オマーン
~ OMAN ~


オマーンは、
王国としての歴史と良識ある国王の善政を感じる、
秩序立った、とても美しい国だった。

一般的な見どころ、という点では、
特別の目玉があるわけでもなく、
どこに行ってもフォートくらい。
最近まで鎖国をしていたせいもあり、
観光がしやすい国、というわけでもない。

ラマダンなどいろんな事情も重なって、
私のオマーン滞在は、観光ではなく生活だった。

清潔で、のんびりしていて、それでいてかなり快適、
国家を家に例えるならば、オマーン人は、
とてもよくしつけのされた家庭の人といった感じ。
私はほとんど何にもしないで1ヶ月、
パキスタン、イエメンテンションを大いに癒した。

いま振り返れば、大変な異文化なのだが
直前に滞在していた隣国イエメンが、あまりに濃かったため、
当時の私の感覚は、すっかり麻痺していた。

埃1つ付いていない民族衣装、整備されている道、
整然とした町並みにあるモスク、イスラム建築や模様…。
民族衣装もモスクも、空や海の青も日差しも、
すべてが日常の光景になってしまっていた上に、整然として清潔。
東京にいるような感覚になってしまい、
ほとんど写真を撮っていないことに、帰国して気がついた。

さて、オマーンは、ほとんどの人が民族衣装を身につけている。
人々の生活レベルや意識レベルからすると、
民族衣装といった感じではないのだが、
国の施設で働くオマーン人は、着用が義務付けられているらしい。
おろしたてのような状態の、真っ白な衣装に帽子は、
強い日差しと青い空と海、砂色の大地に、とても美しく映える。

着用義務は、洋服を排除する、という意味合いではなく、
民族衣装で全く支障がない、という現実を踏まえて、
オマーン固有の文化を大切にする、という精神の表れ、
自らの文化に対する深い理解と誇りのようなものを感じる。
立派な国王なんだなぁ、と感じる瞬間なのである。

ところで、私は洗濯好きなのだが、
オマーンは驚くほど洗濯物が白くなった。
それまでの国々は、
洗濯するほどに、白い服は違う色になっていった。

あまりにも、洗剤が効果を最大限に発揮することで、
オマーンで供給されている水は、
人工的な水なんだと感じたが
これだけの水を作って供給するには
一体どれだけのプラントが必要なんだろうか、
というほど豊かに水があった。

のんびりして、洗濯して、干したらすぐ乾いて、しかも今までの汚れがどんどん落ちる、白くなる。
私はオマーンで、
それまでのいろんな意味でのアカを落とさせてもらった。


“オマーン” マスカット
“オマーン” サラーラ・スール・ソハール
“オマーン” ハサブ (ムサンダム地方)

ラマダン ~イスラムの皮肉と矛盾~
(2001年12月 オマーン・マスカットにて)

マジメな文章(写真なし)


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