東ティモール(東チモール)の主都・ディリの繁華街です。でも賑やかなのはこの写真に写っている範囲内だけで、スーパーや写真屋、本屋、なんでも屋が10軒あるくらいです。交差点の反対側には、屋台くらいしかありません。夜は8時を過ぎたらひっそりしてしまいます。
西ティモールのクパンと比べて、道は広く風格のある建物も点在していて、ポルトガル植民地の中心都市だった頃がしのばれます。しかし、店が少なくて賑わいがなく、街の活気はクパンに及びません。
ポルトガル時代のティモール政庁だった建物です。今はインドネシアの地方政府が使っています。広場は立派なのですが、写真の左隅にはヤギが…。そういえば、「ティモール」という言葉はもともと「東」という意味だそうです。だから東ティモールなら「TIMOR TIMUR」で、何だか南ベトナム(ベトナム語ならヴェッナムナム=越南南)みたいで、ちょっとヘンです。
「大航海時代」「東インド会社」なんて言葉を彷彿させる古いヨーロッパ・スタイルの商館もいくつか残っていますが、ほとんど廃墟となっています。一方で、現在も盛業中なのは華人の経営する商店。あれ、インドネシアでは禁止されているはずの漢字の看板が、ここでは堂々と…。ひょっとして、東ティモールは「一国二制度」なんでしょうか?TOKO(=土庫)とは商店の意味で、LAY(黎)さんの経営している店だからTOKO LAY(黎土庫)です。ということは、店主は広東系の人らしいですね。
屋上には巨大な衛星放送の受信アンテナ。おそらく黎さん一家は香港のスターテレビを見ながら、中国語の練習に余念がないのでしょう。
街中のいたるところにはカトリック教会があります。イスラム国家のインドネシアの中で、東ティモールは住民の9割がキリスト教徒として登録しています。400年に及んだポルトガル統治の成果かと思いきや、信者が急増したのはインドネシアの併合後だそうです。
ディリのメイン・ストリートは海岸通りです。マカオ南端の海岸通り(国民大馬路)とどことなく雰囲気が似ています。街路樹が整備され、ベンチなども置いてあって、美しい道ですが車はほとんど通りません。ホテル・ツーリシモやホテル・ディリは、この沿道にあります。
しかし、街の中心から海岸通りを10分も歩けば、こんな風景に…。
とりあえず、夕陽はとてもきれいでした。