大西 実は今日の対談、すごく緊張していて…。ビジネスマン向けのメディアに掲載されるっていうことなんですけど、私みたいな会社勤めの経験がないアイドルが、何かプラスになることを言えるのかなって心配で。
前田 でももし僕が今、営業やコンサルなどコミュニケーションが重視される仕事をしていたら、真っ先に大西さんのことを徹底コピーすると思います。
大西 えっ、本当ですか!?
前田 はい。大西さんのお仕事を単純化するならば、「ファンの人たちを楽しませて、そして、応援してもらう」ことだと思うんですが、僕たちビジネスマンが会社に行ってお仕事をする上でも、決して本質は変わらない。商品を使ってくれるお客様やユーザーの皆様をどれだけ楽しませて、応援してもらえるか。同様にこれが重要になるわけです。大西さんはこの領域で凄い結果を残している。僕らがそこから何かを学ばない手はないんです。
僕は応援される人には3つのポイントがあると思っていて。それは、「熱量」と「客観目線」、そして「ストーリー」です。
大西さんは、この3つの要素を持っていますよね。だからこそコアファンがついて、総選挙で圏外から一気に38位にランクインという結果も出せた。大西さんの躍進という現象から、とても興味深く学ばせて頂いています。
大西 ありがとうございます。自分では意識していないので、そう言っていただけると嬉しいです。(笑)
前田 本当のことですから! あと、大西さんの事って、つい、誰かに話してしまうんですよね。それはやはり、ストーリーがあるからだと思います。僕が大西さんについて誰かに話すとき、このようにストーリーを紹介しています。
AKB48に「朝5時半の女」と呼ばれる子がいます。彼女は、「ファンと交流する場を作るためにSHOWROOMで配信しよう。でも、ただ配信するだけでは埋れてしまうので、ライバルの少ない早朝の時間帯を狙おう」と考えて、1年半以上毎朝5時半に配信していました。
彼女のお父さんは2年前に亡くなったんですが、お父さんからは「アイドルに向いていない」と言われていました。けれど、形見のスマホには彼女の画像や動画がたくさん保存されていたそうです。彼女は、実はずっと応援してくれていたことを知って号泣。それ以来、お父さんと残された家族のために頑張っています。
毎日配信し続けているのが「熱量」。ライバルの少ない早朝に配信しているのが自分を差別化する「客観目線」。そして、毎朝5時半の配信そのものや、お父さんのエピソードが他の人に語りたくなる「ストーリー」です。
大西 なるほど。
前田 中でも、仕事においては特に1個目の「熱量」の重要性が高いと考えています。