ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 解説④ screw
さて、前回の回答を公開します。
35年前のあのヌードルズとマックスの関係の破綻、マックスが仕掛けた偽装死には語られていない別の要因が作用していました。
それは当時のマックスの愛人、キャロルです。
キャロルはマックスが警察に自身を殺させるためわざと密告させるよう自分とヌードルズに仕向けたと明かしますが、マックス自身は警察とグルだった、と語りこの時点で既に話が食い違いを見せています。
キャロルはマックスが自分から発砲し、警官隊に殺されたと語りますが、マックスは死にたがりではなく、成功を目指していたのは明らかです。
マックスが自滅を選んだ理由を精神病の父の死に様から自身が同じ道をたどる事を恐れ、死にたがっていたと説明しますが晩年のマックスは狂ってると揶揄されても激昂する様子もありません。むしろ、激昂するシーンは、キャロルがマックス達に合流していた期間にしか描写がありません。
その一方でキャロル自身はベイリー長官の財団出資の施設に収まっている、デボラがその開園式に参加している状況で、ベイリーのこともデボラのこともよく知らず面識も付き合いも無いというのは、ヌードルズがベイリー長官を知らない以上に無理があります。
と現代編のシーンで、言質に食い違いや不自然が集中しているのは、実はマックス以上にキャロルの方なのです。
ヌードルズが行き着いた、35年前の真相とキャロルについての疑念と推測は、おそらく以下のような内容だと思われます。
ヌードルズ出所直後にマックスが受けたフランキーの仕事、その席でジョーの語った、イチモツ保険を成立させるため、ジョーの「機能」を確かめに身を差し出し、ジョーを気に入り、勤務先の宝石店の情報をベラベラ喋った「ブルネッロの」保険屋の妻、とはキャロルのことでしょう。
そして宝石店襲撃時に「濃いブロンドに染め直したか、戻して」ヌードルズに自分を犯すように煽ったのも、自身が情報を流し襲撃に加担したことへの追求を免れるため、自分も被害者だと偽装するためのでした。(オーディオーコメンタリーで、マゾだから、という解説がありましたが、これはさすがに苦しいと思います。)
もともと彼女は信用できない、人に取り入って利益を得る一方、身持ちも口も軽く、容易に知人を破滅させる普通ではない思考行動の持ち主でした。
その後、彼女はデトロイトではなくNYに「さらに明るい髪に染め」現れます。(この時ヌードルズだけは髪の色に違和感を感じたのか、あの女ではないんじゃないか?と呟いています。宝石店での行為の間、キャロルの顔が見えない態勢だったため、濃い金髪の印象が特に強かったのでしょう)
これも順調に仕事をこなし勢いをつけるマックス達に取り入るためで、娼婦としてマックス達から声をかける体裁をとりその意図を悟られまいと慎重に近づき、利益を誘導するため、宝石店でレイプするように煽ったヌードルズではなく(寧ろヌードルズを突き放すような態度を取っています)、ボスであるマックスの方に抱きついた。
その後は保険屋の夫を切り捨て、マックス達の友情で成り立っていた、仲間と仕事の関係に侵食していきます。
キャロルのやり方はおそらく、ヌードルズの事をマックスが意気地なしだと陰口を言っていたと車の中で告げ口したシーンのように、「マックスはコックアイとパッツィーのことをバカだと言ってる。自分はいずれ王様だが奴らは一生チンピラだと吹聴してる」、といった悪口を仲間に植えつける形だったのでしょう。(また、給料を女遊びで貰うとのたまうコックアイと、赤ちゃんのメモを忘れるなど抜けた所があり、目先の欲に流されやすいパッツィーに、会ってそうそう皆で一緒に楽しみましょうと誘う程あけすけな女の武器の力も借りていたかもしれません)
逆にマックスに対しては、(良くない仲間を切り捨てても)あなたは上を目指すのよ、王になりなさい、と誘導し、玉座を与え尊大な態度が表面化するように演出することで、パッツィー達が「キャロルが話していることは本当なのかも……」と思えるように、陰口に信憑性が増すように裏づけをしていく。
と同時に、マックスへ「コックアイもパッツィーもマックスは狂ってる、と噂している」などと告げ口し、キャロル自身もその折々でマックスのちょっとした行動を逐一あげつらって、「マックス、あなたは狂ってるわ、このままだと精神病院で死ぬ」、と刷り込んでいく。
こうして彼らの関係に楔を打ち込み、互いに疑心暗鬼に陥らせ、マックスに対して味方は私(キャロル)だけ、という状況を構築するべく誘導していく。
その結果のギスギスした空気が表面化したのが、あのインターミッション直後のヌードルズが仲間の所に久し振りに顔を現すシーンで、彼らに流れる微妙な空気は、落ち込み阿片窟通いのヌードルズをどう扱っていいかという戸惑いだけではなかったのでしょう。
だからマックスは、「仲間皆がマックスの悪口を言っているわよ」、とばかり伝えてくるキャロルに対して、「お前なんか愛していない!」と言い放ち、「黙れ!」と叫び、「出ていけ!」と叫び、その口からトラブルの種が飛び出す事を防いでいた。
同時に阿片窟通いのため会話の機会そのものがなく、キャロルにも悪口の捏造ができなかったヌードルズに対し変わらぬ信用が見え、仲間に対しても勤めてその関係を壊さないようにする態度(ジミーからの報酬を渡し、ヌードルズの阿片窟の様子を茶かすをのさっと遮り、仲間の仕事に戻るように言い含めたり)が見えるのです。
しかし、その後もキャロルの企みは続き、マックスがヌードルズを追いかけ4人で海へとバカンスに行った時点では、パッツィーとコックアイへのマックスの不信は決定的になっていたのでしょう。(2人なら2000万、いや5人で5000万か…というセリフからもその事は伺えます)
そして残るヌードルズに対しても、キャロル以上に全幅の信頼を置いていたのに、お前とならきっとやれるとまで訴えたのに、浜辺で長年の夢の銀行襲撃を狂ってる、と返されてしまう。
ここで最後の楔を打ち込むチャンスを、その場に居たキャロルに目撃させてしまった。
その後NYに戻ったマックスに(どちらが先かはわかりませんが、)2つの変化が起こります。
ひとつはヌードルズにも不信が芽生えたマックスは、仲間の誰も信用できず、相談もせずに、政治家シャーキーと労働運動家ジミーの薦めもあって彼らのプランに乗ることを考えていく。
もうひとつは銀行襲撃を準備しつつも、無理のある計画に冷静になりしかたなく諦める方に傾く中、キャロルからヌードルズが浜辺で激昂したマックスの精神状態に不安を抱き、警察に売って捨てようとしている……と吹き込まれヌードルズの信頼にさらに疑念を深めていく。
そう、前回指摘したように警察とマックスがグルならば、身代わりの死体があれば偽装死に密告電話は必要ないのです。
そしてキャロルはヌードルズにマックスのためにと密告を勧める……
信頼の崩れた2人は互いにキャロルの言質を確認することもないまま、そしてキャロルの思惑どおりにヌードルズは密告に向かう。(このときのほくそ笑むようなキャロルのカットは印象的です)
キャロルの告げ口でヌードルズの密告を疑っていたマックスはそれを追い、向きの変わった受話器から密告を確信し、密告をしておきながら「ずっとお前と一緒だ」と嘘をつくヌードルズを自分から捨てるべきだと考える。
その事を口にするも、狂ってると指摘され、怒りに任せてヌードルズを殴り倒す。
そしてパッツィー達に与えた死よりもつらい、裏切り者の汚名を着せ、鞄の金も奪い、イブも……
つまり、マックスはキャロルによって、ヌードルズが自分を裏切ったと思い込まされた。というのが実際だったのでしょう。
その場合、当然キャロルはマックスの偽装死を知っていた可能性が高いでしょう。寧ろ、ヌードルズの危険を訴え、銀行襲撃を取りやめ、偽装死のトリックを授けて転身を進言したのはキャロルだった可能性すらあります。
そして「仲間の事を悪く言う女で信用していなかったが、キャロルの言う事は本当だった。つらく当たっていたのにずっと支えてくれていた。」とマックスが受け取ったなら、唯一の信用に足ります。(裏付けるように邪険に扱われてきたキャロルは、モーの店じまいのパーティーの際には、マックスとの間に今までと違い打ち解けた描写があり、一方最後の仕事と諭し肩を組むマックスとパッツィーとコックアイの間には、微妙に嫌悪が混じる様にもそれは見て取れます。)
実際警官隊に殺された2人に加え、追われたヌードルズ、殺されたイブ、リンチにあったモーと違い、所詮体だけの関係だった筈のキャロルだけに危機があったシーンが無い理由であり、そこにはマックスの力が働いたから、「もしくはそれと同等以上の力が働いた」というのが自然です。
その後のマックスとキャロルが、どの程度の付き合いだったのかははっきりしません。
しかしキャロルが35年前にマックスが死んだと信じていて、その後の20年ほどを生き、裏社会の住人だった彼女がマックスのような「あるいは同等の」後ろ盾無く女手一人で医療施設に収まり、その出資が偶然マックスで、名前を冠したベイリー長官のことを15年も知らない、などという晩年のキャロルの説明通りという事はまずありえません。
なにしろマックス=ベイリー、政治家と労働組合と裏社会のズブズブの関係という切り札を抱え、35年の間その時々で利益を得るなり、NYにいた時と同じようにマックスのそばで虚構を操り、にらみ合いと相互不信の状況を作って身の安全を確保しつつ利益を享受していたのかも知れません。
実際、堂々と表の仕事で尊敬されてもおかしくない立場になり、しかしマックスの秘密を知りつつも殺されもしていないのです。ここでは白髪になっていますが「漂白完了」といった所でしょうか。
ただ、いつの時点かはわかりませんが、最終的にキャロルはマックスの信頼を失ったのだと思います。
その後愛人の座についたのがデボラで、よくマックスがデボラを愛人にした理由について、
マックスはヌードルズが手に入れたものが欲しくなるのだ、とか上昇志向のある2人がくっついたとの根拠を見ますが、個人的には明確にキャロルが選ばれなかった何かの理由がある事がより重要ではと考えています。
であれば当然、マックスの方がたかられる立場で、彼のほうからキャロルに積極的に関わりを持つような付き合いはもう無いのでしょう。
こうみると、最後のマックスのある種開き直った高圧的な態度にも筋が通ってきます。
マックスはヌードルズを唯一無二の存在と考えていた。
それは今も変わらず、思い出の時計を持ち、息子に名前をつけるほどに。
彼を謀った罪すらも感じているが、しかしなぜヌードルズは自分を裏切って密告したのかという思いも捨てきれない。寧ろ、お前があの時俺を裏切らなければ今のこんな惨状にはならなかったのに……との想いが追い込まれた今ますます強まった。
そうしてやけっパチな態度を隠さず凄むマックスが、淡々と我を貫き自分の意のままにならないヌードルズに段々とエキサイトしていくあの場面のトーンに繋がっていった、という気がします。(同時に、ヌードルズがマックスを消した場合、マックスに消えてもらいたい存在の援護射撃になることに、彼らの手を汚さずに済むことに留意してください。マックスが自身の意思と関係なく、誰かの意向を実現するためヌードルズに自身の殺害依頼をする状況はありうるのです)
そして重要なのはヌードルズが「何の事を話してるのかわからない。ミスターベイリー。あなたは私になにも貸しなど無い。」と振ったとき、マックスが密告電話ではなく、替え玉工作と警察とグルだった事だと返した場面でしょう。
もしマックスが密告電話をするようにヌードルズに仕向けたのであれば、裏切り者の汚名を着せられ追われるはめになったこの件こそ寧ろ貸しとして言及されるべき内容です。
なぜ言及されなかったかといえば、マックスが密告電話はヌードルズの自発的な行動だと考えていたからに他なりません。
ヌードルズもこの時点でキャロルの告白と食い違う部分に不自然さを感じた……
もちろん探偵ヌードルズは、このキャロルが黒幕という考えに至らなかったかもしれません。
世の映画やドラマの探偵のように、その推理を披露はしませんでした。
あるいは、その推測を裏付ける確たる証拠が無く、その考えを明らかにするにはリスクのある状況でもありました。
監視カメラで一杯の館の中で、しかもマックスを追い込んだ政敵も居るかもしれないいわば敵地で、(監視カメラや盛況な来場者、ジミーと同じ、要人有名人が多数という描写があります)マックスをベイリーと呼び続けてまで過去のことでよけいな言質を取られまいとしているヌードルズには、そもそもキャロルの名前すらだせない状況にも思えます。
しかしどちらにせよ真相が不明瞭であっても、涙で霞む瞳に蘇る過去の記憶にひと時浸り、マックスを撃たずに固辞し続けるヌードルズは、おそらく事件の真相がどうであれ、なによりかつての友人を手に掛ける気持ちにはなれなかったのでしょう。
その気持ちのまま、態度のまま、用心深いヌードルズは(マックスではなくベイリー長官と呼び続けるように)クライマックスの「不明瞭な」会話を始めます。
このあとの2人のやり取りは大きく分けて3つに分かれます。
まず殺害「仕事」の依頼を固辞するヌードルズですが、確かに過去に、時に金目当、時に自衛のため殺害の経験があると話すヌードルズは、続いて「多くの人間が俺達の元へとやってきた。取引相手、商売敵、……恋人。」(many people used to come to us.business partners,rivals....lovers.)と語ります。
これは不自然です。前述の殺人をも厭わなかったヌードルズという話の流れでいけば、(金目的で)取引相手が来ることも、商売敵(が訪れ銃の力で撃退、自衛した)が来るのもわかります。しかし「恋人」がこの話の流れで出てくるのはちょっとおかしいです。
この「俺達」の仕事がかつてのヌードルズとマックスの殺しを伴う仕事だとしたら、「恋人」が殺し目的でヌードルズやマックス達を使うためにやってきたとすら捉えられます。
これは何を指すのでしょう。
次にマックスが時計を持ちながら語った「(お前が)友達に裏切られた時は、おかえししろ。やるんだ。」(when you've been betrayed by a friend,you hit back.do it.)ですが、このhit backはまさに背中をぶん殴るという意味にも取れます。
マックスがヌードルズの密告時の狂ってる発言に怒り、殴りかかったのも背中からでした。
とすれば、復讐は当然だという自分の考えの表明をしつつ、まるで35年前のあの時の殴打の理由は、友達に裏切られた(時には俺はやり返さないとと考えている)からだと語っているようにも思えます。
最後に、ヌードルズは別の友人の話として密告電話の件を「彼を助けるために掛けた」、(それは)彼が望んでた、(それは)すばらしい友情だった、(それは)「彼を不幸にした」し、俺も不幸になった。と、「it」や「he」にまみれた「こそあど言葉で」、推測が必要な語りかけで、「キャロルの告白も折りこみ」当時の行動の釈明を行います。
マックスへの憎悪や精神異常の疑いをヌードルズが持っていた訳でも保身のためでもない、友を大切に思う気持ちゆえのことだった、という想いを伝える部分が主ですが、ここでようやく(マックスからは語られなかった)密告電話の件が口にされます。
マックスの憶測ではない、ヌードルズの側からの密告電話の意図や真相が明らかになるのです。
そしてそれは、ヌードルズが聞いたキャロルの告白(密告をマックスが望んでいた)が真実だったのかどうかもマックスにぶつける意味をも持っていました。
その別れのセリフに全てを託したのでしょう。
マックスはこう考えたのではないでしょうか。
「ヌードルズの密告には俺を貶める意図はなかったようだが、加えて俺が密告を望んでいたと謀られた可能性があった。そんな人物といえばもちろんキャロルしかいない。」
そこでマックスは長年のヌードルズへの疑念を振り払い、4人でバカンスに行ったときと同じように、自分を曲げずに立ち去るヌードルズに寄り添うべく追いかけます。
しかし、その背後から組織の回収車が迫り、マックスは……
キャロルが男と行為にいたる時、「screw」という隠語を使っていました。
しかし本当にscrewされたのはヌードルズ達の人生や友情だったのでしょう。
そして最後の和解の機会すら、回収車の後部で回る「screw」に呑みこまれ消えてしまったのです。
ではまた。
| 固定リンク
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」カテゴリの記事
- ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 解説④ screw(2015.04.20)
- ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 解説① 夢と現の狭間(2015.03.13)
- ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 解説③ 探偵ヌードルズ(2015.04.20)
- ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 解説② アウトサイダーの帰郷(2015.04.16)
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 映画 2001年宇宙の旅 解説:②移ろう神々(2019.01.04)
- 戦争と映画⑯ 「アメリカンスナイパー」解説 キラーエリートの憂鬱:後編(2018.07.29)
- 戦争と映画⑮ 「アメリカンスナイパー」解説 キラーエリートの憂鬱:前編(2018.07.29)
- 戦争と映画⑩ 「ハウルの動く城」解説①借金持ちハウルとサリマンの高い貸し(2018.07.21)
- 戦争と映画⑭ 「ハウルの動く城」解説⑤母親、呪いの正体(2018.07.21)
コメント
この映画は「夢か現実か」に固執するあまり、この作品をまるで「夢であることを見抜く」ことを目的とする映画であるような扱いをする人も多くてうんざりしてい
ブログ主さんはそこに囚われず広い視野で映画を見られていますね。自分が見てきた中で最も納得のいく解釈でした。
投稿: | 2016年3月19日 (土) 10時06分
名無しの方こんにちわ!
お返事遅れて申し訳ありません
(事情でネット環境が今ないのです……)。
読んでいただき本当にありがとうございました!
自分も、この映画は絶対に夢である、という解釈や、高圧的な意見に以前から違和感がありました。
どちらかといえば、自分の立ち位置が揺らぎ、(スリップ、といえばいいでしょうか)夢なのか現実なのかが不明瞭になる、言葉にできない感覚や情感をフィルムに封した映画、頭ではなく心に響く映画と思っています。
今回それに反して、(まだまだ書き足らないですが)頭でっかちな解釈優先で書きなぐりましたが、心の視点を踏まえた上での膨大な解釈がこの映画にはたっぷり詰まっていると思います。
だから、いつか夢のテーマと同じくらい、心のテーマが語られる日がくればいいなあというのが、一観客の願いですね。
ではまた。
投稿: かろん | 2016年3月28日 (月) 20時06分
横から失礼いたします。かろん様は夢オチ説と激しく対立するもう一つの説をご存じない?
ご存じないとしたら激しくネタバレなので詳しくは申し上げませんが、私はそちらの説を支持しています。夢オチ説は物語の放棄であり、私は議論する価値すらないと感じます。
投稿: | 2016年4月 9日 (土) 04時12分
名無しの方(前回とは別の方ですよね?)こんばんわ!
またまたお返事遅くて申し訳ありませんでした。
そして、仰るもう一つの説について、重ねて申し訳ありませんが、見当がございません!スミマセン!(ネタばれ、というからには実は~だった、といった解釈とは想像いたしますが…)
前回の返信の繰り返しになりますが、私個人は心の方面での解釈が中心にあり、しかし観客それぞれが各々、映画の表現にかけ離れて互いに押し付けあうような事さえなければ、自分の解釈でよいのだと思います。
夢オチですらも、全く論じるに値セズでなく、もう少し視点を変え、例えば観客が「現代偏がヌードルズの見た夢だと感じる」視点と「ヌードルズがあのラストで自分のこれまでが夢だったのではないか」と感じているかもしれない視点の垣根が不明瞭な点にまさに妙味を感じるのです。
胡蝶の夢、獏の夢、古来からのモチーフです。
そうみれば、あの阿片窟が中華風なのも、ひらひら蝶のように舞う影絵劇場に設けられているのも、当然とも意図的とも思えるのです。
長文失礼しました!
ではまた!
投稿: かろん | 2016年4月14日 (木) 20時26分
気になってググったんですが、ここまで考察されてて素直に凄いと思いました。
初めて観た感想としてはヌードルスは生涯を通して孤独を選んだのではないかと。
友情も愛情も芽生えたけど結局は上手くいかず、信頼できる人間を裏切り続け罪悪感に苛まされ麻薬に溺れた人生。
ラストのヌードルスの歪んだ笑顔が本心だったのかなと個人的には感じたのですが…
こんなくだらない意見で申し訳ないです。
でもホントに名作ですね!また観たいと思いました^ ^
投稿: デニ色 | 2016年6月22日 (水) 23時18分
読み応えのある内容でした。
マックスとキャロルの関係性がまるでマクベス夫妻のようですね。
投稿: LFC | 2016年9月11日 (日) 23時46分