【ロンドン原田公樹】サッカーのフランス1部リーグ、ナントは8日、28歳の若さで事故死したアルゼンチン人FWエミリアノ・サラの背番号9を永久欠番にすると発表した。元日本代表監督で昨年10月からナントを率いるハリルホジッチ監督は同日の定例会見で涙を流しながら「彼は選手としてだけでなく、人としても謙虚で、その振る舞いはみんなから愛された。最近は自分のことだけを考える選手が多いが、彼は正反対だった」とその死を悼んだ。
ナントの選手として1980年代に同じ背番号9を着けて活躍した同監督。悲痛な表情で「私も背番号9だったがエミリアノは本当に特別な背番号9だった。みんな彼のことは一生忘れない」と声を絞り出した。
同監督は当初、サラの放出に猛反対した。だが、カーディフ(イングランド)側は1500万ポンド(約21億3000万円)という高額移籍金を提示。“選手ファースト”でもあり、やむなく移籍を許した。
サラは移籍先での契約後、荷物を取りに一度ナントへ戻った。先月21日に再びカーディフに向かう途中、搭乗した小型飛行機が英仏海峡に墜落し、短い人生の幕を閉じた。