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【政治】

市区町村の半数 外国人処遇に懸念 生活支援や報酬水準

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 外国人労働者の受け入れ拡大で、雇用主らに求められる生活支援や日本人と同等以上の報酬水準といった適正処遇について、市区町村の半数近くが実現を懸念していることが十日、共同通信の全国アンケートで分かった。劣悪な労働環境など技能実習制度の問題点を置き去りにしたまま、新制度の具体像も明確に示されない状況に自治体の不満は強い。一方で介護分野などを中心に深刻化する地方の人手不足解消への期待も示された。

 外国人の適正処遇が「確保できない懸念がある」12%、「どちらかといえば確保できない懸念がある」35%で計47%。「確保できる」2%、「どちらかといえば確保できる」18%の計20%を上回った。新制度の詳細が不明などの理由で「その他」も30%あった。

 生活支援は「多くの企業は外国人受け入れのノウハウがない」(秋田県大館市)などとして、国や自治体による後押しが必要との意見が強い。

 報酬水準の確保は「受け入れ企業の経営が厳しい」(北海道雄武町)など否定的な見方が多いが、一部には「日本人と同等でなければ(仕事が)長続きしないと受け入れ側も理解している」(熊本県南小国町)との前向きな回答もあった。

 政府の外国人労働者受け入れ拡大方針は、地場産業の人材確保が困難になっているなどの理由から「賛成」8%、「どちらかといえば賛成」47%と好意的な受け止めが多かった。「反対」は1%、「どちらかといえば反対」は9%だった。

 慎重な立場では、女性や高齢者らの就職支援を優先するべきだとの意見や、賃金が高い都市部への外国人労働者の集中を懸念する声があった。

 都道府県は「賛成」三県、「どちらかといえば賛成」二十一道県、反対ゼロ。「その他」二十二都府県、一県は無回答だった。

 全国千七百八十八自治体(都道府県、二十三区、市町村)を対象に昨年十一月~今年一月に調査。99%の千七百六十八自治体が応じた。

 

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