この記事は、約 2分で読めます。
トップ面談とは?M&Aにおけるトップ面談の準備と進め方
トップ面談
M&Aは、売り手と買い手の間で様々なプロセスを経た上で実行します。
M&Aの重要なプロセスの一つに、「トップ面談」があります。
双方の価値観を理解する上で、トップ面談は不可欠なプロセスです。
この記事では、トップ面談について分かりやすく解説します。
トップ面談とは?トップ面談の意味
まず初めに、トップ面談とは何なのかを解説します。
トップ面談とは、M&Aの売り手会社と買い手会社双方の経営者(トップ)が面談を実施することを意味します。
M&Aの現場では、「お見合い」とも称されています。
M&Aに関しては、財務諸表や事業内容から判断できる収益性や将来性を元に、実行可否を判断します。
収益性や将来性のみならず、経営者の価値観や経営理念も、M&Aの実施を決定する要因となります。
収益性や将来性とは異なり、書類では価値観や理念を理解しにくいです。
書類では判断できない価値観や理念を理解する目的で、トップ面談は実施されます。
トップである経営者同士が面談する事で、書類では理解できない相手企業との相性や価値観等に関する理解を深めることが可能です。
基本的にトップ面談は、両者が納得できるまで何回か実施されます。
定性的な部分でM&Aの実行を判断する上で、トップ面談は重要なプロセスです。
※関連記事
M&Aにおけるトップ面談
この項では、M&Aにおけるトップ面談について、その意義や話し合う内容についてご紹介します。
⑴M&Aにおけるトップ面談の意義
M&A取引はビジネスである為、最終的には価格等の条件交渉を経た上で実行します。
買い手側は、M&Aの専門家であるM&Aアドバイザリーに「企業価値評価」や「デューデリジェンス」を依頼し、その結果を基に買収価格等の条件を決定します。
一方で売り手企業は、買い手から提示された買収価格や契約条件等を基に、M&Aの実行可否を決断します。
M&Aの実行可否を決める交渉は、定量的な部分で判断するシビアな取引です。
互いに会社の機密情報を開示し合い、腹を割って話し合わなくてはいけません。
全く信頼関係が醸成されていない状態で交渉に入っても、核心的な部分での交渉はしにくいでしょう。
M&Aの現場では、互いの内面を把握し信頼関係を醸成する目的で、本格的な交渉を開始する前段階でトップ面談を実施します。
トップ面談を挟む事で、互いにある程度の信頼関係を構築した上で、本格的なM&Aの交渉を開始可能です。
トップ面談の存在により、M&Aの成立可能性が高まるとも言われています。
以上の理由から、M&Aにおいてトップ面談には重要な存在意義があります。
⑵M&Aのトップ面談で話し合う内容
トップ面談は互いの経営理念や価値観を推し量る上で重要なプロセスですが、具体的にどの様な事を話し合うのでしょうか?
M&Aのトップ面談は信頼関係の構築を目的として開催される為、基本的に買収価格等の条件に関しては話し合いません。
あくまで「M&Aにおけるお見合い」ですので、互いにどの様な人物(会社)なのかを話し合うに留まります。
トップ面談では、自己紹介や経営ビジョンや理念、大まかな業務内容や会社の強み・弱み等が話し合われます。
売り手側の経営者は、買い手経営者から自社の買収目的や買収後の経営について考えを聞いた上で、自社を任せるにふさわしいかを判断します。
一方で買い手側の経営者は、事業内容や強み等を聞いた上で、買収判断の決定材料とします。
M&Aにおいてトップ面談は、単なる面談という意味だけでなく、最初の重要なステップでもあります。
※関連記事
M&Aにおけるトップ面談の準備
M&Aにおいて重要な「トップ面談」を成功させる為には、事前の準備が重要となります。
この項では売り手側の視点から、トップ面談を成功させる上で欠かせない5つの準備をご紹介します。
⑴意向表明書の内容を把握する
必ずトップ面談前に実行して欲しいのは、「意向表明書」の内容把握です。
意向表明書とは、買い手企業が自己紹介や事業計画等を記した書類です。
必ず売り手側に提出されるとは限りませんが、提出されている場合は必ず目を通しましょう。
意向表明書に記された情報を既に知っている前提でトップ面談が進行される可能性があり、内容を把握していないと話の内容が理解できなくなります。
買い手側から意向表明書に関する質問や感想を求められる場合もあり、答えられないと相手経営者からの印象が悪くなります。
⑵買い手の情報収集を行う
意向表明書の有無に関係なく、トップ面談に先立ってM&A相手候補の情報収集は必ず実施しましょう。
相手企業の自社サイトは勿論、経営者自身のSNS等にも目を通すとベターです。
会社情報に関しては、有価証券報告書や求人サイト等で収集可能です。
⑶売却相手の希望条件を整理する
トップ面談に先立って、売却相手の希望条件は整理しておきましょう。
希望条件が明確でなければ、M&Aの相手探しを効率的に実行しにくくなります。
希望条件を明確化する事で、トップ面談でM&Aの実行可否を判断しやすくなります。
⑷相手企業とのシナジー効果を想定する
売り手にしろ買い手にしろ、M&A後にシナジー効果が発揮されるかは非常に重要です。
シナジー効果とは、「1+1」が2よりも大きくなる効果を指します。
シナジー効果が発揮されれば、M&Aは成功したと言えます。
M&Aの成功可能性を高める為にも、相手企業とのシナジー効果は事前に想定しておきましょう。
⑸M&A後の従業員を考慮する
経営者である以上、M&Aによる従業員への影響にも責任を持たなくてはいけません。
M&Aの実行により、経営者や職場環境、社風等あらゆるものが変化します。
変化の影響で、従業員がストレスを抱えたりモチベーションが低下する可能性は十分あります。
トップ面談に向けて、従業員への影響は必ず想定しておきましょう。
※関連記事
M&Aにおけるトップ面談の進め方
M&Aのトップ面談は、ある程度進め方が決まっています。
この項では、M&Aのトップ面談の進め方を解説します。
⑴M&Aアドバイザリーとの事前打ち合わせ
トップ面談の準備として、売り手と買い手はそれぞれM&Aアドバイザリーとの打ち合わせを行います。
打ち合わせでは、トップ面談で話すべき事や、質問すべきことと聞くべきではないこと等を決定します。
⑵自己紹介(自社紹介)
いざトップ面談が始まったら、互いに自己紹介を行います。
経営者自身の紹介に加えて、事業内容等会社に関する紹介も実施します。
⑶会社売却を実行する理由の説明
自己紹介が完了したら、売り手側は会社売却を実行する理由を説明します。
会社売却の実行理由としては、後継者不足や経営の先行き不安等が考えられます。
⑷買収に興味を持った理由
次に買い手側が、売り手企業の買収に興味を持った理由を伝えます。
⑸M&A後の計画等に関する話し合い
互いに自己紹介やM&Aを実行する理由を話したら、M&A後の計画等を話し合います。
期待できるシナジー効果や事業計画等、M&Aの根幹に関わる部分について話し合います。
売り手買い手共に、腹を割って素直に意見を述べることが求められます。
相手経営者の意見や考え方を基に、M&A相手として選ぶかを決定します。
※関連記事
M&Aにおけるトップ面談の注意点
この項では、M&Aにおけるトップ面談の注意点を、買い手と売り手に分けて解説します。
⑴買い手の注意点
大抵のM&Aでは、買い手会社の方が事業規模の大きさや業績面に分があります。
その故トップ面談の際に高飛車な態度を取りがちですが、謙虚な気持ちで臨まなくてはいけません。
売り手経営者にとっては、手塩にかけて育てた会社を手放すこととなる為、上から目線では買収を拒否される可能性が高いです。
M&Aを円満な形で成立させる為には、売り手経営者(会社)をリスペクトする気持ちを忘れてはいけません。
売り手経営者に「この人であれば会社を任せることが出来る」と思われる様に、経営理念を真摯な態度で伝える事が大切です。
特に中小企業の経営者は、従業員の処遇を重視する傾向が強いです。
トップ面談の際には、従業員の処遇も重視する姿勢を見せると効果的です。
⑵売り手の注意点
トップ面談で買い手側から提示された質問に関しては、必ず真実を伝えましょう。
トップ面談で嘘をついた場合、後々嘘が発覚した場合にトラブルに発展する恐れがあります。
スムーズにM&Aを進めたいのであれば、自身の保身に走ってはいけません。
質問の内容によっては、その場で答えることが出来ないケースも考えられます。
分からない事は適当に答えるのではなく、入念に調べた上で後日返答する必要があります。
売り手と買い手共に真摯な態度で、トップ面談を実施することが大切です。
※関連記事
M&Aにおける条件交渉
⑴M&Aの条件交渉とは
最後にM&Aにおける条件交渉について解説します。
トップ面談を終えたら、本格的なM&Aの条件交渉を実施します。
互いの価値観等を知る目的で行うトップ面談とは異なり、条件交渉では買収価格や各種条項等、具体的な契約内容について取り決めます。
売り手経営者の中には、「買い手経営者が冷たくなった」と感じる方も出てきます。
トップ面談とは異なり、買い手側は収益性や将来性等を重視する為、ある程度シビアな交渉となる点は覚悟しましょう。
⑵M&Aの条件交渉で取り決める内容
M&Aの条件交渉では、主に下記内容を売り手と買い手が話し合って決定します。
①買収価格
条件交渉では、M&A取引の要となる「買収価格」を決定します。
デューデリジェンスの結果により買い手が算出した価格を基に、条件交渉が実施されます。
②M&Aのスキーム
M&Aを実行する手法(スキーム)も、条件交渉で決定します。
中小企業のM&Aでは、一般的に株式譲渡や事業譲渡が活用されます。
③従業員の処遇
従業員の引き継ぎ可否や、M&A後の給与水準等を決定します。
経営陣が引き続き事業に参画するか否かも、条件交渉で決定します。
売り手の経営者は、従業員の今後も踏まえた上で条件交渉に取り掛かる必要があります。
※関連記事
まとめ
M&Aの現場では、「お見合い」とも称されるトップ面談によって、信頼関係を構築した上で、本格的なM&Aの交渉を開始可能です。
トップ面談を成功させる為には、事前の準備が重要となります。
トップ面談の注意点を踏まえながら進めていきましょう。