今回は、20年以上前に発売されていた、サントリーローヤル プレミアム12年を飲んでみます。

青のローヤル

royal12_pr_日本においては、1980年代前半をピークにウイスキーの消費が下り坂に入りました。
1990年代中頃になると、ピーク時の2/3にまで減っていました(ハイボールブームから巻き返した現代でも、ピーク時の半分以下)。

そうなると、ピーク時に大量に仕込まれていた原酒もだぶつくことになり、結果的に長期熟成された原酒もストックされることになったわけです。

サントリーは1995年に、ローヤルの上位として、通称「青のローヤル」と呼ばれた、ローヤルプレミアムを出しました。

当初は12年熟成の原酒を使ったものでしたが、2年後には15年熟成へと格上げ、レギュラーのローヤルも12年ものへと格上げされました。

この長期熟成のローヤルのラインナップは、ハイボールブームで原酒不足になる手前の2008年まで発売されました。ローヤルがノンエイジへとリニューアルされた際に、プレミアムの販売は終了しました。

今回入手したのは、わずか2年間だけの発売だった、12年ものの青のローヤルになります。

まろやかで重厚なプレミアムウイスキー

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は比較的濃厚なアンバー、香りは青リンゴとマスカットが入り交じっています。

口に含むと、青リンゴの香りが先に訪れ、その後にレーズン、カカオ、オークウッドが続きます。
味わいは、アルコールからの辛みは少なく、酸味が全体を支配します。後味にはほろ苦さとうっすらした甘さも感じ取れます。

ロックでは、マスカットの若い爽やかさが前に出ます。ストレートに比べるとレーズンの濃厚さは薄れる印象です。
その後はリンゴ、バニラ、カカオ、バナナと濃厚な香りが後に引き、最後にピートをほんのり得られます。

味わいは、引き続き酸味が主体となり、ビターを帯びつつ、甘みへと変化していきます。

最後にハイボールにすると、ブドウの香りが中心となり、奥からピート、カカオが追いかけます。
味わいは、軽い苦味はあるものの、酸味が主体でさっぱりします。

香りや味わいの傾向でいうと、現行品よりも元祖のローヤルに近い雰囲気ですが、ライムの柑橘系の香りや味わいは少ない特徴があります。
12年ものだけに、まろやかでどっしりした印象です。

720mL、アルコール度数43度、当時の定価は5000円でした。
今でブレンデッドのジャパニーズというと、ザ・ニッカ12年がありますが、価格としてもほぼ同じくらいです。
仮に現代でもこの値段で売られているならば、納得のいく香りと味わいです。

<個人的評価>

  • 香り B: ブドウ系統の香りが主体。青リンゴ、カカオ、ウッディ、ピートが続く。
  • 味わい B: アルコールの辛みが少なくてまろやか。酸味がメインで、ほんのりビター、甘さも感じられる。
  • 総評 B: 現行品よりも重厚でありながらも飲みやすい。12年ものとして申し分なし。