その4:ディリの市場散策

 いわゆる商店街はひっそりとしていたディリですが、街外れにある市場は活気がありました。肉や魚、野菜、果物や調味料、日用品や雑貨、衣料品など、毎日の生活に必要な物は、主にここで売られているようです。市場の入口の門は、つい数年前までのマカオと中国の国境ゲートの門と、どことなく似ていました。

 市場の中は屋台がびっしり。日本を除くアジア各国には、どこの街にもこの種のマーケットがありますが、ディリの市場はなんだか露店市といった雰囲気。もしヒガチモが独立を果たしたら、アジア諸国の首都のマーケットの中では、断トツでボロいマーケットということになるでしょう。

 カボチャとミカンとバナナと菜っ葉を売るおばさん。この店は八百屋なんだか、果物屋なんだが…。ミカンを器用に積み重ねています。

 これまたミカン売りのおっさん。

 小学生くらいの女の子も、一生懸命働いています。野菜クズなどを拾い集めているらしい。

 市場の裏手はトタン屋根の家が並ぶ住宅街で、屋台の食堂も出ています。

 シューッと音を響かせている屋台があったので、何かと思えばヤキイモでした。

 路地でエサをあさるブタ。インドネシアはイスラムの国ですが、ヒガチモの人はカトリックが大多数なのでブタも食べるのでしょう。でも、食堂のメニューではブタ肉料理は見かけませんでした。

 カメラを向けると陽気にポーズを取ってくれる人が多かったです。この時期、ジャーナリストが大挙してヒガチモ入りしていたので、全世界に東ティモールの独立要求をアピールするいい機会だと住民は張り切っていたのでしょう。なにしろ観光客のほとんどいないヒガチモでは、カメラをブラ下げている人=ジャーナリストだと思われています。子供たが持っている赤い旗は、どこかの政党のキャンペーン旗。ちょうどインドネシアの総選挙が終わったばかりでした。

  ヒガチモにも日本製の化学調味料が…。でも漢字入りの商標は堂々と掲げてないようです。

その5:さらに東の村へ行く

目次へ戻る