映画『レオン』なぜ人はマチルダに魅力を感じるのか?
1994年にフランスとアメリカの合作映画として製作された映画『レオン』。その登場人物の一人ナタリー・ポートマンが演じるマチルダの魅力をあらすじとともにご紹介させていただきます。
映画『レオン』でマチルダを演じた女優、ナタリー・ポートマン
ナタリー・ポートマンは1981年にイスラエルで生まれ、この1994年に公開された『レオン』で映画デビューを果たし国際的な注目を集めるようになりました。『レオン』ではマチルダ役を当時13歳という若さで演じています。
【あらすじ】マチルダとレオンの出会い
マチルダのフルネームはマチルダ・ランドーで、主人公レオンが住むアパートの同じ階に住む12歳の少女です。麻薬の運び屋をしている父は彼女を毛嫌いしていて、父の再婚相手には相手にされず腹違いの姉とも仲が悪いです。そんななか家族の中で唯一弟だけを愛していました。
ある日父親から受けた暴力によって鼻血が出ている時に、ハンカチを渡されたことでレオンと顔見知りとなり、彼の代わりに牛乳を買うお使いに出かけます。しかし帰ってくると玄関に殺された父の姿があり、身の危険を感じたマチルダは隣に住むレオンに保護してもらいます。彼女の家族は皆、麻薬取締局に殺されていました。マチルダは最愛の弟を殺した麻薬取締局の捜査員への復讐を誓い、レオンと共に生活し殺し方を教わろうとします。
ここから殺し屋レオンと12歳の少女マチルダの2人の生活が始まるのです。
映画『レオン』マチルダの魅力とは
大人びた容姿
まず何と言っても12歳とは思えない大人びた容姿です。ショートボブの髪型と常に首についているチョーカーがトレードマークで、『レオン』の公開当時この髪型は大流行しました。
マチルダが見せる幼さ
劇中でマチルダがレオンに思考力と記憶力の訓練になると言って、最高のゲームをしましょうと言います。最高のゲームとはマチルダが有名人に変装し、レオンが誰なのかを当てるといったゲームです。無邪気にモノマネをするマチルダには12歳の幼さが見てとれ、映画の中では誰よりも大人びている彼女が見せる子供らしさには魅了されます。
またマチルダの初仕事を祝ってレストランで食事をした際には、グラスに入ったお酒をがぶ飲みし笑い上戸になるシーンもありました。無垢な姿が可愛いですね。
マチルダの名言集
『レオン』の作中でマチルダは幾つか名言を残しています。名言には彼女のまっすぐで愛に溢れた性格が濃く現れています。ではその名言を場面を踏まえながらご紹介していきます。
レオンあなたに恋したみたい
マチルダがベットに飛び込みながら言ったセリフです。作中で初めて彼女がレオンに愛を伝えたシーンですが、これにはレオンもおもわず飲んでいた牛乳を吹き出しています。人を愛したのは初めての経験で、愛するという感情を腹痛という表現で表しています。お腹の締め付けられるような感じが消えて暖かいと表現しています。映画はこの後、よりマチルダのレオンに対する愛情が強く描かれていきます。
私が欲しいのは愛か死よ
復讐を望むマチルダに対して、人を殺すと取り返しがつかないことを知っているレオンは復讐をやめるように言います。そんなレオンの愛を試すシーンでこのセリフは言われました。
その後彼女は人を優しくするゲームと言ってロシアンルーレットを始め自分の頭に銃を突きつけます。レオンはギリギリのところで止め、マチルダはレオンの愛を確かめました。彼女の危なっかしい行動に、ついつい私たちは釘付けにされます。
レオンや観客はなぜマチルダに惹かれたのか
劇中ではレオンに殺し屋の素質を持っていることを認めさせるために窓の外に銃を乱射したり、愛を確かめるためにロシアンルーレットを始めたりしていました。
さらには1人で弟の仇を討つために麻薬取締局に銃を持ち込んだりと感情で行動している部分が多く描かれています。これはマチルダの女性らしさを表しています。
また12歳とは思えない強い心と大人の魅惑を醸し出しているかと思えば、おどけてみせたりするなど12歳の幼さも持ち合わせていることが分かります。殺し屋なのに純粋でキュートな性格のレオンとは対照に、マチルダの12歳とは思えない行動、思考が相まってさらに女性らしさが強調されていました。
また日本語の“凶暴な純愛”というコピーそのままに、二人の深い愛が描かれているのです。12歳のマチルダから出る大人の魅惑のギャップに、多くの人が魅力を感じた事でしょう。