厚生労働省が発表した賃金構造基本統計調査を算出し、デザイナーの年収が判明しました!
過去5年間の統計データをもとに、この記事では大きく3つのテーマについてご紹介します。
・デザイナーの平均年収
・厚生労働省の調査データを基にした、年齢・男女・企業規模による年収の差
・デザイナーの年収を上げる秘訣
転職を検討しているデザイナーの方、未経験でデザイナーという職業に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
デザイナーの年収を確認する前に、賃金構造基本統計調査にて”デザイナー”として分類される職種の内訳を記載します。
デザイナーとして分類される職種の内訳
デザイナー、服飾デザイナー、商業デザイナー、インテリアデザイナー、ディスプレイデザイナー、テキスタイルデザイナー、ファッションデザイナー、フラワーデザイナー、グラフィックデザイナー、広告デザイナー、インダストリアルデザイナー、図案家、建築装飾図案家、陶磁器デザイナー、友禅図案家、レイアウター(広告・宣伝業)
仕事の概要
工業的製品、商業的製品、その他の物品又は環境などに関し、用途、材質、製作法、機能、美的要素などを考慮し、形状、模様、色彩、位置、照明などについて意匠を創作し、図上への設計、表現を行う専門的な仕事に従事する者をいう。
参照:賃金構造基本統計調査 役職及び職種解説
厚生労働省が平成29年に発表した賃金構造基本統計調査を参考に算出したところ、全国のデザイナーの平均年収は439.7万円でした。
調査書に記載されている全職種を合算した平均年収が454.5万円なので、他の職種と比べてデザイナーの年収は若干低い結果となりました。
デザイナーの年収が低い理由として、以下が挙げられます。
・日本の中でデザインの重要性が認知されておらず、スキルに応じた年収を支払うという意識が企業側に少ない
・ビジネスとの結びつきなど、経営側の視点に立ってデザインを行える人材が少ない
企業側・デザイナー側双方の理由が重なり、デザイナーの年収が上がらない要因になっています。
後半では、現職の転職エージェントがデザイナーの年収を上げるための方法をご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
先ほどのグラフでは、デザイナーと全職種の平均年収を比較しました。
ここからは、年齢・男女・企業規模ごとのデザイナーの年収を比較します。
※グラフの数値は、すべて平成29年発表の賃金構造基本統計調査をもとに算出しています。
20代前半(20~24歳)の平均年収は290.9万円で、20代後半になると347.8万円とやや増えますが、400万円には届きません。若いうちはデザイナーとしての経験も実績も少ないため、年収が低いのもやむを得ないでしょう。
30代後半では444.7万円となり、ここで年収をグッと引き上げるためには、スキルを習得して自分の付加価値を高めることが求められます。
40代になると、個人のスキルや所属する会社の関係もあるため年収の差はケースバイケースですが、平均すると40代後半では472.7万円になります。
50代で610.4万円と、年収のピークをむかえます。
※65~69歳の平均年収は、女性の調査データが欠損しているため、男性の平均年収を参照しています。
性別や年齢によっても平均年収に違いがあります。男性の全年齢を合算した平均年収が477.1万円、女性は394.8万円と、男女で大きな差があることが分かります。
男性デザイナー全年齢の平均年収は最大681.4万円。
女性デザイナー全年齢の平均年収は最大539.3万円。
男女ともに50代で年収のピークをむかえます。
※65~69歳の平均年収は、女性の調査データが欠損。
デザイナーの年収は、勤め先の企業の規模によって差があります。
・社員数100人未満:平均年収423.9万円
・社員数1,000人未満:平均年収407.4万円
・社員数1,000人以上:平均年収512.0万円
デザイナーの年収は、企業規模が大きくなるほど上がるという相関関係には必ずしもないようです。
あくまでも調査上の傾向ではありますが、社員数が1,000人未満の企業では20代男性の基本給が少し低いため、平均年収を引き下げる要因の一部になっています。
ここからは、現役の転職エージェントが実際の取引企業から挙がっている要望を踏まえ、給料がアップする可能性のある方法をご紹介します。
「高い給料が欲しければ、高い給料を出してくれる企業へ就職する」のが一番の近道です。
当たり前と思われるかもしれませんが、冒頭でもお伝えしたようにデザインの価値を低く見積もっている企業に勤めていても、給料のアップは見込めません。
募集要項をよく読み、企業がどのような考えを持っているのか理解する必要があります。
また、成長分野を担う企業への転職も年収アップが期待できます。
直近で資金調達を達成した企業は要チェックです。外部から資金を調達した場合、今後の成長が見込まれている(期待されている)分野の裏付けとも言えるからです。
デザインに対する企業の考え方や成長分野を見定めて、自分に合った仕事を選びましょう。
自分だけで案件を判断しきれないときは、クリーク・アンド・リバー社の就業支援サービスをご利用ください。
企業の内情や考え方、今伸びている分野について転職エージェントがお答えします。
たとえ少人数のグループでも、マネジメント経験は大きな武器になります。チームのスケジュール管理やクオリティのコントロールなどは、デザイナーに不足しがちな”経営者側の視点”を持ち合わせている証明になります。
言われたことをただこなすだけでなく、自ら考えて行動できる人材は企業にとっても重宝されます。
デザイナーは、独立してフリーランスとして働く人が多い職種です。
腕次第ではありますが、正社員のときより1.5~2倍ぐらいを稼いでいる方もいます。
目標があってフリーランスになった方や、個人で受けていた仕事が回りきらなくて独立した方は最初の収入が上がりやすい傾向にあります。
反面、一度はフリーランスになったものの、正社員に戻りたいと相談にくる方も一定数存在します。正社員に戻る理由は、「収入が安定しない」、「仕事が取れない」が多いです。
フリーランスになるとデザイン案件をこなしながら、営業や会計処理をする必要があります。目の前の業務をこなすことに精一杯になってしまい、成長の機会を逃してしまいスキルの停滞を招くことも。
その結果トレンドについていけず、仕事が取れなくなり収入が安定しないという悪循環に陥るケースもあります。
いきなりフリーランスになるより、「デザイナーとして上流工程から関われる企業」「有名なプロダクトがある企業」「独立を奨励している企業」などで自分のスキルを伸ばすことをオススメします。
デザイナーの年収は、企業・年齢・性別・スキルによって差が生まれるのが実情です。
スキルアップすることで業務の幅を広げることもできますが、そのためには勉強時間を確保してアウトプットする必要があります。
目の前の仕事をこなすことに精いっぱいにならず、長期的なキャリアを実現するためにどんなスキルを伸ばすべきかを意識するよう心がけてください。
デザイナーとして年収を上げるために、キャリアプランや転職についてもっと詳しい話が聞きたい。
そんな方はCREATIVE VILLAGEの転職サービスへお気軽にご相談ください。
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