP-647-JP-1は当該オブジェクトの探索を行ってから一週間が経過している。

<再生開始>

██博士: こんばんは。SCP-647-JP-1、調子はいかがですか。

SCP-647-JP-1: 先生、あの……俺の体は一体どうしちまったんですか。

██博士: 何かおかしな事でもありましたか?

SCP-647-JP-1: あの不気味な部屋を探索してその後からずっと、背中から血が止まらないんです。でも、触ってみても本当に血が出てるわけじゃなくて、でも背中が凄いヌルヌルしてて。

██博士: なるほど。確認させてもらってもよろしいですか?[SCP-647-JP-1の背部を確認する。]確かに怪我はどこにも見受けられません。それなのに、出血していると感じると。

SCP-647-JP-1: はい。それに、毎日血が出てると感じる箇所が微妙に違うんです。この前はわき腹の辺りだったのに、今日は肩甲骨のあたりから出てるように感じて。

██博士: なるほど。それ以外に何かありますか?

SCP-647-JP-1: それ以外には特に……お風呂に入ってもすぐ血でヌルヌルしてるように感じるし、寝る時も不快なんです。先生、何とかなりませんか?

<録音終了>

終了報告書: 当該インタビューの後、SCP-647-JP-1に対して記憶処理が行われました。その結果、それらの感覚が除去されたとの主張を得ました。

定期インタビュー記録647-JP-2

実施日: 20██/08/20

対象: SCP-647-JP-1(D-7798)

インタビュアー: ██博士

付記: SCP-647-JP-1が叫び声を上げて、自身の部屋で暴れている様子が確認されました。そのため、SCP-647-JP-1を鎮圧した後に当該インタビューが行われました。

<再生開始>

██博士: SCP-647-JP-1、どうかしましたか。

SCP-647-JP-1: 先生、俺の部屋は一人部屋のはずですよね?

██博士: [部屋割を確認する]ええ、あなたの部屋は一人部屋のはずです。

SCP-647-JP-1: 引っかかれたんです。寝てる時に突然、誰かに、背中を。

██博士: 背中を? SCP-647-JP-1、貴方は適切な治療を行った数日後から、再び背中から出血している感覚を覚えていると主張していましたが、それとは別にですか?

SCP-647-JP-1: 間違いなくあれは、誰かに引っ掻かれたって感触でした。爪を立てて、思いっきり引っ掻かれるような。すぐに後ろを見たんですけど、でも誰もいなくて。

██博士: それで部屋の中で暴れていたのですね?

SCP-647-JP-1: はい。先生、俺の部屋に誰かが入ってきたかわかりますか?

██博士: 少々お待ちください。[SCP-647-JP-1の自室の録画を対象を一緒に確認する。]誰も入ってきておらず、突然あなたが暴れ出しているようにしか見えませんが。

SCP-647-JP-1: そんな馬鹿な。確かに、あれは人に引っ掻かれた感触でした。

██博士: [5秒間の沈黙]動物でもなく、ですか?

SCP-647-JP-1: はい、人に。

<録音終了>

終了報告書: SCP-647-JP-1の自室の映像を複数回にわたり検証しましたが、対象者以外の人物、及び生命体は確認されませんでした。このインタビューの後も、不定期に引っ掻かれる感触を覚えるとSCP-647-JP-1は主張しています。

定期インタビュー記録647-JP-3

実施日: 20██/08/31

対象: SCP-647-JP-1(D-7798)

インタビュアー: ██博士

付記: SCP-647-JP-1が新しい事が分かった、と主張したため今回のインタビューが行われました。SCP-647-JP-1には3日ほど前から精神的な衰弱が見られています。

<再生開始>

██博士: 新しい事、とはどのような事でしょうか?

SCP-647-JP-1: 先生、最近、出血している感覚がなくなる事があるんです。

██博士: なるほど。それは貴重な意見ですね。報告して頂いてありがとうございます。

SCP-647-JP-1: それで、俺気づいたんです。いつもいつも、引っ掻かれるのは、その出血している感覚がなくなったすぐ後だって。その後、すぐにまた出血する感覚が戻ってくるんです。

██博士: 規則性がある事がわかったのですね?

SCP-647-JP-1: はい。必ず、必ず、血が止まった後にあいつは引っ掻きに来るんです。

██博士: あいつ、とは?

SCP-647-JP-1: その、引っ掻いてくる相手です。姿も見えないので、とりあえずそう呼んでるんですけど。

██博士: なるほど。

SCP-647-JP-1: そいつはずーっと俺を見てるんです。背中から出血するのが止まるのを、今か今かと待っているんです。それで、血が止まった時、背中を引っ掻きに来るんです。

██博士: わかりました。報告ありがとうございます。今後の参考にさせていただきます。

SCP-647-JP-1: 鏡を見ている時も、シャンプーをしている時も、ベッドで寝転んでいる時も、こうやってインタビューを受けている今も、見てます。

██博士: 今も?

SCP-647-JP-1: はい。俺達が見てない場所からずっと見てる。俺だけじゃない。[5秒間の沈黙]先生、もしかしてどこか、怪我したりしていませんか?

██博士: [5秒間の沈黙。自分の足を確認する]インタビューを終了します。

<録音終了>

 


 
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