岩隈調整法で完全復調へ-。1月に軽度の右肩インピンジメント症候群と診断された中日のドラフト2位・梅津晃大投手(22)=東洋大=が9日、春季キャンプで初めてブルペンで捕手を座らせて投球。マリナーズで活躍した巨人の岩隈の調整法にならい、1軍のマウンドを目指す。
直球のみ40球。着実な1歩を踏み出したものの、梅津には安堵(あんど)感と焦燥感が混在していた。「これほど、力を入れたことはなかったです。まだ体がついてきてないです」
完全復調までの道のりで手本とするのが、日米通算170勝の右腕だ。門倉2軍投手コーチが近鉄時代、同僚の岩隈が故障明けに高めの球を集中的に投げているのを見てきた。力みがちな時期には高めに回転のいいボールを投げることを徹底。徐々に高さを下げていき、それが球筋のきれいな直球につながるという。
この日のブルペンでは早速、岩隈方式を実践。門倉コーチが「力みがあってボールが引っ掛かっていたんでね。低めじゃなくて高めに投げるように言いました」と言えば、梅津も「最後の方は高め、高めと意識して投げました」と修正した。
スラリとした体格に長い手足は岩隈に通じるところがある。本人は「全然似てないですよ」と否定したが、爽やかな笑顔のイケメンっぷりも本家同様だ。
「ダメな時もあるので勉強ですね。いい球もあったので、それを増やしていきたい」。将来のエース候補が、少しずつ調整のステップを踏んでいく。 (谷大平)